スライムさん

1.はじめに

 私は2006年公認会計士試験に合格し、合格体験記を書かせていただくことになったスライムと申します。

  私は受験3回目の今回の本試験で無事合格することが出来ました。ちなみに1回目は運よく短答式試験は合格したものの、論文式試験は全く手ごたえがないまま不合格(Bランク)し、2回目も短答式試験は合格しましたが、論文式試験は惜しくも不合格(Aランク)しました。公認会計士を目指し始めたのが2003年のお正月明けだったので、苦節3年10ヶ月の勉強期間を経て合格を勝ち取ったことになります。
 合格体験記を書く前に、今までお世話になった方々(親・兄弟・大学の友人・バイト先の同僚等)、そして2005年再現答案と今回の合格体験記を書かせていただく機会を設けてくださったスポック様に対し、厚く御礼申し上げたいと思います。有難うございました。

2-(1)私の時期別の学習法

 まず、私の3回の受験暦に合わせて、1~3回目の受験を迎えるまでを3回に分けることにより、それぞれの時期の学習法、そしてその年の本試験でなぜ不合格になったのか、あるいはなぜ合格したのかを自分なりに分析していこうと思います。拙い文章だとは思いますが、その点はご了承ください。

(1) 受験1回目を迎えるまで(2003年1月~2004年8月)

 序章でも書きましたが、私は大学1年の終わり頃(すなわち2003年の1月頃)に公認会計士を目指すべく、とある予備校に入学しました。
大学に入学直後は学校の授業カリキュラムになかなか慣れず、またスポーツサークルに所属していたため、大学受験で溜まっていたうっぷんを晴らすべくスポーツを楽しんでいました。その後、冬になり大学の生協にあった公認会計士についてのパンフレットを目にし、元々資格を取って将来それを元手に仕事をしたいと思っていたのと、また自分が経済・商学系の学部に入学したのもあり、思い切って勉強をスタートすることになりました。

 ただ予備校のカリキュラムでは2004年受験コースはとっくにスタートしていたため、まわりの受験生に追いつくため、ビデオ講義で自分なりにスケジュールを組んで学習をしていました。
まずはセオリー通り、計算科目の授業を集中的に受講し復習を繰り返していました。ただ簿記で約50回、原価計算(現行制度では管理会計論)で約40回の授業があったのでそれを受講・復習をするだけでも一苦労という感じでした。

その後財務諸表論・監査論・商法(現行制度では企業法)・経済学・経営学の授業も受講がスタートしたのですが、この頃には自分が当初予想していたよりもずっと学習が大変でかつ嫌になってきたせいなのか、大学の授業やサークルを理由にして学習が滞りがちになってしまいました。

2003年の夏ごろから予備校の答案練習会がスタートしたのですが、その頃も周りの受験生にとってはとっくに受講済みのはずの授業ですらも全くこなせていない有様でした。この基礎固めの時期に勉強をさぼった結果が後々大変な労苦を招くことになってしまいました。これから勉強を始める方や入門生の方は決して私のようにならないようご注意ください。基礎固めであるこの時期に授業をきちんと受講し、復習をマメにやらなければ後々必ず自分に跳ね返ってくることになると思われますので・・・。

 答練については、計算科目は全て受講し復習もよく行っていたので、短答式答練も論文式答練もともに全て受講していました。
計算科目の偏差値は簿記については50~60、原価計算については50~55くらいをキープしていました。

 一方で理論科目は授業をまともにこなせていなかったために、答練もさぼりがちになってしまい、実際に受けた答練でも財務諸表論・監査論は偏差値が40~45、商法は45~50、経済学や経営学はほとんど答練を受けずに、問題と解答を第1回~最終回までまとめてもらって帰るという有様でした・・・。

 一方で短答式の答練や模試でも合計50点中15~25点くらいしかとることが出来ず、不安に感じた自分は短答式本試験2ヶ月前の2004年3月から短答式本試験まではずっと短答式対策しかしませんでした(当時の受験制度では決して真似してはならない試験対策でしょう笑)。
 2ヶ月間短答に特化したせいか、その期間に行われた短答式の答練や模試において劇的に点数が伸び、30~35点をコンスタントに取れるようになりました。ちなみに使用した教材は・・・、

 ☆簿記:

