2022/03/23(水)SHIROさん、大学3年で一発合格!

はじめに~自己紹介を兼ねて~

Ⅰ 始めに~自己紹介を兼ねて~

 はじめまして、私は2005年度2次試験に合格したSHIROというものです。ちなみにスポック氏主催の公認会計士試験 再現答案企画にも参加させていただきました。そちらも参考にしていただければと思います。初めて聞いたもの、知らなかったものがあれば拙い文章で分かりにくいかもしれませんが参考にしてみてください。各論の中に総論的なことがでてきたりして読みにくいですが私の思う全てを書きますのでばらばらですがご了承下さい。

プロフィール
ここで、私のプロフィール等を簡単に述べたいと思います。

・ 現在 某大学3年次在学中
・ 予備校:TAC本科生
・ 勉強期間:1年9ヶ月
・ 受験回数:1回
・ 短答:37点 (簿財原監商の順番に8・6・7・9・7)
・ 全答練:上位30%
・ 勉強時間 基礎期:3~5時間 直前期8時間
・ 勉強割合:簿記15% 財表15% 監査15% 原計10% 商法20% 経済15% 経営10% 

 私は受験回数1回で目標の在学合格を果たす事ができました。しかし上記の通りさして成績がいいわけでもありません。運も大きかったと思います。事実、試験後はどれもてごたえがなく落ちたと思いかなりへこんでいました。
以下は具体的に述べていきます。各科目のおよその成績と受講した講師名、アクセス等のオプションについて等にも触れていきたいと思います。基本的にTACについてしか書きませんのでその点はご了承下さい。また基本的に入門生のみなさんに向けて、一発合格を目指す事を前提に書きます。近年は大学1年や2年の時から学習を始めるひとも多いようですので在学中受験のポイントというか大学との両立の仕方についても触れていきます。ちなみに私の勉強時間が少なかったのは大学があったからというのも一つの理由です。

Ⅱ 私の基本姿勢&総論

計算で受かるか、理論で受かるか
 私は運良く1回で合格しましたが、全体的に成績がよかったわけではありません。結果として作戦勝ちだったと思います。あれは簿記の基礎答練1回目を受けたときでした。私は恐ろしいほどの点を採る人がたくさんいるのを見て愕然としました。そして彼らには勝てないと思いました。そのときから私は、計算は最悪平均をとり、理論で受かる事を目標とすることにしました。上級生の方や講師に「計算できないやつは受からない」と散々言われていましたが当時の私には全く理解できませんでした。

 よく考えたら理論の配点は800点もあるわけで計算よりも多いです。この試験は7科目総合で上位に入ればいいわけです。多くの人は、理論は差がつかないから計算で稼ぐ、あるいは計算のほうが、習熟が早いから計算は完璧にというスタンスなのでしょうが、私は、一発合格を狙うためには上述の理由からお勧めできません。しかしこの点は人それぞれです。自分のスタンスないし作戦は必ず確立してください。
苦手科目は作らない
 苦手科目はつくらないように努力してください。(KEYS)

 ここで言う苦手科目とは、「偏差値で言えば48以下」といえば偏差値世代の人にはわかり易いでしょうか?これは全答練、本試験を受けた結果分かったことですが、2勝(偏差値55以上)3分(偏差値50~55)3敗(偏差値48~50)くらいで充分合格圏内にはいります。負けすぎなければ3つくらいなら平均割っても問題ありません。ただしこの場合の母集団は短答合格者です(今年の全答練2回目は短答合格発表後に行われたため、おそらく受験者は短答合格者がほとんど)。
短期合格に本当に必要なもの
 ところで、みなさん、合格には何が必要だと思いますか?才能ですか?これは否めません。事実、「フリーターは嫌だし会計士でも目指してみるか」なんて考えて始める人はいたとしても少数派です。ある程度自分の頭に自身を持っている人がほとんどです。しかしこれだけと言ってしまえば合格体験記を書く意味がありません。

 合格した人はみな続ける能力、つまり継続力のあった人です。実はこれが実に難しい。みなさんの周りにもやめていく人がかなりいると思います。そしてこの能力のある人は遅かれ早かれ必ず合格できます。この試験は努力した人の勝ちです。受かりたいなら何かを犠牲にして我慢強く続けてください。

