東海のAさん、三流大学からカップ麺合格

三流大学生だった僕がカップめんでしのいだ社会人受験生の軌跡-東海のA

ども 東海のA と申します

 これから会計士を目指す方、今会計士を目指されている方に、少しでも参考になればと思います

 ところで自分は三流半大学出身で社会人経験者です。
 なので会計士を目指される方の多くは一流大学在学、出身の方が多い中、自分の後の続く三流大学出身で会計士を目指される方、また専門学校では少数派の社会人を辞めて会計士を目指される方には特に読んで頂きたいと思って合格体験記を書くことにしました どうぞよろしくお願いします

まず簡単にプロフィールを述べます。

・会計士勉強開始年齢 25歳 社会人3年やって退職して専念
・ 勉強開始時レベル 商業高校出身のため高校時代に日商2級を取得社会人3年目には日商1級を目指したがまともに授業すら受けれず落ちる

2005.4 TAC 一年本科(入門2より)
2006 短答80点(ボーダー69)で合格   論文A判定 監査、経営科目合格
2006.9 TAC 秋上級
2007 論文 合格

・受験回数 2回

・全答練初年度 短答     B
     論文1回目  F (租税法の受験せず)
     論文2回目  1150位前後
 合格年 論文1回目  200位前後
     論文2回目  100位以内

Ⅰ 時期別勉強状況 

1 社会人~受験生活へ 

 前職は厳しい営業職、会社へ入ってすぐ辞めることを決意

 3年の間に必死で金をため、3年目の時に再度、簿記の勉強を開始 仕事が忙しくまともに勝負できずに落ちるが、自分は再びこの方面での勉強をしたいと確信(高校時代は税理士になりたいと考えていた)、税理士と会計士で迷うがいくつかの理由から会計士に決定

 丸3年働き、4月15日で退社 4月17日よりTACへ

2 入門期4月~6月

 当初の授業は管理会計と簿記のみ 高校時代に習った簿記とは変更点が多くあったが、基礎的な考え方はしっかり身についていたため、難なく知識を吸収 家で勉強することは少なく、社会人の時のうっぷんを晴らすように 一日ゲームをしたり 土日は遊びまくっていた この頃、手帳には、「授業がなくても一日1時間は勉強する」という目標が書かれていた 

3 基礎期7月~9月

企業法や財表を始め他の科目の授業も始まる 土日はあいかわらず全く勉強せず 

平日は1日平均1コマの講義に2~3時間程度の自習をするようになる

計算も少しずつ難しくなる 理論の理解で難しいと思うことはなかった 

 やっていたことはTACで配布される問題集の繰り返し(っといっても2~3回 なっとくできないとこは重点的にやる)
 理論は暗記はせず授業を真面目に聞くのみ
 ただ、財表は丸暗記を模索してみたりするが無駄というより無理だということに気付く 

4 上級期9月~11月 

1年本科は9月には上級の講義と基礎期の後半の講義が並行して進行するため、途端に忙しくなる

 アクセス(1時間答練のことで06年期は月~金まで毎日あった)も開始され、朝一番のアクセス、1日平均2コマの授業、空いている時間は全て自習となり一日の勉強時間はゆうに10時間を超えていた(休憩を含まず)

土曜も2週に1度は自習室で勉強するようになる(5時間程度)

理論はついていくのがやっと
暗記をする余裕は時間的に無く理解に勤める

簿記・管理は1年本科のため、前日に習った範囲が翌日にいきなりアクセスとなってでてくる
この年のアクセスは難しく、問題集とのあまりのレベルの差に愕然とする

簿記は本当に解説を聞くだけの日もあり、解ける範囲を必死になって解く

管理は05年のアクセスを先生にコピーさせてもらい、アクセスの前日に前年のアクセスを解くことにしていた

 前日の午後に管理講義、夜は別の授業で、深夜になったとしも必ず前年のアクセスを解いてから翌日の朝のアクセスに臨んだ 簿記は下位3割を安定飛行 管理は平均点を取れる程度

5 上級期12月~3月

最低な過密スケジュール

 毎日アクセス、土曜まで上級講義・答練が詰まり、日曜は短答答練ということで月の休みは2日しかないという事態に
 一日の勉強時間は13時間程度(休憩含まず)

