ぎりぎり58合格、糸巻きさん、在学中合格

58&ボーダーぎっりぎり合格の糸巻きさん。1358位/1456人
ごっぱちギリギリの勉強法はどういうものか、参考になると思います。

一方で、あと数点減点であればもう一年。これを分けたのはなんだったのか。読みながら考えてみてください。

ゴッパチの時間のなさがよくわかると思います。これでゼミもきちんとこなしていたのは驚きです。
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1、はじめに

今回の合格体験記を書かせていただきます、糸巻きです。よろしくお願いします!

簡単にプロフィールを紹介すると、早稲田大学商学部3年生(21歳)でCPA会計学院に通っていました。
 2020.4から勉強を始めました。
 最初はコロナで大学は休校で始まってもオンライン授業だったため短期合格コースで申し込みしましたがそんな上手くはいかず、2021.5短答をお試し受験し、2021.12短答を真剣にやるも不合格になってしまいました。
 その後2022.5短答で短答を突破し、2022.8論文もその勢いで合格することができました。いわゆる58で合格しました。

 得意科目は財務会計論・経営学で苦手科目は監査論でした。
(租税法は58の都合上、消費税をほとんどやっていないので得意科苦手かはあまり分からないです笑)

 僕は決して天才型ではなく純粋に勉強量を積み重ねて受かったタイプなので参考にしやすい体験記になっていると思うのでぜひ参考にして欲しいです!

 勉強量を積み重ねたと言っても累計でみたらの話で途中途中サボりまくっていますし、こういう人でも頑張るところを間違えなければ受かるんだということを見せたいです!また、勉強方法の参考書ではない良さを最大限に出していくためにも主観モリモリでエピソードたくさん書いていきます!

 また、会計士を目指した理由としては

①金銭面での安定した高収入
②企業の裏側を見ることができる
③就活が楽

 という三つの理由から目指しました。やはり働く以上、金銭面は重要だと思うので大切にして考えています。

 また、企業の裏側を知れるというところに関しては普通に人が見ることができないような企業の情報を見れたりするということに自分が面白みを感じたので楽しいと思いながら仕事ができそうだなと考えました。

 就活が楽ということは大学生にしか共感できないと思いますが、一般就活は周りを見ていると本当に大変そうなので会計士業界という売り手市場に専門家として就職できるのは非常に魅力的だと思います。

以上が僕が会計士を志した理由です!

3、入門期

僕が大学に入学した直後はコロナで大学が休講していたため、この休校期間に一気に進めようと意気込んでいました。
そのため最初の3ヶ月間くらいは非常にモチベーションが高く簿記の入門講座と企業法を早めに終わらすことができました。

それ以降も夏休みまでは順調に勉強を進めることができていたのですが、初めての大学の夏休みにテンションが上がりすぎてしまい遊びすぎてしまった結果そこから急激にペースダウンしてしまいました。

夏休み前までは企業法も終わり財務会計論計算と管理会計論は順調に進んでいたのに夏休みの2ヶ月間を完全にサボってしまい、それ以降は実質2021.5短答のお試し受験までに受講だけは終わらせるぞという気合いだけでなんとか受講だけは終わらせることができたというのが僕のだらだらした入門期です。

その中で意識していたことはとりあえず計算のやり方を覚えてしまうということでした。予備校などと言っていることが逆だと思いますが、僕は抽象的なものを理解するより。具体的なものをたくさん理解してそれの共通項という形で抽象的なものを理解することが好きだったので一個一個の計算のやり方を覚えていくことで後々の理解の促進につながりました。

 ここで皆さんにアドバイスをするとすれば会計士試験は量が膨大なので短期集中では乗り切れません。
長期の目線で体力を割り振らないと僕のように短期で失速してしまうので並の体力の持ち主なのであれば直前期でもない時期に詰め込むことはお勧めできません。

自分の体力とモチベと相談して入門期頑張ってください!

