もっちんさん、在学&一発合格!

在学&一発合格メソッド-もっちん

ペンネーム:もっちん
受験回数:1
年齢:23
通っていた予備校:TAC(通学)

0 自己紹介

 はじめまして。2007年公認会計士試験に合格したもっちんと申します。進路先は、某監査法人です。

 勉強法についてはなるべく具体的に述べましたので、成績が伸びなくて悩んでいる方や勉強方法が分からない方は他の体験記とあわせて参考にされるといいのではないかと思います。

もちろん、同じ方法をやって不合格になっても一切の保証はできませんが。あと、来年以降の試験内容の変更がどういったものになるのか具体的に分からないため、陳腐化しちゃったりする部分もあります。その点はご注意を。

1.受験の心得編

(1)そもそもの合格に必要なこと:苦手科目を作らず、平均点+αを目指す

 今年の論文試験における一括合格ラインは、偏差値51以上、ただし1科目でも40以下がないことになってます(http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbungoukaku_h.html)。
 ちなみに06年は偏差値52以上でした。

 この文言からいえることは、会計士試験に合格するには苦手科目を作ってはならないこと、また全ての科目で平均点をちょこっと越えればいいということだと思います。

 もちろん、得意科目を作ることはいいことですが、苦手科目を放置することはかなり危険なことだと思います。

 その理由は、

・第1に得意科目でつまづくと別の科目へのマイナスの影響が大きいこと、
・第2に得意科目を作るためには時間や労力といった限られた資源を集中させなければならず短期合格には向かないこと

です。そこで、僕はとにかく各科目の総合的な押し上げをはかり、平均点+αを取るための戦術を練りました。

(2)各科目の総合的押上げ:全科目を1日でこなす

 体験記にあるいくつかの方法を参考にしました。具体的には4月から短答終了まで会計学・監査論・企業法を1日でやり、短答終了から論文試験まで先の科目に加え、租税法と経営学もやりました。この方法のメリットを挙げるとこうなります。

・毎日触れることにより苦手意識や記憶違いが少なくなること
科目相互間の相乗効果(シナジー効果)が生じ、深い理解と定着がしやすくなること
・他の受験生が放置しがちな租税法や選択科目で、競争優位が獲得できること
・飽きたら他の科目をやればいいので飽きっぽい人間にはうってつけであること

この方法のおかげで、各科目の総合力が押し上げられたと思ってます。

(3)平均点+αを取る戦術

ステップ1:平均点周辺まで学力を持っていくこと
まずは、きちんと点数が取れるようになることです。具体的には、計算問題では例題レベルがミスなく解けること、理論問題では章末問題やいわゆる典型論点を答えられるレベルになることです。

 本当にこのレベルでいいのかと思うかもしれませんが、このレベルでも正確に答えられる受験生は多くありませんし、このレベルの問題を別の形で聞いたり、ひとひねりしたものも数多く出題されます。したがって、なによりもまずこのレベルの問題を完璧に身に付け、定期的に復習すべきです。(KEYS)
ステップ2:取るべき問題の意識
 ステップ1をクリアしたら、取るべき問題に対する嗅覚を磨きます。取るべきレベルに属する問題は、自分と同レベルの人間が取れる問題と想定しておきます。要は、みんなできる問題は落とすと合否に影響し、みんなできない問題は合否に影響ないと考えればいいかと思います。理想としては完答ですが、実際には間違えますから、答練を受けた後の反省材料にしその分野を徹底的に復習するのがよいと思います。
ステップ3:出題意図に合う解答の作成
 さて、最後にしっかり問いに答える必要があります。

 計算問題では、金額の単位、小数点の位、○をつけるか二重線で消すのか、理論問題では、○○について答えるのか、理由を答えるのかなどに気をつけます。試験委員が合否を判定する材料は答案用紙だけですから、ここでも細心の注意を払う必要があると思います。

