Krさん
0.プロフィール
2006年度の再現答案に参加いたしました、Krです。再現答案を書きながら、「どうかな?ぎりぎりでも滑り込めたかな?」という出来でしたので、11月20日は相当緊張しながら発表を見に行っていました。今年から、科目合格での監査法人就職、という選択も増えたため、これから、「働きながら会計士試験合格を目指す」方々も増えると思います。そんな方々に社会人合格者の一人として、少しでも参考になる点があれば、と思いまして、合格体験記としてまとめさせていただきます。
年齢:
30代になったばっかり。
受験回数:
3回
2002年度 短答合格(36/50点) 論文不合格
2003年度 短答合格(39/50点) 論文不合格(B判定)
2004年度~2005年度 受験せず(勉強もしていません)
2006年度 短答合格(80/100点) 論文合格 短答の内訳は、企業法18、監査論15、管理会計19、財務会計28。
選択科目は、02・03年は経営・経済、06年度は統計学。 論文模試は3年間通じて、まったく受験せず。
受験予備校:
会計士の勉強を始める前に、簿記2級の勉強をしていました。
02年度~03年度 LEC(コースでは取らず、主に講義・早朝答練中心)
06年度 LEC(1時間答練+短答答練)、大原総まとめ、市販のテキスト
職歴:
大学在学中からプログラマ→SEとして働いています。(現在で10年弱)
受験勉強中も、働いていました。(残業は10~60時間程度、土日時々出勤)
1.働きながらの会計士試験受験について
(1)これから会計士試験受験を考えている方へ
「何かを捨てる覚悟はありますか?」会計士試験に向けての受験勉強は、2,000時間~3,000時間かかるといわれています。これを1年で割ると1日6~8時間。2年で割っても、3~4時間毎日勉強しなければ、合格レベルまで達しない、ということになります。
働きながら勉強をする以上、一日8時間は自動的に消えていきます。その他の16時間の中から1日の勉強時間をひねり出していくには、どうしても今までの仕事生活を続けているだけでは無理だと思います。
勉強するためには、例えば、自分の趣味の時間を捨てる、今まで通勤時間は寝ていたけど、その時間を全部勉強時間に当てる、などの工夫が必要になります。 自分の場合、以下の時間を使って勉強時間を捻出しました。
・通勤時間(往復1時間程度)
・会社での昼休み(30分程度)
・趣味の時間を論文試験が終わるまで我慢する
まずは、「どうしても会計士になるんだ!」という強い気持ちを持ち続けることが大切だと思います。その上で、いかに効率的・効果的に勉強できるか、が勝負なのではないかな?と思います。
(2)これから働きながら勉強を続ける方へ
科目合格などにて、これから働きながら試験勉強を続ける方もいらっしゃると思います。受験勉強に専念していたときとは環境ががらっと変わるので、戸惑うかもしれません。自分は、現在の仕事には影響をできるだけ与えないように注意して勉強していました。仕事が遅れてしまう原因を受験勉強に求めてしまうと、逆に、受験勉強ができないことを仕事に求めてしまい、相互作用でどちらもうまくいかなくなってしまう、と考えたからです。
要するに、「勉強も仕事もできる限り両立させる」ことを心がけていました。夜、仕事で付き合いの飲み会があるときは朝早く起きて勉強をしてから会社に行ったり、仕事は出来るだけ集中して早めに終わらせて、残業時間を減らす努力をする、などです。
(1)でも述べましたが、「如何に効率的に、効果的な学習が出来るか」が鍵になると思います。
2.勉強方法
(1)総論 時間・金銭の関係で、出来るだけ必要な講義・答練のみを取るようにしていました。 自分の場合、入手した教材はすべてこなさなければ!という気になってしまうので、出来る範囲の教材を数多くまわして理解を確実にする、という方法を取っています。(2)計算科目 簿記・管理会計については「とにかく毎日どちらかを解く」ようにしていました。 計算科目に苦手意識はなかったので、できるだけ勘を鈍らせないように、と思っていました。 その年の1時間答練を何度かまわしていたのですが、2回転目、3回転目にいくにしたがって、解く時間を短く(1時間→40分とか30分)しました。本試験では時間がない中で問題を解く必要が出てくるので、そのシミュレーションとして捉えていました。