理論はあいかわず理解するのがやっと

計算はできるようになっているという自覚はないものの、簿記は平均、管理は張り出されるランキングに名前が載るようになる 

短答答練は当初Eランク この頃、租税・経営については全くモティベーションが上がらず また、全ての科目に復習が追いつかない状況に焦りと危機感を感じながら過ごす、2月、租税の上級講義を半分残し、完全に捨てる 

6 短答直前4月~5月

 過密スケジュールの講義が終わる 勉強時間は9時間~12時間程度 短答答練は順調に成績が上がり、最後はB判定がとれるようになった 4月、一日中アクセスを解きまくる 5月、理論の復習を本格化、短答答練の復習 理論の復習については教科書をとにかく繰り返して読むのみ 

7 論文直前6月~8月

短答の翌日から租税の講義をWEBフォローにて集中的にこなし、たまっていた答練・アクセスを解く
しかし、直前答練などもあったため、租税の遅れを完全に挽回するのに1ヶ月かかる 

直前答練や直前アクセスは実力が追いつかず、マイナー論点も多かったため、計算科目については後半を思い切って放棄 基礎論点を繰り返し復習することに時間を費やす

勉強時間は8時間~12時間程度

8 論文直後

不合格を確信していたため(実際にはギリギリ不合格であったが)、就職活動も最小限にしてすぐに9月の頭から勉強を再開 まず、過去の簿記、管理のアクセスを全て徹底的に解く

10月の秋上級には 簿記、財表、管理、企業法を始める 計算もさることながら、苦手の企業法克服に全力を入れる 管理も前年手薄だった理論部分に重点を置いた勉強をする

9 2年目11月以後

 合格発表があり、残しておいた租税、監査、経営のうち、非常に幸運なことに 監査と経営が科目免除となり非常に余裕がでることになる

  以後、理論については、

・直前期にいかに効率的に復習できるか?
・いかに効率的に暗記ができるか?

といった点から直前期用のまとめノートやまとめ資料を随時作成、整理することに重点をおいた

科目・授業数が減ったこと

また前年、皆無であった学校での友人が急激に増えたこと といった理由から 一日の実質的な勉強時間は8時間程度にとどまる

10 2年目直前 6~8月

それまでに用意してきた直前期用の資料をフル活用で理論を急速に仕上げる

得意の管理会計は7月中旬の全答練までで終了 以後はアクセス、答練以外で計算の自習は一切なし

比較的得意は簿記は一日一問の復習のみ 租税は一定の期間にまとめて復習をざっとする

それ以外、多くの時間を理論に費やす

基本的には定義の暗記と 過去の答連の答案構成をほぼ暗記に近いくらいまであたまの中に練りこむ
(この答案構成一覧みたいなものが直前期用の資料のメインだった)

11 論文後

 就職活動後はとにかく遊びまくる他、多少の勉強(会計士以外の勉強)や時間が余っていなくてはできないことをした  

Ⅱ 基本的勉強姿勢

この会計士試験、正直自分も含めて、若干甘く見て勉強を始める人が多い(KEYS)
(今年のような合格者が大量にこれからも出るようだと知らないが)少なくともかなりの努力が要するし、必ずしもその努力が成果と比例するわけではない しかし以下の姿勢は心がけたい

(1) 短期勝負 

当然一発合格を目指し途中で絶対あきらめない 正直2回でダメなら撤退する気持ちで勉強にのぞむべき なぜなら初年度以上のモティベーションは2年目以降はなかなか出せない・保てない

(2) 全力

試験が終わったら時に、もっと努力する余地があったな・・・と思うようではその一年は無駄
落ちても悔いのないほど全力で挑めないならやめたほうがいい、来年こそはもう少し真面目にやろうとか思って何年もベテラン化する危険あり

(3) 費用対効果

一発合格を目指す以上 時間は相当に限られる 合格までの効率を重視すべき 

(4) 苦手科目

専門学校でも周囲の合格者にも言われるだろうが苦手科目は絶対に克服せよ

苦手科目はとかく勉強時間も少なくなりがちだが、そこにこそ時間をかけるべし 実は苦手科目は、苦手なだけに勉強の効率も悪かったりする。それなら得意科目の復習を同じ時間したほうが勉強がはかどる気もする 

しかし、苦手科目の効率はどんな勉強方法もある程度時間を費やしてからじゃないと効率は上がらない!!がまんして勉強時間を費やし、その上で効率もあげ、苦手を克服すべし!