(4)その他よしなしごと

(1)初回受験の方へ
 初回受験で特に秋上級の方は、答練の成績のうち全答練2回目と直前答練以外完全に無視でいいです。
復習が十分できる日程でないうえ、基礎答練と応用答練は上級生が圧倒的に点が取れます。この時期は自信を無くしがちになります。が、答練なんて所詮練習に過ぎないのだし、勉強を続けていれば成績が伸びる時期が絶対にきますから、成績なんて気にする必要はありません。
(2)在学中の受験生へ
 大学と予備校のダブルスクールの場合、どちらかに重心をおかざるを得ないわけです。僕の場合、受験を始める前に出席が必要な単位をほぼ揃えて、さらにテストが少なくレポートで単位が獲得できる学部であったため、ほぼ無職受験生と同じ境遇でしたが、これは非常に幸運なケースでしょうか。

 大学や学部によって当然単位の取得は違い、違う学部の去年の在学合格者の話では、やはり予備校がメインにならざるを得ないので、友達の協力が必要不可欠とのことです。したがって、友好的な友達を数人作って、テスト直前にノートなんかを借りて乗り切るのが得策といえるでしょう。

3 勉強法各論

 さて、ここからは具体的な勉強法に移ります。流れとしては、方針→論文短答共通の勉強法→短答の勉強法→論文の勉強法を述べます。

(1)簿記

(1)方針
 短答論文共に他の受験生が取れるところを落とすと致命傷になりやすく、上級生は点を取れる人が多いため上位に入るにはかなりの時間を割く必要があります。そこで、常に集団から離れないことを目指しました。
(2)具体的な勉強法
I 論文短答共通の勉強法:例題重視
 とにかく例題を重視しました。総合問題を解く方法も一時期やってましたが、間違った箇所をみると理解不足で間違うことが多かったため、例題で知識を確かめるほうが効率がはるかによいためです。

 あと、例題ではなく、短答答練のうち、例題レベルのものを使うのもいいと思います。
II 短答の勉強法:知識の確認と短答用の解法の徹底化
・知識の確認:短答答練を分野別に解く

 短答では論文と比べて幅広い範囲から出題がされるため、どの分野も基本的な問題には答えられる必要があります。そこで理解してるかの確認として、短答答練を分野別にばらして、各分野の問題を一気に解きました。現金預金、営業債権、有価証券などなどのように各分野を集め、それを解くわけです。

 本当は例題をやるだけでもいいですが、短答答練は例題レベルの問題が結構あり、短答用の解法を身に付けることも出来ますから一石二鳥なわけです。間違えた分野はテキストをじっくり読み直し、例題と問題集とミニテストを解き直しました。

・試験を意識した解法の徹底化:問題文を読む癖

 本試験の問題は数値自体は小さかったりきれいだったりすることが多いのですが、解答にいたるまで余計なことをさせたがります。

 そこで問題文をじっくり読んで、解答に必要なことだけをやる解法の徹底化を心がけました。特に心がけたことは、電卓をなるべく叩かないことと1問あたりの時間は気にしないことです。

 実は短答問題の多くは問題文をじっくり読み、必要なことだけやればそれほど時間はかかりません。むしろ、1問あたりではなく、全体の時間配分には気をつけるべきだと思います。
III 論文用の勉強:総合問題の解法の確立
 論文対策としては総合問題の解き方を確立することに尽きると思います。簿記の得意な受験生や講師や合格体験記をもとに、ご自身がもっともミスが少なく解ける方法でいいと思います。

(2)財務諸表論

(1)方針
 短答は単純な知識が問われ、論文は知識の背景となる考え方や理論が問われます。そこで、基本は論文の勉強をしました。あと苦手にしている受験生が結構多いため、点取り科目にしようとしました。
(2)具体的な勉強法
I 短答論文共通の勉強法:テキストか会計基準の意見書部分を読み込む