予備校の短答式答練・模試(復習として1回転し、間違えた問題だけ2回転する)、TAC出版の厳選100問問題集(初見の問題に慣れるために1時間10問を10セットと考えて1回転する)

 ☆原計:

予備校の短答式答練・模試(復習として1回転し、間違えた問題だけ2回転する)、TAC出版の厳選100問問題集(初見の問題になれるために1時間10問を10セットと考えて1回転する)     +原価計算基準の読み込み(しっかり1回転で、できれば軽く2回転する)

 ☆財表:

予備校の短答式答練・模試(復習として1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、予備校の短答問題集(1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、会計法規集(会計基準等)の読み込み

 ☆監査:

予備校の短答式答練・模試(復習として1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、予備校の短答問題集(1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、委員会報告書等の重要部分の読み込み

 ☆商法:

予備校の短答式答練・模試(復習として1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、予備校の短答問題集(1回転し、本試験直前に間違えた箇所だけ再チェック)、

でした。

 短答問題集とテキストの読み込みだけでもこなしておけば、自然に短答本試験でも合格点に近い点数が取れる実力がつくと思いますし、さらに合格を確実にするためには、財表については会計法規集(会計基準等)の読み込み、監査については監査基準委員会報告書・その他もろもろの基準等の読み込み(これについては予備校の先生が特に重要と位置づけている部分だけで十分です)をすることをお勧めしておきます。

 商法について、条文の読み込みは自分はやりましたが、量が非常に多く、読み終えた頃には最初に読んだ条文を忘れてしまうことがある等、あまり効率的な勉強方法ではなくあまりお勧めできません。
 商法についてはできるだけ多くの肢に接することが効率的でありかつ点数アップにつながりやすい手段だと自分は思っています。上記で挙げた短答式対策は受験1~3回目全てに共通するものであり、受験回数を重ねたからといって特に変わった勉強方法ではありません。

 この結果、2004年5月に受験した短答式本試験では答練・模試でも取ったことのないような点数を取り、(運よく)合格することが出来ました。通常の受験生ならそのまま論文式本試験までの残り2ヶ月を論文対策に費やすのが普通なのでしょうが、短答突破も無理だと思っていた自分は、短答突破の事実に満足してしまったのかその後に油断というか堕落した生活を送ってしまい、さらにその年の7月には大学の定期試験や、8月にはアテネ五輪がテレビで数日間放送されるなど、論文対策をしなければならない自分にとって障害が多すぎるのもあり(意志が弱い自分がいけないだけなのですが)、殆ど論文式対策をしないまま8月後半に行われた論文式本試験を迎えてしまいました。

 論文式試験の3日間は全科目全くといって良いほど試験に太刀打ちできず、さらに問題の難易度が例年よりも上がったのもありまさに殆ど(商法だけは予備校が予想した問題が出題されたためある程度書けましたが)壊滅といった有様でした。

 とくに経済学がひどい出来で白紙のほうが書いた部分よりも多かったのを覚えています。ただあまりの壊滅ぶりでショックを受けたせいなのか、本試験直後に2005年受験に向けてのスタートを切れました。

その意味ではこの壊滅ぶりは後々自分にとって良かったのかなとは思っています。

2-(2)受験2回目を迎えるまで

(2004年9月~2005年8月)

 この頃には会計士受験に対する本気度も自分なりに持てるようになり、一日にしめる受験勉強の時間もしっかり確保するようになりました。予備校は前年とは違うところに通い始め、気分一新して勉強をしていました。

 勉強については、計算科目は入門期にしっかり基礎固めをしたせいか、新たにインプットに時間を取られることも殆ど無く、答練をこなすことに終始しました。
 具体的には論文対策としては本試験で出題可能性が高いもの(例えば簿記では連結や特殊商品売買、原計では標準原価計算・総合原価計算等)から順に復習していました。

 一方で理論科目は入門期に授業をまともに受けていなかったせいなのか上級生になったのにもかかわらず、入門期のような感覚で一からインプットをはじめました。
 財表や監査は受験1回目の本試験ではろくに定義すら書くことが出来なかったのが、授業を全部聞いたおかげで、語句の意味・定義を書かせる問題や周りの受験生の正答率が高い問題に対して比較的よく対応できるようになりました。