(5) 質問

これは人の性格によるだろうけど個人的には 講義は前に座り、先生にはがんがん質問すべし 

正直、質問というのは何が分からないかが明確でないと質問しようがない 

先生の講義で何もかも理解できるはずがない なのに質問がないのは理解がまったく足りてない証拠 講義中におもった疑問は全て書き留めてがんがん質問せよ

更に、最前列方面で講義を受けるのはメリットがある 講義が分からないときに、わからないよという顔をこっちがすると、そこをもう一度丁寧に説明してくれたりする 質問もしやすいし、また、他の人の授業後の質問も聞くことができる 苦手科目克服にはもってこいだ

Ⅲ 科目別勉強法

簿記&管理

とにかく入門、基礎期の知識が如何に自分の中で当たり前になるかどうかが重要

 内容や計算方法が分かっているレベルでは話にならない

 会計における処理・考え方がみっちりと骨身に染みさせることが重要

 僕はそれが高校時代に染み付いていたため苦労しなかったが、この時期に既に将来の勝敗は決まるといってよいと思う

可能であるなら日商簿記2級クラスを完璧にしとくとよいとおもう

 なぜなら初学者にはTACの基礎期の問題集の量が少なすぎる

上級期はとにかくアクセスにくらいつく、初年度生であれば平均点以上を目指す、2年目以降であればランキング上位をあたり前にするべし

 直前になって復習すればいいなんて考えは大間違い 

管理は理論をどの程度完璧にするかはポイント

 上級生なら必須だが入門上がりなら後回し

財表 

1 まず、短答にはとにかく教科書を読みまくる 
2 章末・答練の問題の回答を全て、答案構成形式にしてノートにまとめるそのノートをみながら回答を口頭で言えるようにする(書くのは時間の無駄)
3 定義の暗記
4 問題が与えられたらすぐにノートの答案構成が浮かぶようにする(論点暗記)教科書の言葉をそのまま暗記すると問題の聞き方を変えられた時に対応できない 一方で答案構成は何が一番言いたいのかといった部分に直接触れるため暗記してもよいと思う

企業法

基本的に財表と同じ 加えて

5 条文を引くのになれる
6 民法の知識から、基本をしっかりおさえる(重要だが上級者向け できるとかなり実力安定)

本試験特別のテクとして、答案構成後、必要な条文を先に全て抜き出してしまい蛍光ペンで塗ってしまうのがオススメ

租税 

計算はアクセス、答練を繰り返せば一定以上にはできるようなるはず

 教科書に出ていない問題もよくでるので教科書に書き込みしていくこと

 理論は少なくともTAC・大原両方とも体系的な教科書になっていないので苦労する

 今年はTACテキスト理論問題を暗記+試験委員の著書「現代租税の基礎知識」をばっちりチェックすることで対応できた 何度か教科書を計算部分も含め隅から隅まで読み返すことも有効

監査

財表の 1→3

その他ですが 自分は初年度科目合格ですが 初年度一年本科だったためかなり絞り込んだ勉強しかしていません

 すなわち、教科書の章末問題の完全暗記のみです(KEYS)

 章末にない問題が答練に出た場合、その都度教科書と、章末問題に書き込みして補完しました

 委員会報告書は一切見てません 監査基準の前文のみ読みました

経営

この科目も自分は初年度科目合格だったので上記の最低限の勉強しかしていません。 

たまたま、オプション関連の問題が多数出題されたのですが、前職は証券会社だったので、証券外務員の資格を取るとき、会計士よりは少しだけ詳しく勉強したことがあったためでした 参考にならずすみません

通説ですが、ファイナンス論を完璧にしておき、戦略論は定義のみ直前にすこしやる程度でよいのでは?と思います(KEYS)

Ⅳ 受験生活は辛かったか

・金銭面について 

 僕は社会人を3年経験しました

 会社を早い段階で辞める計画をしていたため、とにかくお金を貯めました

 ちょうど会社の寮に入っていたため家賃はただ同然だったため、夜は自炊、昼は自作のおにぎりとドンキホーテで買いだめするカップめんでほぼ毎日過ごしました

 その甲斐あってまさに2年半、一人暮らしをしながら勉強に専念できるお金を貯め 受験生活となりました

 無職だからお金のない生活だけど、それまでの暮らしも結構きりつめてたから、生活のレベルはほとんど変わらなかったです。それにやはり自分の稼いだお金で生活し、勉強しているというのは、他の受験生のように親にお金を出してもらっているという負い目を感じなく済むので、お金の面で苦には感じませんでした