 論文では会計処理の背景が主に出題され、短答でも問われることがあります。

 そこで必要なことは、制度の背景となる考え方や理論を押さえることです。

 そのための最適な教材が会計基準の意見書部分です。入門期と上級期はテキストを使ってましたが、あくまでテキストは会計基準を理解するための補助に過ぎません。

 ある程度慣れれば会計法規集を使ったほうがいいと思います。ただし、テキストには意見書部分にない論点がいくつかあるので、その部分はテキストを切り離して会計基準に差し込んでました。テキストをばらすのが嫌いな方は、直接書き込んだり、ポストイットを貼り付けたりするのもいいと思います。
II短答用の勉強:会計基準本文の読み込みと短答答練で確認
・会計基準本文の読み込み

 短答は制度のことを聞いてくるので、やはりある程度の読み込みは必要です。暗記する必要はありませんが、選択肢を読んでどの基準のどの部分かが分かる程度に読んでおく必要はあると思います。

・短答答練で確認

 読み込んだうえで、短答答練を分野別にばらしたもので知識を確認します。間違った場合、会計基準の該当項目にチェックしとくと忘れないようになるのでいいと思います。
III論文用の勉強:定義の暗記と答案構成の作成
・定義の暗記

 定義を直接問うというよりも、うまく作り変えて答えるような問題や定義の知識が必要な問題が出されます。また、万が一定義を聞かれた場合ある程度書けないと点数が伸びない可能性があります。そこで、河村講師が定義カードと指摘した部分は暗記しました。その際、一言一句丸々暗記する必要はありません。その言葉を端的に表す言葉だけを覚えておけば十分でしょう。

・答案構成の作成

  章末問題や答練で答案構成の作成をしました。では一例を。

 問:営業活動のCFの表示方法は直接法と間接法の選択適用が認められている。これら2つの方法の長所及び選択適用が認められる理由を答えなさい。

ⅰ 直接法の特徴→長所:P/L、B/Sでは分からないCF把握可能
ⅱ 間接法の特徴→長所:利益とCFの違いが把握可能+実務上の便宜
ⅲ 結論:どちらも長所ありだから

 こんな感じを白紙の紙にやってました。

(3)管理会計

(1)方針
 暗記はほとんど必要ないし範囲もそれほど広くないけど、きわめてきまぐれな科目です。きまぐれとは、難易度のバラツキが著しく、計算量も一定でないうえ、できたりできなかったりがよく分からないことをいいます。方針としてはとにかく基本的な問題は確実に解けるようにすることと問題選択を間違えないことです。
(2)具体的な勉強方法
I 短答論文共通の勉強法:基本的な計算問題を回す
 基本的な問題はとにかく解けるようにしておく必要があります。TACでいえば入門基礎マスターの範囲、アクセスの9月から12月、あとは上級でやる財務分析、企業価値、ABC、事業部会計の典型的な問題くらいでしょうか。

 この分野はいつといても確実に取れるようにしとけば、平均を軽く上回ることが出来ます。そのためにこれらの問題はとにかく回転させました。
II 短答対策:計算は分野別の知識の確認(簿記と同じ)、理論は特になし
 計算対策として簿記と同じ勉強をやってました。理論対策としては原価計算基準を思い立ったらパラパラと読んだ程度です。

 また、いわゆる管理会計の理論は消去法でどれがより多く間違っているかを探す訓練をしていました。答練ではこれがよかったのですが、本試験では2択まで絞ってことごとく間違えてしまったためあまりお勧めできません。

でも、いわゆる管理会計の理論対策は難しいですよね。新試験制度になってから理論が増えて、初めて見る用語がかなり増えたと思います。現にアメーバ経営とかの言葉は本試験で初めて見ました(笑)。
III 論文対策:問題の選択と理論対策
・問題の選択