 また、受験1回目では殆ど授業や答練をまともにこなせなかった選択科目も受験1回目後は授業や答練をこなせるようになり、ほぼ最下位近くだった答練(経済学・経営学)の順位も偏差値50近くをキープできるようになりました。
 この頃の答練の成績をまとめると、比較的勉強が進み相対的には得意科目だった簿記・原計については偏差値55~65を常にキープし、一方で苦手科目の部類だった財務諸表論・監査論については偏差値50付近、また選択科目の経済学・経営学についても上でも書いたように偏差値50をキープできるようになりました。これらをトータルすると総合偏差値54~57くらいになり決して高くは無いですが、最低限抑えるべき偏差値を確保できるようになりました。

 余談ですが、確かに総合偏差値60以上のような高成績を残すことができればそれにこしたことはないのですが、仮にそれができなかったとしても、がっかりする必要は無く、合格ラインを確保するためには、全科目穴の無いようにしておき、総合偏差値55をキープできるようにすればよいのです。

 仮に何らかの科目で穴のある科目(偏差値50をきってしまうような科目)を作ってしまうと、別科目でそれを補うような得意科目を作らなければならなくなり、それは非常に大変な労力を要することであり、総合成績も中々安定してこないはずです(これは私の実体験ですから・・・)。全ての科目を偏差値50~55を維持し、その中でも自分の得意科目(私の場合は簿記・原計でしたが)で偏差値55~60をとることを意識すればいいでしょう。そうすれば余裕で合格ラインを確保することが出来るでしょう。

 このような感じで学習を進め、この受験2回目を目指した時期は勉強も比較的スムースに進んでいました。また前年は3月からスタートしていた短答対策も4月半ばからやっていました。具体的な短答対策は受験1回目の時とほぼ同じことをこなしていました(上記で具体的な短答対策を書いてありますのでそれを参照してください)。それだけで十分だったと今でも確信しています。そして2005年5月に行われた受験2回目の短答式本試験も無事合格することができました。

 そして受験1回目時では堕落した生活をしてしまった論文本試験までの3ヶ月弱の期間をこの受験2回目時ではその反省を生かし、短答試験終了後すぐに論文試験までにやるべきことを予め紙に書き溜めておき、そして日々のスケジュールもある程度細かく予定していました。とにかく論文対策は勉強すべきことが多く、時間が余ることはないと思われるので、こなすべき教材やスケジュールを自分なりに立てておくことをお勧めします。そうすれば途中で漠然とした不安に襲われ、あるいは混乱することもなくなり、精神的に落ち着くことができるでしょう。

 私自身が短答終了後論文試験までの期間に行った具体的な論文対策としては・・・、

☆簿記:一日1~2時間確保して答練の復習(重要ランクを自分なりにA・B・Cランクに決めてAランクは2回転、Bランクは1回転、Cランクは時間があればやるというような感じでこなしていました)

☆原計:計算問題対策としては一日1~2時間確保して答練の復習(重要ランクに分けてこなす点は簿記と同じです)。理論問題対策としては答練で出題された理論問題と大原理論総まとめを自習室や通学時の電車内等で2回転しました。

☆財表:予備校の財表テキスト+財表論文問題集+財表答練をそれぞれ2回転しました(この際も予備校が出していた重要ランクから順に読み込んでいました)。

☆監査:予備校の監査テキスト+監査論文問題集+監査答練をそれぞれ2回転しました(この際も予備校が出していた重要ランクから順に読み込んでいました)。

☆商法:予備校の商法テキスト(論証が集約された方のテキストです)+商法答練をそれぞれ2回転しました(この際も予備校が出していた重要ランクから順に読み込んでいました)。特に答案構成については高い精度で暗記できるように勉強していました。

☆経済学:経営学も同じですが、選択科目ということもあり周りの受験生も必須科目に比しては学習進度が遅れていると思っていたので、計算問題対策としては、あまり深入りせずに簡単な計算問題を集約した問題集を1回転+間違えた問題をさらにもう1回転していました。この際の使用するテキストとしては大原総まとめテキストが良いと思います。非常に基礎的な問題のみが網羅的に集約されておりスムースにこなせる利点があるからです。また理論問題対策としてもあまり出題可能性が高くはないと思われたので大原ポケットコンパスをさらっと1回転する程度に止めました。