・勉強すること自体について

今まで、まともに受験勉強などしたことなかった僕ですが、会計士の勉強を苦に感じることはほとんどありませんでした

 むしろ、楽しいとか楽だと感じていました

 だって、証券会社時代の営業に比べて精神的な辛さなんて屁でもなかったし、今やっている勉強が将来の収入につながるっていう勉強に対する明確な成果が約束されていたから。仕事の代わりに勉強してると思ったら、なんだかうれしくて勉強が楽しく感じられたものでした。

・休日

初年度の上級期の半年以外は最低週1、ほぼ週2で休みをとっていました テニスが趣味であったため、運動不足になることもなく快適な2年半の受験生活でした

・唯一少し辛かったのは

コンパ等で自分に職業がないということですね すなわち社会的地位が低かったということです

Ⅴ 三流大学出身者へ!

もし、奇跡的確率のでこれを読んでいるあなたが三流大学生又は出身者がいたら聞いてほしい

もしあなたが三流大学だとしたら、少なくとも大学4年生以上じゃないだろうか?

なぜなら三流大学には、そもそも在学中に会計士や税理士を目指そうとする風土がなく、2年次からダブルスクールに通う、という概念自体を知るこもままならないからなんだ。だから周囲が就職活動を始めてから、自分はどうしようと考えてから会計士を考えるか、就職後、転職を考えた上で会計士を考えるからなんだ

 この資格、正直年齢的なハンデは大きい(社会人経験者は少し別だけど) 4年次の途中からの1.5年本科では一発合格したとしても24歳になる年だ 金銭的にも社会的地位的にも受験生の間は辛い思いをすることになる なおかつ、周囲は一流大学在学生や出身者ばかり、正直、大学名は関係なくといいつつも、三流大学生よりも早稲田・慶応の学生の方が、会計士の勉強やらせてもできる人が多いのは事実だ 

 正直、この資格を甘くみないでほしい

 あなたが今まである程度真面目にやってきて今の大学ならやめたほうがいいかもしれない

 今まであまり真面目に勉強したことのない人が本気でやってみる方が短期で受かる可能性が高い 

 そして、この資格にチャレンジする場合には今までとは比較にならないほどの努力を続ける決意をもってこの資格にのぞんでほしい そして、三流大学ということを逆に、胸をはって言えるほどの実力で会計士になってほしい

体験記執筆者が直接質問に答えます(至2008年11月)。

この体験記へ質問は下のコメント欄からどうぞ。

私も高校中退→大検取得→三流大学卒→IT業界1年で今年4月から会計士目指したいと思っております。私も真面目に受験勉強というものをしたことがありません。このブログで非常に勇気づけられました。期間は1年半の一発勝負しか金銭的にも年齢的にもできません。退路を断ち、背水の陣で挑もうと思います。2008年1月21日00:49東海のA:

boboさん 感想をコメントして頂いて光栄です一発合格限定はかなり厳しい条件ですが今年のような合格者数であれば決して可能性は低くありません

意気込みが違えば、勉強の飲み込みも違います是非がんばってください!!

kata:

私も三流大学出身で金融機関2年で現在24歳ですが、会計士を目指したいと思っております。東海のAさんは社会人3年間切り詰めて資金を貯められたとおもいますが、受験期間どの位の金額が必要でしたか?

東海のA:

kataさん 
僕は、社会人時代、寮に入っておりましたので会社を辞める時には550万程度の貯蓄がありました

受験期間は1年本科で入っても4月→翌年5月短答→8月本試験→11月合格発表→12月入社と、実質的に1年8ヶ月の生活費が必要になります

僕は2回目合格なので2年8ヶ月分の生活費が必要でした内訳は授業料(初年度75万 TACでアクセス含む WEBフォローあり     2年目アクセスのみ10万 授業料は運営(TAC内のバイトのようなもの)をしたので授業料はタダでした生活費 月15万*32ヶ月=480万で  計 565万といったところです

自分は一人ぐらしでしたし、節約していた社会人の頃と生活のレベルは落とさないという前提でいましたので朝夜は自炊、昼はカップ麺でも、週末は安めの居酒屋に飲みに行ってましたし私服も安物でもオシャレを心掛ける程度には買っていました

実家に住んでいる方であれば 授業料+携帯代+小遣い+友人の結婚式の費用でしょうか もちろん1発合格を狙うにしても 2回分の蓄えは欲しいところですよねTACを前提とすれば 授業料2年で110万実家を前提として,月あたり支出 5万*32ヶ月 160万で 計 270万でしょうか