では一回で受かるか複数回で受かるかの違いはなにか?それはいかに要領よくないしは効率よく勉強したかだと思います。要領と言えば少し抽象的ですね。具体的にはどういうことか?簡単に言えば無駄なことはやらないことです。
一発合格できない理由:
 短答まえにやたら細かいことを覚える
 分かる所を何回も見る
 総合問題を解き続ける
 
 このようなことは実に要領が悪いです。でもこれをやっている人はたくさんいます。

「短答前にやたら細かいことを覚える(のは非効率)」は必要ないのは明らかです。

 短答だって、Aランクの問題をしっかりとれば受かります。論文だって基本を落とさずにとればかなり上位で合格するでしょう。そうです、はっきり言えば世間に思われているほどは会計士受験生のレベルは高くありません。(KEYS)

 なぜか、それはみんな基本を疎かにしたり、ミスが多かったりするからです。

 みんなができないような問題をできると人間は優越感を感じるようです。しかし全くそのようなことは試験で求められていませんからその必要性がありません。いかに基本的な問題をミスなく解くかです。問題を見てできると思ったときこそ、少しペンを休めてください。そして落ち着いて考えてください。書く順番ひとつで点は大きくかわります。

 「分かるところを何回も見る(のは非効率)」に関して。

 私は理論科目のテキスト・レジュメは全て200枚入る26穴バインダーにとじていました(私はmarumanのものを使用しました)。原則1科目1バインダーです。この量が限界です。そのため分かる所はどんどん抜いていきました。特に財表のテキストは厚いですが、何回も見る必要のないところが多々あります。そうゆうページを抜くことでテキストはスリムになります。何よりもページが減るのが目に見えて少し勉強が楽しくなります。ただし監査・商法については抜く余地がほとんどなかったです。ちなみにこれは財表VTR講師の河村先生も推奨しています。

 「総合問題を解き続ける(のは非効率)」に関して。

 入門生、特に2年本科や1.5Lの方の中には過年度アクセスをやったりトレーニング簿記をやったり総合問題を大量に解いている人もいるかと思います。時間があるうちはそれでいいんです。しかし、上級に入ればそんな余裕もなくなってくるでしょう。詳しくは各論簿記で述べます。

 勉強時間についてですが、一日10時間は必要だとか意味の分からない基準がありますが、私は8時間が限界でした。それ以上は惰性で勉強している感じになってしまいました。最高14時間勉強したこともありますがあまり効果がなかったです。昼から行って9時まで勉強するのが私のスタイルでした。睡眠は、8時間はとるようにしていました。

 最後に講師についてですが、自分に合うのであれば誰でもいいと思います。要は自分なのですから。講師批判する人はたいしたことがない人であるのが常です。もしVTRとLIVEで迷ったら、長いものに巻かれてください。つまり受講者数が多いほうに流れることです。

Ⅲ 各論 科目別

1.簿記(現:財務会計)
・全答練2回分の平均偏差値:55
・短答:8点(3つは勘です)
・論文:105点
・担当講師:入門→李先生、上級→LIVE
・使用教材:TACテキスト、アクセス、答練(短答答練含む)

 簿記は聞けば誰でもわかる科目です。慣れの要素がおおきいです。しかし総合問題をやたら解くのは非効率です。(KEYS)
 TACの簿記のテキストは個人的によくできていると思っています。

 入門生で授業に追われ時間がない人、テキストについている例題を何回かやってみてください。そして空いた時間で何回か繰り返してください。5分あれば1問できます。これをやれば上級期には、総合問題は連結以外やらなくていいと思います。私は秋上級で忙しかった11月から2月まで自習時間で連結以外の総合問題は1度たりとも解いていません。しかし点はあがりました。総合なんて個別の足し算です。

 総合問題を解くのはアクセスだけで充分です。アクセスは原則受けてください。自分の位置を把握すること、総合問題が個別の足し算である事を確認するのが目的です。そして受けて間違えたとこはその度に確認。時間を計っての解きなおしはやらなくていいです。短答後の7月8月にやってください。その時のために最初に受けた時にはわかるところに感想や初見での自分の点数、日付等の情報を書いておいてください。  

 アクセスは朝受ける必要なんて全くありません。なにかこうTACには「朝アクセスで頑張らないと受からない」みたいな空気がありましたが、そんなのは全く関係ないです。朝が苦手なら昼でいいと思います。私は専ら昼派でした。朝でると一日のリズムは保てますが、必ず睡魔が襲ってきます。