☆経営学:経済学のところでも書いたように、選択科目であり周りの受験生も必須科目に比して学習進度が遅れていると思っていたので、深入りしないように注意しながら、具体的には大原ポケットコンパスを2~3回転することにより用語・語句の意味・定義を抑え、さらに経営答練も2回転しました。これだけでも経営学の対策としては十分だとは思いますが、さらに余裕がある方は経営テキストを読み込むのもいいでしょう(ただテキストも分厚いでしょうし、全部読み込むのは効率的ではないので、予備校の先生が重要ランクと位置づけた論点を1~2回転するだけでいいと思います)。

 上記で書いてきた具体的な論文対策を3ヶ月弱の期間こなし、比較的万全な状態で受験2回目の論文式本試験を迎えました。
3日間を終え、簿記・原価計算についてはある程度無難にこなすことができ、苦手科目である財務諸表論はミスや勘違いもありましたが、ある程度守りの答案を書けたかなという手ごたえを残すことができ、監査論では予備校テキストや答練で目にした問題が多く出題されたのもあり、できたなという感触で終えることが出来ました。

 また、経済学は普段の答練ではとったことが無いような点数をとれたと思いましたし、経営学のまずまず守ることができたのではないかと思いました。 ただ唯一商法1科目だけが出来ませんでした。大問2問中1問についてまるで書くことが出来ず、本試験最後の時間に行われた科目だったということもあり、がっくり肩を落として家路に着いた記憶が今でも強く残っています・・・。

 ただ受験1回目時よりも総合的に手ごたえはあり、もしかして合格しているのではないかという思いで、11月7日の結果発表までの約2ヶ月間を過ごしていました。

受験1回目を終えたときと異なり、やることは全部やったという感覚があったので、結果発表まで来年の受験に向けての勉強をする気がまるで起こらず、バイトや大学の卒論作成に終始して2ヶ月間をこなしておりました

2-(3)受験3回目を迎えるまで

(2005年11月~2006年8月)

 11月7日の結果発表で番号が無かったときは強いショックと2ヶ月間まるまる勉強してこなかった後悔の思い、更には翌年から新たに試験科目に追加される租税法対策への漠然として不安感が一気に襲ってきて、12月末まで勉強をある程度こなしつつも悶々とした生活を送っておりました。 ただサークルの友人やゼミの先生、合格していった先輩方の励ましを頂き、次第に悶々とした気分を一掃することが出来ました。
この時ほど持つべきものは友・恩師だなと感じたことはありません。

 本格始動した2006年1月からはまず租税法対策をはじめました。 急いで授業を全て聞き、答練を解きました。租税法は法人税法+所得税法+消費税法といった3法から構成されており、計算部分・理論部分ともに非常にボリュームが多く、さらに2006年に初めて導入される科目ということもあり、非常に対策に苦心しました。ただそれは周りの受験生にとっても同条件であり答練における平均点もかなり低いということもあり、その点はあまり深入りする必要も無く、重要ランクだけに絞って学習しました。具体的には偏差値55~60をキープすることに心がけました。周りの受験生も学習が追いつかないのもあり、特に労せずして当該偏差値をキープすることができました。

 また他科目に関しても、簿記・管理会計についてはこれ以上成績が劇的に伸びることはないと思ったので、2,3日に一度のペースで計算問題を1問とくという程度に抑えました。また管理会計の理論問題対策は理論重視が各予備校でうたわれていたので、厚めに行い、大原上級計算テキストを2回転しました。

 また他科目についても昨年の勉強方法にある程度自信を持っていたので、財表・監査・企業法・経営学(選択科目としては経営学を選択しました)については昨年と同じカリキュラムをこなしていました(上記の受験2回目時の勉強方法を参照してください)。

 ただ苦手科目である財表・監査は正確な論述が出来るように、語句の意味・会計処理や制度の理由を頭に叩き込み、またその場対応型の問題にも対応できるように、答練では見たことの無い論点が出題されてもあたふたしないように、守りの答案が書けるように学習していました。