また、具体的なスケジュールを記載します。

2020年
4月 簿記3級・2級講座(商業)
5月 簿記2級(工業)企業法をペース通りに進める
6月 財務会計論計算・管理会計論・企業法ペース通りに受講
7月  〃
8月 サボる
9月 サボる
10月 財務会計論計算遅れた分を少しずつ受講する
11月  〃
1月 管理会計論遅れた分を少しずつ受講する
2月  〃
3月 財務会計論理論を詰め込む

2021年
4月 監査論を詰め込む
5月 短答式試験当日までに全科目受講し終わる。

3、短答期

 短答期の全体的な方針としては2021.5短答で明らかになった計算科目の実力不足と理論科目の知識の整理です。これを科目ごとに細く説明していきます。また、58を本気で目指す上で意識していたことを科目ごとに紹介します。

 12月短答が終わった後に租税法と経営学をやるかについて迷う方は多いと思いますが租税法は法人税までは進めておいた方がいいと思います。

 法人税はかなり配点が大きい上にやれば取れる問題が多いのでこの時期からきちんとやっておけば良かったなと僕は後悔しました。

 僕は法人税の受講だけしたのですがちゃんと復習をしなかったせいで結局受講をし直すことになってしまい時間をかなり無駄にしました。。。

 経営学は正直テキストに書いてあることを全部覚えるだけなのでファイナンス分野だけ受講をしたら経営管理分野は暗記をするだけなので5月短答後に時間があれば受講する程度で十分だと考えています。

 正直受講しなくてもテキストを見れば理解できる内容なのでそこは受講しなくても良かったかなと僕は感じました。ここは結構人によって違うと思うで理解力にそれなりに自信がある人は多分授業を受けなくても理解できるので受講の時間を削って他に当てた方がいいと思います。
参考にしてみてください!

<財務会計論計算>

 財務会計論の計算において行なっていたことは主に3つでテキストの例題・短答問題集・模試の解き直しです。

それぞれの目的としては
・テキストの例題で網羅性について強化することを目的としています。
 僕はこの際にC論点までしっかり固めることを意識していました。理由としてC論点は短答においてはたくさん出るからです。前提としてA.B論点は落とすことがそのまま他の受験生に対してビハインドになるので取り切ることは意識しています。
その上で、財務で稼いでいこうと考えた場合はC論点まである程度は拾っていくことが重要だと思います。しかしC論点は論点さえ理解していれば解けるというような問題も多いためそのような問題を積極的にとりにいくためにもC論点は固めていました。
・短答問題集では実践力を高めることを目的としています。
短答問題集だけで網羅性をカバーすることはできませんがさまざまな問題を知るという意味でもC論点まで全部の問題を解いていました。合計で3周しました。
・模試の解き直しでは自分の弱いところを把握することを目的としていました。
 テキストや短答問題集で強化した網羅性や実践力に足りていないところはないかということを確認するために使っていました。
 これは僕の話ですが、王道論点のリースや減損をできる気でいたのですが、模試で間違えることが多く原因をきちんと確かめたところ、リースや減損の根本を理解していないことに気づきそこからリースや減損が得点源になったというような経験があります。自分で気づいていない弱点を見つけるきっかけにもなるので模試の解き直しと失点した理由を分析することは大事だと僕は考えています。
―58対策 (財務会計計算)―
 論文に対して振られている重要度にも意識を払っていました。
 論文においてある程度出そうとされている論点(通称網掛け論点)は5月短答の段階でほぼ理解し終わっていることが必要だと終わってから確信しました。

 僕は実際に5月短答前には短答後時間が足りなくなることを予想して8月の論文式試験を見据えて編み掛け論点にも力を入れて取り組んでいたのですがその目論見は見事に的中しており、本当に時間がなかったので5月短答の時点でほぼ理解し終わっていることは重要だと思います。

 具体的に重要だと考えていた論点はキャッシュフローと組織再編で、これらは短答でもそれなりに出題されますし論文において出た場合に解けないことが致命傷になるのでこの段階で解けるようになっていることが必要だと思います。

 どうしてここまで短答の段階で論文の論点が解けるようになる必要を説いているかと言うと58の場合財務計算に時間を多くは割けないためです。簡単な確認や形式の確認(時間配分の練習など)をする時間はあるのですが、論点を学び直す時間はないのでこの段階で完成させておく必要があります

 58を本気で目指すのであれば論文の論点だからといって短答の後にやろうと考えることは甘い考えだと思っておいた方がいいと思います。

 それ以外は短答で細かい知識もついていて計算は基本的に有利に働くので短答の時に覚えた知識を忘れないというカバーを行えば財務計算については大丈夫だと僕は考えています。

<財務会計論理論>

 財務会計論理論では短答問題集とテキストと模試の解き直しをしていました。

 しかし、計算科目と違うことは実践力をさほど重視していないことです。財務理論は知っていれば解けるのでとにかく網羅性を広げることに注力しました。

 短答問題集は3周くらい解き、覚えていない部分を洗い出すという作業のためにやっていました。模試の解き直しも同じで覚えてない部分を洗い出す作業の一環でした。覚えていない部分がわかったらそれをテキストで見て覚え直すという、とにかくテキストをメインとした学習をしていました。