  他の科目よりも問題の選択は慎重にやる必要があります。問題を開いたらじっくりと各問を吟味し、確実に取れそうな問題に時間を重点的に振り当てることを心がけました。

答練では常に1時間問題だったら最低5分、2時間問題だったら最低10分は問題とにらめっこし、各問における状況を想像したうえで解きかたを頭の中に描く訓練をやってました。

管理会計においてこの作業はきわめて重要で、焦ったら絶対に数値は出ませんでした。
ちなみに07論文だと、予算→配賦計算→FCF→理論問題の順で問題を解きました。たぶん、数値はほとんどあってたと思います。

・理論対策

 丸暗記はほぼ不要だし、あまり意味もありません。大切なのは、計算をしながら管理者の気分になることです。時には工場長として、時には営業部長として、時には社長として、いかに儲けを増やすかを考えます。その状態で計算の意味や必要性を考えると、理論は自ずと書けるようになります。

(4)監査論

(1)方針
 具体的なイメージが湧かないと、単なる暗記するだけのつまらない科目となってしまいます。まあ短答は丸暗記でも大丈夫ですが、新試験制度での論文は考えて書かないと足切り対象になりかねません。そこで、まず監査のイメージをつかみ、あとはテキストを使うことにしました。
(2)具体的な勉強方法
I 短答論文共通の勉強法:イメージを持つこととテキスト熟読

・イメージを持つこと

 身近に監査をしている人がいる場合、その人に仕事内容を話してもらうか、会計士の仕事内容が分かる本をよむのがいいと思います。本としては、女子大生会計士シリーズ、『会計士物語―公認会計士の仕事と生活』、『会計士がきた!―ケースでわかる会計と監査』、『ドキュメント・会計監査12か月』あたりがいいと思います。

・テキスト熟読 

 TACのテキストは内容充実で厚くもないため、非常に重宝しました。僕はほとんどこれを読み込むことしかしてません。

 気を付けていたことは、何度も読み返すことと細かい知識の部分は眺める程度にしていたことです。何度も読めば読むほど今まで気付かなかった点に気がつくようになるし、細かい知識はあってもいいけど丸暗記するには非効率であるためです。
II短答対策:短答答練で知識の確認と解法の確認
・短答答練で知識の確認

 会計学と同じく、各分野ごとの答練をばらし解いてました。正解であるか否かに加えて、知らない選択肢の部分はテキストに戻って調べるようにしてました。委員会報告書は短答答練の復習時に目を通した程度で、読み込みはやってません。
III論文対策:定義の暗記と解答の作成方法
・定義の暗記

 一応、いくつかの単語の暗記をしました。財務諸表論と同じく、その言葉を端的に表す言葉だけを覚えておきました。というよりもテキストを何度も読むうちに自然と覚えてしまいました。

 そういえば、解答上よく使う言い回しも覚えていました。例えば、「財務諸表の作成責任は経営者にある」とか「監査リスクを合理的に低い水準に抑える必要がある」とかいった言葉です。
(5)企業法 
(1)方針
他の科目よりも基本的な出題がされます。が、短答論文で出題傾向はかなり違います。短答は単に条文を知ってるかが問われ、論文は条文に加え条文の趣旨や関連する論点を知っているかが問われます。

対策は、論文のほうが求められるものが多いことから論文重視で、短答は短答直前期に覚えようとしました。
(2)具体的な勉強法
I 短答論文共通の勉強法:答案構成
 小飯塚レジュメにある問題と問題集の答案構成をひたすらやってました。とにかく条文を基礎にして趣旨を必ず書くことを忘れずにしました。

 企業法は何か(誰か)を守るためにあるのであり、趣旨はかならずどこかに書く必要があると思います。

 答案構成後は模範解答と比較して、挙げるべき項目と条文の漏れがないか、趣旨の内容が一致してるかどうかを確認してました。

 あと、どれほど一般化しているか分かりませんが、六法は必要な条文だけ揃えて、コンパクトにして持ち歩いてました。
II 短答対策:短答答練で知識の確認
 他の短答科目と同じように分野ごとにばらして解いてました。1回り目には1日に1分野をときました。監査論と同様、間違った問題に加えて、知らなかった選択肢についてもレジュメかテキストに戻る方法です。