 これで、授業で寝ていては本末転倒です。あとやたらとアクセスの点数を気にする人がいますが手段を目的にしないでください。忘れないで下さい、みなさんの目標はアクセスでいい点とることではなく、それを手段として使用し合格することですよ。この点を忘れたのか、アクセス命みたいな人が大量にいます。

 ちなみに上級問題集は、私は使用していません。時間がなかったからというのと、問題はアクセスで充分だからです。はっきり言えばアクセス受講者にとってはムダだと思います。

 最後に短答対策はTACの短答答練だけで充分です。短答に合格しましたら、論文に関しては連結か個別論点しかでないと思いますので時間がなければそれ以外は切っていいと思います(講師の方は立場上このような発言はしませんが、みなそう思っているのではないでしょうか)。一部のとりわけ優秀な人を除き一発合格するためにはある程度の割りきりが絶対に必要です。直前期は、アクセスや答練といった総合問題中心で勉強してください。難しいものではなく多くの論点が含まれる良問を解いてください。
2.財表(現:財務会計)
・全答練2回分の平均偏差値:54
・短答:6点
・担当講師:河村先生
・使用教材:TACテキスト、論点集、答練、会計法規集

 この科目は理解が大事です。受験においてはしばしば「理解」か「暗記」かが議論されます。「理解することが大事」という言葉は何回も聞くことでしょう。私は理解ってなに?といつも思っていました。ただ分かればいいのか?私は、理解と暗記は紙一重だと思いました。とても抽象的で、ある人にとって理解という言葉が、ある人にとっては暗記になったりします。なんだか難しくなってしまいました。人間は理解ができないものをなかなか暗記できないと思います。理解ができればある程度はかけるものです。

 しかし理解できないこともしばしばありますよね?それがどうでもいいことならとばしてください。重要なのに理解できないのであれば暗記してしまってください。つまり覚えるのです。そのうちそれがいつか理解になるはずです。要は難しく考えず覚えればいいのです。よく言われる「理解も暗記も必要です」の言葉の意味がつかめない方はまず覚えてみてください。(KEYS)

 財表は、理論の話か制度の話かしっかり意識して勉強してください。「理論上は本来こうあるべきだが、政策上あるいはこのような弊害がることから、制度はこうなっている」という知識が必要です。企業会計は商法の規制を受けますから理論ではどうにもならないことも多々あります。

 河村先生は基本中心でほんとにこれだけでいいのかと不安になるくらいですが大丈夫です。短答(短答といえば今年の問題は本当にひどかったです。あれでは誰に習っても点はとれません。)も論文も大丈夫です。入門生にはいいと思います。論点集はしっかり理解し覚えてください。今年は、TACは結構あててくれました。
3.原計(原:管理会計)
・全答練2回分の平均偏差値:57
・短答:7点
・担当講師:近藤希望先生
・使用教材:アクセス、答練

 普段の答練はしばしば平均を割っていました。もちろん成績優秀者なんてほど遠かったです。しかしなぜか全答練はできました。特に2回目は10%に入るくらいでした。本試験も単位ミス等で失敗しましたが周りはみんな私よりできていなさそうでした。これから分かることはみんな目新しい問題になかなか対応できないのだと思いました。管理会計は制度会計ではありませんから試験問題は試験委員のやりたい放題です。

 設定をかえればどんな問題だって作れます。一番こわい科目だと思います。この科目で落ちる人は多いでしょう。

 だから簿記のように何回も繰り返し解くのではなく一度考えながら解いたら時間がなければ特にやり直す必要もないでしょう。私はこの科目は正直ほとんど勉強していません。最低限アクセスにでた理論を覚えたりした程度です。作問者は何がさせたいのか考えてから解いてください。電卓をすぐにたたくのではなく最後まで問題をよく読み全体を把握してください。すぐにたたいた人は負けます。私はいつも最初の5~10分は問題把握につとめました。こわい科目ではあるが、最小の努力で最大の効果がでるのはおそらくこの科目です。
最後に原計の短答も短答答練だけで充分です。ただ原価計算基準は何回か読みましょう。
4.監査
・全答練2回分の平均偏差値:60
・短答:9点
・担当講師:南先生
・使用教材:TACテキスト、南先生レジュメ、資料集

 この科目は一番得意でした。すべて南先生についていきました。先生は丁寧すぎるくらい深く教えてくださいます。この科目は理解できないということは少ないと思います。極端に言えば暗記科目です。暗記が多く嫌になりますが、先生が指定する定義約120はしっかり覚えてください。これだけでもかなりできるようになります。覚えるだけですから入門生には意外に楽な科目かもしれません。