 また、計算ともリンクしているため財務理論をやってそこに対応する計算をやるということもしていました。この方法が財務会計論全体を底上げすることにつながったので自分でもいいやり方だったなと考えています。
―58対策 (財務会計理論)―
 短答とは解き方が全く違うので1からやる必要はありますが、僕は12月短答落ちてしまった後に財務会計論理論の論文対策周を2周くらい読み物として読んでいました。

 短答には必要ない知識も多いですが理解が大きく深まり論点を忘れにくくなったり計算とリンクしたりといいことしかなかったので5月短答を受ける前の時間があるときに論文対策周をテキストがわりに何周か読んでみることは結構有効だなと考えています。

 5月短答直前期はその余裕はないので短答問題集やテキストをとにかく読んだり説いたりしていましたが12月短答終わりに読んだ論文対策周が結構知識の定着に役立ったので58を目指す人は少し先取りをして勉強をしておくと有利に進むと思います。

<企業法>

 企業法でも財務理論と同じく短答問題集とテキストと模試の解き直しをしていました。
 企業法を財務理論と同じくとにかく覚えていないものを洗い出してそれを覚えるということをしていました。
 しかし、個人的に財務理論と違うところは暗記色がさらに強いということを意識していました。

 財務理論では計算ともリンクしているため流れがありましたが、企業法ではそのようなことがあまりなく、「これはこう」と割り切って覚えるものが多かった印象です。そこでとにかく回転数を大切に全範囲に短期間で触れるということを意識し短答問題集を解き、テキストを見るというサイクルを回していました。実際に僕は企業法の短答問題集は8周くらいしています笑。少し多すぎるとは思いますが回転数を増やしていたという趣旨でご理解ください!
―58対策(企業法)―
 企業法は58だからと言って特段できることは少ないですが判例は短答の段階から覚えておくといいと思います。短答でも少なからず出ますし普通に得点源にもなると思うのでおすすめです。
 個人的にやっていたことは読み物感覚で論文でしか出ないような論点のところを読んでいました。これをすることにより企業法(会社法)に対する理解が深まり論点の繋がりがわかりやすくなったため時間がある時などにやることをお勧めします。

<監査論>

 個人的に一番の苦手科目でした。理解することが難しくて僕なりにたどり着いた結論は全部覚えてしまうということです。

 短答監査論において理解することが難しいという人はたくさんいると思います。その中で僕が行なっていたことは短答問題集をとにかく回して問題を問題ごと全部覚えていくということでした。

 その中で間違えた問題や覚えていない問題があればその都度テキストに戻って見直すということはやっていましたが他の理論科目と違うことはテキストの周回よりも短答問題集を重視していたという点です。

 とにかく問題を多く解いて似たような問題を解けるようにしておくだけで根本的な理解はしていなくても本番で80点という十分な点数を獲得することができました。このようなやり方もあるということを知っておいていただけると監査論が苦手な方には役に立つと思います。
―58対策(監査論)―
 これは僕の時間配分不足で監査論に論文を意識するほど時間を割り振れなかったので、やっておいて良かったというものはないのですがやっておけば良かったなと思うことはテキスト一冊を通して体系的な理解をもっと重視しておくべきでした。

 短答問題集を解くことに注力しすぎてしましましたが、この段階からなぜ?ということに注目してさまざまな論点を理解していれば論文のための勉強でもスムーズに理解が進んだと思うのでこれから58を目指すことになった人は理解にも力を入れてみてください!

<2022.5短答の点数>

財務会計論計算108/120
財務会計論理論64/80
管理会計論80/100
企業法70/100
監査論80/100

合計402/500

4、論文期

 僕は58で受かったので論文期はとても詰まったスケジュールで過ごしていました。

 論文期を通じて感じたことは58で合格するには5月短答の時点で計算科目の理解は完成していないとダメだということです。
 それに加え、経営学と租税法という二教科が追加されるので本当に時間がないです。

 時間がハンパなく少ないということを全体で意識しています。そのため削れるところは極限まで削っているので参考になるところやならないところが混在していると思いますが自分の状況に合ったところを見つけて参考にできるところは真似してみたりしてみてください!