租税法の計算(法人・所得・消費)は、短答2ヶ月ぐらいまで間では個別問題、短答後は個別問題と基礎期の総合問題をひたすら解くようにしました。
あまり、租税法に力を入れる時間がないということもあって、取れるところのみを拾っていって、最悪でも足切りをされないレベルになろう、と思っていました。租税法の総合問題も、簿記などと同じように部分点を拾っていけば、それなりの点数になるかと思います。
どの科目でも、勘を鈍らせないことが大事ではないかな?と思っています。理論科目は、2,3日勉強しなくともそれほど力が落ちた、という感じはしないのですが、計算科目は2,3日電卓から手を離してしまうと、それを取り戻すのにまた2,3日かかってしまい、1週間ほど無駄にしてしまうかな、というのが自分の感想です。
(3)理論科目
再現答案の出来を見ていただいてもわかるのですが、計算科目は比較的得意、理論科目は苦手、でした。各論点について、理論の流れまではつかめるのですが、用語や文章を暗記するのが苦手で、そのあたりは最後まで改善できませんでした。
今年は、丸暗記することはあきらめ、まとめノートを作成したり、論文まとめの教材を使って、論点に対して理論の流れをぱっと思い浮かべることが出来る、ということを目標にして勉強をしていました。
どんな問題が出ても、自分の言葉でいいので、何か書くことが出来るようにする。これが出来れば、完璧に暗記が出来ないとしても最低限の点数はもらえるのかもしれない、と今年合格したことでちょっとだけ感じました。
まとめノートは、過年度にて使用した教材や、今年の内容などをまとめて、自分で書きながらまとめるようにしました。 ある程度の空欄も作っておいて、答練や肢別などにて出てきた事項を新たに書き加えられるようにして、いろんな情報をノート1冊にまとめていました。
(4)勉強のスケジュール
06年度の11月~8月までのスケジュールは、以下のように組んでいました。
11・12月 計算科目は1日1題ずつ、理論科目はまとめノート作成
1月・2月 計算科目は1日1題ずつ、理論科目はまとめノートの読み込み 租税法・統計学は計算中心の学習
3月~5月 計算科目は交互に1題ずつ、理論科目は肢別をひたすら回す
6月~8月 計算科目は交互に1題ずつ、理論科目はまとめノート・論文総まとめの読み込み 租税法・統計学は計算中心の学習
短答対策に入ったのは3月半ばからでしたので、早いほうだと思います。
1日のスケジュールはこんな感じでした。 朝(通勤時間) 理論科目の読み込み・肢別 昼(お昼休み) 理論科目のまとめノート・理論科目答練 夜(仕事後) 計算科目
通勤時間はまとまった時間が取れないので、机に向かわなくても出来るようなものや、短い時間で色々出来るものを。昼休みや仕事後など、まとまった時間が取れれば、答練や計算科目などをやっていました。
(5)各科目の使用教材
【】でくくった教材が、06年度にて使用した教材です。(それ以外は、過年度にて使用した教材です)・財務会計(簿記)・管理会計 LEC上級講義、早朝答練・【レベルアップ答練(1時間答練)】
・財務会計(財務諸表論) LEC/大原上級講義、【大原短答肢別、LECレベルアップ答練(1時間答練)、大原論文総まとめ】
・監査論 LEC上級講義、【大原短答肢別、市販教材、大原論文総まとめ】
・企業法 LEC上級講義、図解テキスト(長瀬先生)、【大原短答肢別、市販教材(リーガルマインド会社法)、大原論文総まとめ】
・租税法 【市販教材(TAC租税法トレーニング)、大原の直前講座、大原論文総まとめ】
・選択科目(統計学) 【市販教材(統計学入門、問題演習の本)、大原論文総まとめ】