 僕はこの科目、全答練2回目は上位5%以上に入りました。答練もだいたい名前は載っていました。何か絶対的に得意な科目がある必要はありませんが、あると長丁場の受験中の気休めになります。しかし再現を見れば分かるとおり本試験はあまりできませんでした。

 短答は、監査基準と委員会報告書を2回くらい読みました。監査基準は暗記すべきと言われますが私は完璧には暗記していません。穴埋めができるくらいにしました。監査基準の文言で解答を作成できる問題もよく出題されますし、監査基準の文言をさりげなく自分の解答に盛り込むことで解答が引き締まるため、ある程度暗記する方が無難です。

 あと、これは南先生がいつもおっしゃることですが改定前文は読み込んでください。これで受験監査はすべて分かると言っても過言ではないくらいに内容が詰まっています。

 短答対策としては、南先生レジュメを片手に委員会報告書・監査基準を読みました。あとは短答答練で確認する程度で充分合格点はとれると思います。南先生レジュメはコピーして、重要語句を修正テープで消して虫食いにしてほとんど覚えました。
ちなみにTACの監査のテキストはよくできていると思います。これだけで充分なのかもしれません。短答・論文ともに使えます。答練をペースメーカーに読み込んでください。
5.商法(現:企業法)
・全答練2回分の平均偏差値:50
・短答:7点
・担当講師:小飯塚先生
・使用教材:小飯塚先生レジュメ、短答パワーアップ、ポケット六法

 この科目には本当に悩まされました。結果としては小飯塚先生のレジュメとほとんど同じ問題がでたために今年の商法はヒットしました。若干ミスもしましたが。

 この科目に関して私は大きなことは言えません。全答練になるといつも成績が急降下しました。基本がわかっていなかったからだと思います。結果として小飯塚先生のレジュメをほぼ暗記して終らせてしまいました。 

 短答は条文がきかれますから条文が大事です。論文でも条文が一番大事です。TACの短答パワーアップはお勧めです。ある程度頑張れば満点も可能です。私も何回か答練では満点をとりました。今年の本試験のような問題がでたら無理ですが。商法の短答は必ず得点源にしましょう。
6.経済
・全答練2回分の平均偏差値:46
・論文本試験:約100点
・担当講師:鏡先生
・使用教材:アクセス、答練、鏡先生レジュメ

 この科目は来年からは受ける人はほとんどいないでしょう。むしろ経済の大学院を修了した人以外は受けるべきではありません。その人でさえも経営の方が無難です。会計士試験の経営学は範囲が狭いです。

 あと、数学得意な人は有利と言われますが高校数学が得意でも意味はあまりありません。在学者は文系の人ならとってはいけません。選択するとかなりハイレベルな争いになるからです。同様な理由から統計学も避けるべきです。他にも本試験における傾斜配点の存在の可能性からも避けるべきです。8割以上の人は経営でしょう。できの悪い答案が多いほどいい答案は光ります。統計・経済を選択したらまず光らないですよ。

 この科目は短答後に始めました。答練は、応用答練は受けていません。アクセスも途中から受けていません。講義も一部は短答後に聞きました。そのため全答練1回目は悲惨な点数でした。勉強方法としては計算問題を一気に解いただけです。本試験はある程度点はとれるがあまり差がつかない問題だったため、運も味方してくれました。
7.経営
・全答練2回分の平均偏差値:51
・使用教材:TACテキスト、試験委員著書、答練、(日経新聞)

 この科目も短答後に本格的に始めました。こちらは範囲がかなり少ないので間に合う自信がありました。そのため、時間のなかった私は、答練や講義さえも繰り延べていました。経営は基礎答練しか受けていません。おかげで全答練の成績は芳しくないですが。時間がなければそれでいいと思います。短答後で充分間に合いますから。まして来年からは経済・民法を避けられるのでなおさら大丈夫です。

 この科目を成功させるには勉強しすぎないことです。それだけです。TACのテキストは試験委員の著書を切り貼りしただけで面白くもなく、むしろ試験委員の本を読んだり、基本書を読んだほうがよっぽどいいですよ。私は、淺羽教授の「経営戦略の経営学」を電車の中で読みましたが結構おもしろく勉強になりました。

 今年は桑原先生がVTRを担当している地域もあるようです。私の時にも彼に習えたら経営ももっと楽しくできたのかなと思います。上級生の人から彼の授業は他と全然違うと聞いていたので受けたかったのですが。