会計学―得点率と順位―

偏差値 51.58 1277位

<財務会計論計算>

 財務計算でやったことはそんなに多くはなく、答練の消化とそれの復習だけです。
 もちろん間違えたところがあればテキストに戻って確認するということはしましたがテキストベースで勉強を行うことはありませんでした。

 5月短答の段階で計算の実力がある程度ついている前提なのですが、その段階で8割9割点数が取れていたら計算の実力は論文でも十分戦える実力であったと終わった後に感じました。なので財務を伸ばすよりも他の科目に時間を割り振って正解だったと思いました。財務計算はキープの科目でやることは形式をしり時間配分の間隔を身につけることだけで十分だと思います。

<財務会計論理論>

 財務理論でやっていたことは論文問題集に記載されている論証をとにかく暗記することです。時間があるときに論証をひたすら覚えていくことで論文の文題がどんどん解けるようになってきました。

 網掛け論点など明らかに出やすいものなどがあるので重要性によって回転する回数を変えて緩急をつけながら覚えていくといいと思います。また、すごい具体的なアドバイスですが試験当日の昼休みは財務計算ではなく財務理論をやることをお勧めします。直前にやったことがよく出るので直前まで粘って読み込むことでハネる要素を作ることができます!

 また財務会計論(会計学午後)を実際に受験してみての感想は、案の定時間は足りないということと知らないことは普通に出てくるということです。

 僕の反省点としては知らない問題に固執してしまい時間をロスしてしまったことと自己採点用に回答を書き写していたのですがその時間があるなら記述の精度を高めることに時間を使えば良かったということです。

 どちらも時間関連のミスなのですが、解けそうなところに全力で時間を使いそこに関して精度を高めていくことが限られた時間の中で合格点を出す効率的な方法だと思います。なので皆さんも本番では時間配分をミスらずに本番の点数を上げることだけに注力してください!
(自己採点用に解答を書き写しても得点は一ミリも上がりません!笑)

<管理会計論計算>

 管理計算に関しては論文のためにあえてやったことは少ないです。形式を知るために模試を解いたこととそこから時間配分を考えたのみでそれ以外のことは一切やっていません。

 短答の時に培った管理の実力を保つだけで論文に通用する力はあると思います。特段やっておけば良かったなと後悔したことはありませんが単純に難しすぎるので短答の時の実力をキープすることは大切だと思いました。また、本年度が短答論点のようなところから結構出てきたのでそういうところも含めて短答の時の実力をキープできるようにすると良いと思います!

<管理会計論理論>

 管理理論は論文のためにそれなりに対策をしました。短答の時は知っていれば解けたようなところも論文では理解して覚えておかないと得点源にならないので論証を重要度によって暗記の重みづけを行い、効率的に全論点をカバーしました。

 管理理論は他の受験生が結構おろそかにしているところだと思うので58勢が会計学という科目で他の受験生にアドバンテージを取るにはもってこいの得点源だと思います。管理で計算が苦手な方でも理論で大きく稼ぐことができるので管理理論という科目があることを忘れずに積極的に取り組むことをお勧めします!

 また、管理会計論(会計学午前)を実際に受験してみての感想は、時間が想像の2倍足りません笑。
 これを解き切れる人はいるのかと本番の最中に思ってしまうくらいには解き終わりません!!

 そこで重要になってくることが問題の取捨選択です。

 まず全大問に目を通して得意な分野やパッとみて解法が思い浮かんだ大門などを優先的に解いていきその大問の完成度を高めることが一番結果として点数を上げる方法だと思います。

 そしてそれが落ち着いた後に解いていない側の問題を解いていくのですが僕は計算をしっかり解く時間がないことが分かりきっていたので計算は本当に一瞬で解き終わるもの以外は最初から解かずに解けるものだけ解いてそのあとは理論をしっかり解凍することに注力しました。

 結果として、一つの大問を固めるということと固めていない方の問題は理論で点数を稼ぐということが結果的に管理会計で耐えるということにつながったと考えています。

 管理会計は人によってかなり解き方や対応の仕方が異なると思いますが僕が辿り着いた結論は理論で安定させて計算をしっかり大問のうち一問ずつ解答するという方法でした。皆さん参考にできる部分があればぜひ参考にしてみてください!