 受験3回目を迎えるにあたり、偏差値としては簿記と管理会計が55~65、財表・監査が52~56くらい、企業法が55~65、租税法が55~60、経営学が60~70をとれるようになっていました。やはり同じ勉強方法とはいえもう1年同じカリキュラムをこなしていれば自然と精度の高い答案を書けるようになるのだなと思いました。

 そして大学卒論を無事提出し、めでたく大学を卒業し、その後例年と同じような短答対策(受験3回目時も4月中旬から対策を行いました)を行い、2006年5月に自身3回目の短答式本試験を迎えました。

(短答対策のコツ)

 短答式には既に自信を持っていたのもあり、余裕を持って合格ラインを確保することができました。これから短答式本試験を迎える受験生の方に参考になるように簡単な短答対策を申し上げますと、簿記については2006年度短答式本試験では25,26問分が出題されましたが、来年も同じような傾向が続くだろうと思われるので、とにかくヤマを張らず、必ず分野について網羅的に短答式問題を解いてください。
 帳簿組織や伝票会計だからといって軽視するべきではないでしょう。それは管理会計の計算部分についても同じです。

 一方で管理会計の理論対策は原価計算基準の読み込みは当然行うべきですが、さらに財務分析(各指標の式・意味をおさえる)等も継続して勉強すべきでしょう。今年あまり出なかったからといって来年出題されないという保証はありません。また財表は実務指針から多く出題されましたが、実務指針を読み込むのは効果的・効率的な勉強の妨げにもなりかねず、お勧めできません。会計基準の読み込みをまず行い、実務指針部分については予備校の答練・模試で出題された論点に絞って勉強する程度に抑えることをお勧めします。

 また、監査について今年度は内閣府令等の細かい基準からの出題がありました。保証業務云々に関する意見書や内部統制評価云々に関する基準案等の規定集も短答本試験前までには1,2回転読み込みを行っておくことをお勧めします。一方で委員会報告書については従来通り、テキストや答練で扱った論点だけに絞った学習を行うことをお勧めします。最後に企業法について今年は非常に簡単な問題が出題されました。来年以降もこの傾向が続くとは断言できませんが、逆に難関な問題が多く出題されることも考えにくいでしょう。

 そのため条文の読み込みをするのではなく、従来通り短答問題集や短答答練・模試を通じて出来る限り多くの肢に触れることが重要でしょう。その程度で十分だと思います。

 そしてその後の論文本試験までの対策も受験2回目時と同様のカリキュラムをこなしました。各予備校の模試でも十分満足な答案を書くことができ、自分が立てたカリキュラムが間違ってなかったことをそこで確信しました。そして2006年8月に自身3回目の論文式本試験を迎えました。3日間を通して特にミスや勘違いをした箇所も無く全科目ほぼ無難にこなせたという感触が残りました。そしてその3ヵ月後の11月20日の結果発表で自分の番号があったときは喜びと安心感でいっぱいになりました・・・。

3.公認会計士試験合格に絶対必要な2つのこと

受験を3回経験した私が会計士試験突破について絶対必要だと思ったことは、

(1)この試験についていかに真剣さ・本気さを自分自身が持っているのかということと

(2)辛いときや奈落のそこに叩き落されたときに這い上がれることができるハートの強さ

の2つだと思っています

 この2つがあれば受験生の適性・能力の高低に関わらず誰であってもかなり高い確率で試験を突破することが出来ると思います。 確かに出題された問題によっては自分にとって有利であったり不利であったりすることもあるでしょうが、受験2,3回続けて自分にとって不利だなあと感じることはまずないでしょうしあまり有利不利だからといって楽観的にも悲観的にもなりすぎるべきではないと思うのです。

 私自身も受験1回目時は(1)の要素がかけていたため、その年の本試験は本当に叩きのめされました。

また受験2回目に失敗したときも(2)の要素の点で這い上がれないのではないかといった不安感でいっぱいでしたが、なんとか周りの方々の支えもあり這い上がれることが出来ました。

 精神論みたいな話になってしまいましたが、私が受験生活を送ってきてこの2つの要素ほど重要だと感じたことはありませんでした。受験生の皆さんもぜひこの2つの要素について思い返してみてください。ただ漫然と受験生活を送っているなと感じたときは(1)を、つらくてしょうがないときは(2)をです。みなさんが逆境を乗り越えて受験を無事突破なさることを心から望んでおります。

頑張ってください!!