 日経新聞はできるだけ読むようにしてください。TACの休憩室で20分だけでいいので。経営学だけのためではなく、最近は会計士関連の記事も多く監査の勉強にもなります。

Ⅲ 時期別学習法(秋上級が前提)

入門期(~9月)
 この時期予習する方もみえますが、基本的には復習中心がいいでしょう。時間的にはそんなに多く確保する必要もなく、上級に向けて体力を温存してください。この時期は頑張りすぎない事が大事かもしれません。あんまりとばすといつか必ずバテます。在学者はこの時期に単位をある程度揃えておくべきでしょう。
上級期(10月~3月)
 「年内に計算は完成させろ」とわけの分からない雰囲気がTACにはありました。私は例のごとく無視しました。

 秋上級は年内に計算のインプットさえも終らないですからね。この時期は我慢の連続で、授業に集中しました。年があけると、講義と平行して答練もあり本当に苦しくなります。2・3月が秋上級の忙しさのピークです。3月になればインプットが終ります。それまでは講義を聴くのだけで精一杯でしょう。私はこの時期には復習すらできないようになりました。答練に合わせてその範囲を復習して帳尻を合わせていました。
短答直前期(4月~5月)
 この時期はほとんど授業がなく、短答の勉強をはじめました。来年からは短答が一つの山になりますから2月くらいから少しずつはじめるべきでしょう。短答は運の要素がありますが、私の周りを見る限り番狂わせはほとんどありません。なぜ受かったの?という人は若干いるみたいですがなぜ落ちたの?という人はほとんどいないです。受かる人は受かります。その点は心配ないのでしっかり勉強してください。
 またこの時期には、短答後何を勉強するかといったことを念頭におき、資料を整理しておいてください。
論文直前期(6~8月)
 この時期は言うことはありません。各論で述べたことをひたすら勉強するだけです。この時期にはだいたい1日に5科目は勉強するようにしたいところです。しかし私は短答燃え尽き症候群で6月はほとんど勉強できませんでした。しかも7月には大学のテストがあり、精神的にかなりまいりました。一番精神的にきつい時期でした。仲良くしていただいた先生方にいつも相談にいっていました。先生と仲良くなるといいですよ。気軽に質問もできますしね。

Ⅳ 大学との両立

 この試験、合格者の8割は無職です。8割の人は全てを試験に注ぐわけです。そんな中、留年せずに在学合格を狙うためには大学との両立が不可欠です。まず当然ですがなるべく試験と関係のある授業をとるようにしましょう。そして極力、レポートで成績の決まるものや、出席のないものをとりましょう。友人には多かれ少なかれ迷惑をかけることになりますがその点は合格後に恩返しするつもりで御願いすることになります。

 幸い私は友人に恵まれ単位も順調にとることができました。今後、恩返しをしていくつもりです。
1・2年の時、周りは遊びに夢中でしょう。そんな中、勉強に集中するのは辛いことです。相当な信念が要求されます。合格後はそんな事も一気に忘れることができますから頑張ってください。

Ⅴ 基本姿勢

 入門生のかたは本当に苦しいと思います。大学在学者はなおさらです。私は合格年度には3年に在学しておりましたので、一番TACの忙しい2月と試験がかぶり相当苦しい思いをしました。私は、理論科目はフォローを利用しカセットで聞いていたのですが、一時、10講義分くらい授業がたまりました。また選択科目に関しては年明け以降ほとんど受講していません。苦しければ無理にタイムリーに受講する必要もないでしょう。自分のペースを守ってください。ただし遅れすぎは禁物です。撤退リスクが高まりますから。

 苦しい時、支えになるのがやはり受験仲間です。仲間はいるに越した事はありません。また、いまいち成績が伸びない人は必ず、できる仲間を作ってください。できる人はできる人と群れてください。できるグループというのはみんな一気に受かっていきます。質問しあったり成績を教えあったりすることで刺激にもなります。私の周りは今年の最終合格率の8倍くらいの確率で受かっています。ほんとに私は周りに恵まれました。

 そして、他校には基本的には手を広げないこと。例えば、原計は大原、財表はLECというふうに科目ごとに分散させるのは特に避けてください。気が散りいらいらの原因になります。公開模試くらいにしましょう。大原の短答公開模試(母集団がわりと大きく遠征することになるので練習にもなる)、LEC公開論文模試(資料だけで可。なぜかここ最近大ヒットらしい。今年は財表の論文本試験で笑ってしまいました。簿記も当てましたが、復習しなかったためにアウト)くらいは受けてもいいかもしれません。基本的にTACで受からない人はどこに行っても受からないと思います。(TACの宣伝をするわけではないですが)