<企業法>

―得点率と順位―
偏差値50.00 1146位

 企業法は論文期において圧倒的に時間を使いました。58において最大の鬼門は企業法だと僕は考えています。その理由としては短答とあまりにも違いすぎてほど違う科目であるからです。

 短答の知識は使えますが論文で使えるほど体系的に理解している人はなかなかいないと思うのでかなりゼロに近い状態から論証をたくさん覚えて行かなければなありません。僕が難しいと思うポイントの一つに内容を覚えても得点が取れないということがあります。監査論・会計学理論・租税理論では書きたい内容を覚えていれば得点を取ることができます。

 しかし企業法では文章の書き方というものがあり、覚えた内容を企業法で求められている文章の書き方に則って書くことが求められます。
そこで僕が行ったことは大きく分けて二つで一つ目が内容の理解と暗記。二つ目が書き方の暗記です。

 内容の理解と暗記について行ったことは論証の読み込みとそこに関連するテキストの読み込みです。論証だけ読んで暗記していくという方法でも十分だとは思うのですがテキストの方が網羅性は高いためテキストを見ることで論証の周辺論点まで復習することができるため網羅性を強化するという意味で有効だったと考えています。

 実際に本試験で書くことがないという自体に陥った時にテキストを見ていたおかげて得点の足しになりそうな文章をその場で思いつき書くことができたので時間に少しでも余裕があるならテキストまで見ておいた方がいいと思います。
 また、読み込むだけでは書けないので実際に暗記していくという作業も非常に重要です。

 論文式試験は理解を問われているとタカを括って暗記をおろそかにしては絶対にいけません。論証の暗記は最大の費用対効果を持つ対策です。一字一句ではないにせよ内容の大筋は理解した上で白紙から論証を書けるくらいまで暗記の精度を高めることが非常に重要だと考えます。
 大変な作業ですがこの作業をしっかりしないと12月短答に受かった方に対してかなりのディスアドバンテージをとってしまうので丁寧かつ効率的に行っていくことがお勧めです!

 書き方の暗記において僕が行ったことは論証を読み込む過程でどの部分が導入で規範定立で当てはめになっているかということを一個一個対応関係を細かく確認をするということと毎回条文をきちんと引くということです。

 一個一個の対応関係を意識しながら論証を読み込むことで実際に書くときに今自分がどの部分を書いているかということが意識できるようになるため非常に役に立ちました。

 また、自分が何を書いているかを意識できることで残りどれくらい書けばいいかなどを認識しやすくなるため書き直しの回数なども減らすことができ効率的に問題を解くことができました。

 また、毎回条文を引くのはめんどくさいと思うのですが毎回きちんと条文を引くことにより出題されやすい条文を感覚的に覚えることができる上にどの条文がどこにあるかということをいちいち探さなくても良くなるので本番においてかなりの時短に繋げることができました。企業法の勉強において一番やっておいて良かったなと思った作業は意外とこの条文を毎回引くということだったかもしれないです笑

 また、実際に受験してみて企業法は思っているよりも時間が足りなくなる科目だなと感じました。
 一度大きな書き直しをしてしますと修正テープで消しその上からゆっくりと書く作業にかなりの時間を取られるため、実際に内容を書き始まる前に書く内容は確定させるということを徹底した上で時間を余らせるくらいの意識で問題を解いていくことをお勧めします。

 58において企業法はかなり辛いと思いますがしっかり論証と覚えて書き方を覚えれば戦える科目なのでぜひ皆さんも頑張ってください!

<監査論>

―得点率と順位―
偏差値59.55 380位

 僕が監査論において行ったことはテキストの見直しのみです。
 これは僕が監査論に大きく時間を割けなかったということも大きいのですが実際監査論はあまり時間かける必要がありませんでした。

 僕は短答の時にまるまる覚えたテキストの知識を監査の流れに沿って説明できるようにすることとなぜこの手続きを行っているかということを説明できるようにするという二点を心がけるのみでそれ以外には何もやっていませんでした。

 企業法と違って書きたい内容が思い浮かべることができれば点を取ることができるのでとにかく出そうなところを重点的に覚えるという作業を繰り返し行いました。僕の年の第二問は埋没感が強かったので実力が反映されていたかと言われると微妙ですが、その場での対応はしっかり行うことができました。

 また、実際に受験してみると監査論は時間が結構余りました。わからないものはわからないと割り切れる部分が多いからだと思いますがそれでも空白は絶対に避けなければならないので迷ったらこれを書くというようなことをある程度決めておくといいのかなと受験してみて思いました。