 2回り目以降は回転率の向上をもくろみ、ひたすら問題を解いてました。短答だと商法と証取法(金融商品取引法)が少なくとも2問は出るので、そちらの範囲もやっとく必要があります。なお、条文の読み込みは、きわめて退屈であるうえ、効率性が悪いためやってません。
III 論文対策:時間配分
基本的には答案構成で十分ですが、答練のとき時間配分に気をつけて。だいたい2時間の配分は、答案構成15分~35分、書く時間を25分~45分を2セットというようにしてました。問題のレベルによっても変わりますが、答案構成を丁寧にやればやるほど書くと時に迷いがなくなるため、答案構成に出来る限り時間を使うようにしました。あとは書きやすい大問から手をつけることでしょうか。

(6)租税法

(1)方針
この科目はなかなか厄介です。今年の論文を受けるまで出題傾向がよく分からず、膨大な暗記が必要でうえ、論文だけの科目ですから。僕の方針は、計算は法人税で取るべきところを取り消費税で稼ぎ、理論は嘘でもいいからがんばって埋めるというものでした。
(2)具体的な勉強方法:計算は例題重視、理論はいくつかの暗記とがんばって書くことの徹底化
・計算:例題重視

 計算については簿記と一緒です。総合問題は効率が悪いと思い、例題をとにかく解くことにしました。ただし、範囲が膨大なため、法人税は06年の問題とサンプル問題にある論点と関連論点に絞り、消費税は簡易税制と納税義務者を切り、所得税は入門期の各種所得と上級期の事業所得・譲渡所得に絞りました。本試験で譲渡所得が出て運がよかったです。

・理論:暗記と解答欄を埋める練習

 租税法総論、法人税、所得税の理論をやりました。定義を聞かれたらまずいと思って、かなり覚えました。が、これは無駄な勉強でした。押さえるべきは税務の考え方であり、いくつかの有名な判例の結論とそこに至る考え方を押さえておけば十分だと思います。

 一方、普段の答練・アクセスで解答欄を埋める練習はやっておいてよかったです。このとき気をつけるべきは単に欄を埋めるだけでなく、税務の考え方を入れることです。税金は公平に取るべきとか実態に応じて所得を計算するとかいったことを解答に忍び込ませます。うまく整合的に書けば本試験の場合、点が来ることが期待できますので、こういう練習はやっておいて損はないと思います。

(7)経営学

(1)方針
 ファイナンス論は基本的な問題が網羅的に出るのに対し、組織・戦略論は試験委員の専門分野がそのまま出題されます。そこで、まずファイナンス論をほぼ完璧に仕上げ、次に組織・戦略論の範囲のうち典型的なところをやり、仕上げに組織・戦略論のその他の分野をやることにしました。

 結果的にはあまり組織・戦略論に時間がかけられず、マーケティング(恩蔵先生)対策があまり出来ませんでした。
(2)具体的な勉強方法
・ファイナンス論

 計算数値はすべて完璧に出せるようにしました。テキストの例題、問題集、答練の計算問題を分野別にして解いてました。実はファイナンス論のうち数値が出せるようにすべき範囲は配当割引モデル、MM、ポートフォリオ、CAPM、デリバティブと他の計算科目に比べれば狭いので、このやり方でも効率的でした。

 理論部分については、計算を解いたときに関連するものを眺めていました。理論もそんなに多くないので、気がついてたら覚えていました。

・組織・戦略論

 テキストを何度も読み返したくらいです。これは時間の都合上そうせざるを得なくなったもので、組織戦略で平均点を取る場合はこれだけで十分です。さらに点を取りたい場合、試験委員の著書を読むことがいいと思います。たしか試験委員の発表は12月末ですから、確定次第主著書を読むことがいいと思います。