 あと過去問は必ず見ること。去年の問題は、今年はまずでません。私は過去問を見て、直前期には去年出た論点をきりました。結果かなり楽になりました。04年にでた後発事象の定義等はもちろん覚えていません。

Ⅵ 成績推移

参考までに成績を載せておきます。

短答編
  TAC短答総合 TAC直前 TAC 大原公開 LEC直前
1 2 3 4 5 6 1 2 3 全答練 1 2
偏差値 53 53 55 55 50 57 54 60 61 60 58 60 60
判定・順位 D D C C D B D A A A 585/3130 513/3582 192/1529

論文編
 こちらはデータを紛失しましたので具体的な数字ではなく、言葉で書きます。全国版の成績が月に1回送られてきますが理論に関しては、採点者が異なりあてにならない(そのため校舎でランクインしても全国版でE判定とかもけっこうあります。)ので計算だけ参考にするようにしましょう。

 私の成績は財表・監査は基礎答練から直前答練まで8割がた成績優秀者に載りました。商法は2回に1回、経営は全回で2回載りました。簿記・原計・経済は答練ではおそらく1回も載ったことがありません。

Ⅶ 就職活動

 今年に関してしか分からないのですが今年は、大手監査法人は軒並み採用者数を増やしたようで、先日の日経新聞によれば大手だけで1400人の求人でした。それに対し合格者数は1300人。明らかに売り手市場でした。これには某監査法人の事件も大きく影響しているかと思います。私の周りでは就職できなかった人は一人もいないどころか、勝率100%でした。つまり面接にいけば内定がでていました。私の周りは若い人が多いからかもしれませんが。就職活動に関しては何も不安になることはありませんでした。さすがに面接は試験以上に緊張しましたけど。

受験で一番緊張したのはもちろん11月の合格発表です。
ちなみに在学中合格者でも就職はできますよ。その点は心配いりません。学生兼社会人もできます。しかし、言うまでもなく決して甘いものではありません。
参考までに質問された事項について覚えている限り列挙します。
・ 会計士を目指した理由は?
・ 当法人の志望理由は?
・ あなたはどんな人ですか?
・ 会計士として働く上で何が一番難しいとおもいますか?
・ 会計士に合格したら、どんな仕事をしたいですか?
・ ゼミについて
・ 大学の単位の取得状況
・ 短答は受かるべくして受かったか?予備校での成績は?
・ 本試験の手ごたえは?
・ 他の法人の面接も受けるのか?
こんな感じでしょうか。かなりアットホームな空気で面接は進みました。売り手市場だというのがひしひしと伝わってきました(笑)

Ⅷ 最後に

 長くなりましたが最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。絶対最後まで諦めないこと、これが一番難しいことですが、一番大事なことです。当たり前ですが。

 しばしば会計士の試験範囲は膨大と言われますが、確かに学問的に追求すればおそらく一生かかっても無理です。それに加え毎年改正が加えられます(だからこそ1回で受かってください)。しかし資格取得のための「試験」を念頭におけば範囲はそんなに広くありません。配られる資料は多いですがすべてが必要なわけでもありません。繰り返しになりますがムダだと思ったらやらないようにしましょう。

 健康には充分気をつけてください。あと息抜きは大事です。私は昼からTACに行く日がほとんどでしたがやる気のない日は夕方に帰ったり本屋に行ったりしていました。

 最後に一つだけ言いたいことがあります。みなさん、受験生といえども人間です。余裕はないかもしれませんが周りのことも考えられる人であってほしいと思います。電卓を強打したり、ペンで書く音をうるさくしたり。けっこう周りは迷惑しているかもしれませんよ。ただでさえみんなピリピリしているのです。

 思いやりをもってください。思い当たる節のあるひと気をつけてみてください。なぜか短答後はこのような人は減ります。これが何を物語るかは分かりませんが。この業界は狭いですよ。友人関係は本当に大切です。人脈ほど大切なものはありませんから。

 みなさんが合格を勝ち取り、いつか同じ業界で働ける日を楽しみにしております。ありがとうございました。何か質問等ございましたらスポック氏のサイトを通じて質問してください。