<租税法>

―得点率と順位―
偏差値48.35 1473位

 租税法は58において色々悩ましい科目だと思うので完全に58の目線から租税法を語りたいと思います。

 僕の租税法の大きな方針は、『理論は捨て(計算でカバー)所得税・消費税も捨て』という大胆な戦略でした。

 初めにこの戦略に後悔があるとすれば理論で問題集くらいは解いておいてもう少し慣れておけば良かったなということと所得税はきちんと解けるようになっておいた方がいいと思ったということです。結果としては理論・法人税はそこそこ取ることができ、所得税・消費税は2問ずつ解くことができました。これくらいでも十分なので大胆な戦略ではありましたがも大きな後悔はありません。

 もう少し反省点も含めて具体的に説明しておくと、法人税は12月短答が終わったらすぐ受講することをおすすめします。受講して、その知識のキープとして定期的に総合問題を解くということをするといいと思いました。
 僕はテキストの振り返りしかしていなかったのですが、やはり初めてやる計算科目なので実際に解いていかないと知識の維持は難しいなと感じました。なので法人税は12月短答が終わったらすぐ受講しその知識を実際に手を動かして維持するということを反省も含めてお勧めします。

 所得税は、僕自身は全然力を入れることができなかったのですが(暗記が間に合わなかった)しっかりやっていくことをお勧めします。

 理由としては完全暗記だけで取れる問題が何個かあることと暗記さえしてしまえばそこまで難しくないということです。税控除など覚えていれば簡単に解ける問題、給与所得の計算など抑えるとこを押さえておけば問題文の一部分だけの情報で解ける問題などが乱立しているためきちんと取れるとこを押さえていくことが重要だと思いました。

 感覚的に12月短答勢と大きく差が出るところは企業法と租税法だと思うのでそこの差を暗記という短期記憶で埋めるチャンスがあるならばしっかり取り組むことを僕の反省としてお勧めします。

 消費税は、58勢は控除に関する問題で一部分を見ただけで解けるという論点以外は完全に捨てでいいと思います。結構難しいと言われる消費税にそこまでかける時間があったら他の科目をやった方がいいと思うので消費税を捨てたことに関しては後悔どころか最適だったという確信しかありません。僕の時はたまたま一部分を見ただけで解ける論点があったので得点を取ることができたのですが0点でも何も気にしていなかったと思います。

 理論に関しては、法人税をきちんとやっておくことでそれなりに解けるようになります。しかし条文を引くということに慣れていないと探すのが難しいので模試などを用いて条文を引く練習はしておいた方がいいと思います。
 迷ったらこれ書け!みたいな条文をあるのでそのような基本的な知識は入れておくといいと思います、実際にやっていたので条文をスムーズに引くことができ得点源にすることができたかなと考えています。

 僕は本番で一ミリもやっていない所得税と消費税の理論問題に手を出してしまったのですが思っていたより条文が見つけやすく得点をとくることができたので対策をしていればもっと得点を取ることができたなということが反省です。

 なので理論に関しては問題集を解くというレベルで十分だと思うのできちんと所得税や消費税の問題を見てどのような問題が出てどのような条文が聞かれるのかということを事前知識として入れておくと理論は万全かなと思いました。58で租税で点を取りたいという人はぜひ参考にしてみてください!

 また、租税法を実際に受験してみての感想は時間は意外と余るということです。余る理由は単純で消費税と所得税が解ける問題と解けない問題がはっきりしすぎていて迷うということがあまりないからです。確かに法人税と理論は時間がかかるのですがそれでも計算の半分くらいの比重がなくなっていると考えると時間的には余裕を保つことができます。その余裕でミスを確認したり理論の条文の精度を確かめたりと取れるところで点を固めていくことがお勧めです。

<経営学>

―得点率と順位―
偏差値52.10  1156位

 経営学においてやっていたことは特にはありません。ファイナンス分野に関しては問題を覚えるくらいの勢いで回しまくるということと、経営管理分野に関してはテキストを一言一句全部覚えるということです。正直経営学は脳筋の科目だと思うので反復で短期記憶に全部入れることが一番効率よくてお勧めです。

 少し具体的にいうとファイナンスは内容がかなり難しいため受講をし、その復習として1週間でテキストの問題を一周できるくらい回していました。この方法で僕は一切後悔していません。これで解けない問題は埋没だと思っていましたし、実際に解けない問題も多くありましたがあまり気にしていません。そういう分野だと思って割り切っていました