4.最後に

 さてさて、今までだらだらと書いてきましたが、いかがだったでしょうか。受験生活はいろいろとつらいことが多いですが、とにかく自分を信じ、勉強を止めなければ合格できる試験だと思います。

 皆さんの合格、そして共に会計士業界で働くことを心からお待ちしております。


体験記執筆者が直接質問に答えます(至2008年11月)。この体験記へ質問は下のコメント欄からどうぞ。
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s:

はじめまして。現在TAC2年本科コースに通っている者です。
現在TACでいう基礎期で、この時期は計算科目をとにかく重視しろとよく言われます。

もっちんさんはどのようにお考えでしょうか?理論科目などは理解にとどめる程度で本当に上級期でついていけるでしょうか?
あと、今の時期にこれをやっておけばあとあと楽になるようなことなどありましたら教えていただけないでしょうか?
時間に余裕のあるときで構いませんのでよろしくお願いします。
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Sさん

もっちんです。Sさん、はじめまして。早速、質問に回答します。

>この時期は計算科目をとにかく重視しろとよく言われます。もっちんさんはどのようにお考えでしょうか?

僕はこの見解にほぼ同意です。体験記でも書いたとおり、基礎期の計算問題は合否を分ける上できわめて重要です。計算は一度マスターすればそうそう忘れるものではないですので、基礎期に固めてやっちゃいましょう。基礎期は時間も比較的余裕がありますし。とくに今年の短答は基礎的な出題が多いといわれてますので、重点的にやっておく必要があると思ってます。

>理論科目などは理解にとどめる程度で本当に上級期でついていけるでしょうか?

「理解」をどう捉えるかによりますが、答えはyesです。僕の思う「理解」とは、テキストや条文の内容を受験仲間に説明できるレベルのことでして、基礎期のテキストでそれが出来れば十分だと思います。上級期はたしかに分量が増えて大変ですが、後回しにしてもいいところもたくさんありますので、それほど心配なさる必要はないと思います。

>今の時期にこれをやっておけばあとあと楽になるようなことなどありましたら教えていただけないでしょうか?

よい受験仲間を作ることと、ストレス解消法を作ることです。
よい受験仲間がいると精神的につらいときに相談相手となってくれたり、勉強のモチベーションを上げてくれたりします。あと、一日中机に向かってるとだんだんと煮詰まってきて生産性が落ちますので、ストレス解消法持っておくことも大事だと思います。
おまけに働き始めても(ぼくは年明けからずっと12月決算監査をやってました)この2つは重宝します。

こんなところでどうでしょう?また聞きたいことがあったらどしどし質問してきてください。
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ユウ:
こんばんは。はじめまして。まずは合格おめでとうございます。上の質問とはあまり関係のない質問で申し訳ないのですが、簿記でいう実務に沿った処理とはなんなのですか?連結で言うと評価差額の実現等がこれにあたるのでしょうか?お時間ありましたらご返答よろしくお願いします。
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>ユウさん

はじめまして。

>まずは合格おめでとうございます。

ありがとうございます。でも、仕事をしていると自由な時間が多かった受験時代に帰りたくもなりますよ(笑)。

>簿記でいう実務に沿った処理とはなんなのですか?連結で言うと評価差額の実現等がこれにあたるのでしょうか?

簿記でいう実務に沿った処理とは、おそらく、実務慣行に配慮した会計処理のことではないでしょうか。たとえば、修正約定日基準ですとか、為替レートのAR換算の容認とかです。この意味では、連結で言う評価差額の実現が該当するかは不明です。

なお、簿記でいう実務に沿った処理と聞いて、ピーンとこなかったため、まったく的外れなことを答えているかもしれません。そのときはぜひご一報をください。勉強がんばってください。
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ユウ:

ご返答どうもありがとうございました!