 経営管理分野は受講をしていたのですが結局テキストの内容を全部覚えるだけなので受講の時間を暗記に回した方が良かったかなという後悔があります。それなりに理解力がある人ならテキストだけで理解できる分野なのでそういうやり方もあると思います。やり方はファイナンスと似ていて1週間でテキストを一周するというペースでとにかくたくさん回して暗記をしました。それで大方の問題は解くことができました。

 また、経営学を実際に受験してみての感想は時間は案の定余りまくります。理由としてはわかれば一瞬で解けるしわからなければ試験時間内では解き終わるようなものではないか知らないというものなので考えても無駄ということです。

 また、知らない問題もたくさん出るので焦ることも多いと思いますが周りも解けていないと思って落ちつてわかるところを解いていけば合格水準に乗ることはできると思います。

 奇をてらった問題も出てきますが閃けば解ける問題もそれなりにあるので余った時間でクイズのような感覚で解くと過度なプレッシャーもなく楽しく解くことができると思います。
 僕は当日は頭が冴えていたのでこのひらめきで結構正解することができたので皆さんも知らない問題や難しくて解けなさそうという問題が出たら大量に余った時間でぜひ難問にチャレンジして少しでも合格への距離を短くしてください!

・全科目得点率と順位
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かなりギリギリの合格でしたが58にしては受かっただけで十分すぎると思っています笑
ある意味コスパよく勉強できた証だと思うので皆さんの参考になれば嬉しいです。

開示答案について

管理会計論

開示答案:管理会計論
第一問
計算がほぼ取れなかった気がして実際にほぼ取れていなかったが理論で最低限は取れた。理論をやっておいて良かったと痛感した瞬間でした。
第二問
こっちは理論がダメで、計算で最低限取ったという感覚だったが実際には理論でも少し助けられていた。管理全体として計算ができなかったので理論に大幅に助けてもらえた。

財務会計論

開示答案:財務会計論
第三問
できたなという感覚があり、実際に素点が46点とかなり高く、計算の数問取りこぼしたもののケアレスミスもなく理論も計算も大方正解することができていた。
第四問
収益認識や税金など出題されたがあまりにも知らないものがきたため埋没と判断して取れるところを狙っていった結果、素点では22.5と低いものの調整後では33.5だったため埋没に時間を取られることなくうまく点を取れたと考えている。
第五問
計算はそれなりに解けたが最後の記述が間に合わなかった。書くことはなんとなくわかっただけにここが一番悔しかった。時間配分の大切さを2日目で痛感して3日目の租税法に生かすことができた。実際に計算は半分くらいは取れていて過去の実力から考えると妥当に取れていた。 

監査論

開示答案:監査論
第一問
解けそうだけどはっきりと根拠を持てた自信がなかった。実際に素点を見ると16.5点とあまり書けていなかったことがわかった。記述の精度が低いのはわかったが最低限の内容は書けていたため調整後得点ではそれなりの点に調整されていた。
第二問
終わった後にステもんと言われていたような問題だった通り解けた感触はなかった。解いてる最中なにを言っているんだと思ったことが何度もありました。しかし第三者委員会の利用という論点で手続きを綺麗に記述できたことが素点の高さに結びついたのではないかと考えています。監査論はどうなるかわからないと思い知りました。一番自信なかったのに科目合格レベルだったのが不思議でしょうがないです笑

企業法

開示答案:起業法
第一問
58の性質上仕方がないかもしれないが開き方のお作法という面でも自信がなかった。内容に関しては自信があったが書き方や当てはめのところで減点を食らった印象がある。書いてあることはあってる自信があったのでメンタル的にありがたかった。
第二問
こちらはできている自信がなくこれでいいのだろうか?という感覚だった。素点を見る限りおそらく論点が足りていなかったということに加え大問一と同じく書き方や条文などの形式的な面で減点されている印象がある。

租税法

開示答案:租税法
第一問
理論はそれなりに解けていたが条文の抜けなど細かい失点と単純に知らないことで落としていたが58としては十分な点数が取れた。本番で解き終わった後の感触も思ったよりできたという感覚だった。
第二問
法人税が思ったより解けたということと消費税がたまたまやったところが2問解けて耐えたかなという感触で、実際に法人税で稼ぐことができていた。所得税はできなかったが58にしては解けた方だと考えている。

経営学

開示答案:経営学
第一問
理論が簡単だったのでそれなりに解けたがケアレスミスを一問してしまったのが結構響いている感じがする。
第二問
計算は案の定難しくて報われた感じはしなかったが大学の授業や高校の時の知識を思いふ出しながら抵抗した。

5、勉強以外について

ここでは僕が勉強以外でやっておいた方が良かったことや役に立ったもの・ことを紹介していきます!完全に主観ですがぜひ参考にしてみてください!

・ゼミについて

個人的にはゼミは入っておいた方がいいと思います。理由は大きく分けて二つあって、一つ目は新しいコミュニティが作れるということです。予備校などにこもっているとなかなか友達の輪は人柄ないと思うのでゼミという会計士志望以外の友達もいると色んな世界に触れることができ非常に有意義です。

 僕は通称ガチゼミと言われるような忙しいゼミに所属していますが、会計士の勉強以外にもたくさん触れることができるため自分の成長を実感することができます。ゼミ合宿のようなイベントは予備校にいるだけではないのでそういう面でもお勧めです。

 両立が大変な時は確かにありますが、時間があるときにゼミに積極的に貢献していればこちらが本当に忙しい時は協力してくれると思います。

 二つ目の理由としては監査法人で就活を行う際に強いアピールになるということです。会計士受験生は少なからず会計士の勉強だけをしてきたという人が多いのでそのような人は頑張ってきたことで会計士の勉強以外のことをいうのが難しいと思います。

 しかしゼミに入っていれば会計士の勉強以外に頑張った勉強があるので他の受験生に対して差をつけることができると考えています。以上二つの理由からゼミに入ることをお勧めします!

・色ペンについて

僕は色を使い分けすぎるとそれが何色か思い出すのに時間を使うのが嫌いだったので基本的に受講の時にマーカーを引いた時以外は青ペンしか使っていません。僕の頭の中で青は覚える色と刷り込まれているので青で書くと暗記スイッチが入り覚えやすかったので皆さんもこの色は覚える色などを無意識で判別できるようにしておくと非常に効率的だと思います!

・自習はどこでするか

 僕は自習室一択でした。
 やはり家だと誘惑が多いことに加えサボっていても周りの目がないため余り罪悪感もありません。自習室に行くと誘惑がない上にサボってスマホなどをみていると周りから痛い目線を浴びせられるのでスマホすら触らずに集中できます。

 僕は短時間でも自習室に行った方が効率いいと考えていたので短時間でも勉強する気があるときは家ではなく自習室に行っていました。家でできる人や近くに自習室がないひとは家でやることになると思いますがスマホを隠すなどをして誘惑をきちんと断ち切ることが重要だと思います!頑張ってください!

・答練はどのように受けるべきか

絶対にライブ受験した方がいいと思います。緊張感はライブで受験しないと味わえない上に時間も厳格に測られるため自分に甘く慣れないということもいいと思います。また、ライブ受験することでそれがペースメーカーにもなるので全ての面からライブで受験することをお勧めします!

・休憩はどのようにしていたか

休憩はお昼ご飯と夕方と夜ご飯と寝る前の4回を大きな休憩として取っていました。ご飯は絶対に三食きちんと食べた方が脳にエネルギーが行き届き効率が良くなるのでちゃんと食べることをお勧めします。全く休憩せずに詰めるのも精神的にしんどいのである程度は休憩を取ることを心がけていました。休憩時間はゲームをしたりYouTubeを見たりと自由気ままに1時間くらい休んでいました。その代わり他の時間の集中力を高めることができていました。

・58はきついか

とてもきついです。58を受けた人で確実に受かったという手応えを持つ人はほとんどいないと思います。それくらい厳しい戦いになるので頑張って12月の短答で受かることをお勧めします。58の人の強みは勢いがあることと細かい論点まで覚えているというところなのでその強みをキープして頑張りましょう!!

6、終わりに

 ここまで長文読んでいただきありがとうございます。少しでも多くの会計士受験生の参考になれば幸いです。
 会計士試験は範囲が膨大で内容自体もそれなりに難しくて心が折れそうになる時が何度もあると思いますが、心が折れそうになっている時点でかなり頑張れている証拠だと思ってもう一歩頑張ってみてください。

 そうやって何度も立ち上がって立ち上がって・・・そうしていくうちに合格が見え始めていると思います。僕は模試で判定が全然上がらず受かる気がしないと諦めかけていましたが最後の1秒まで粘って合格を手にすることができました

 受かれば就活は噂通り楽です笑。たくさんのご褒美が用意されているので皆さんもあと一歩頑張ってみてください!応援しています!

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