プーさんの合格体験記、社会人合格のスキマ時間活用法

働きながら2年3ヶ月での合格。成績も233位。見事なものです。
自分の弱点に気づき、対策を検討し実行。この繰り返しを直前記まで継続的に行っていたのが素晴らしいと思います。
スキマ時間を活用し、「1分は長い」と気がついたプーさん。社会人ならではのPDCAの回し方の見本です。
「わからない原因を探る」「この時間が合格に繋がっているか」という意識は、受験生の大きな参考となるでしょう。

はじめに

 はじめまして、プーさんと申します。
 私は社会人として働きながら短答合格、合格した論文式試験の1か月前に退職して専念、合格しました。

 残業は月20時間から多い時で50時間程度の一般的な会社員でした。また、私の場合は体力も一般的で、毎日深夜2時3時まで勉強するといった生活は出来なかったため、0時には寝るようにしていました。

働きながら勉強したいけれど、そこまでの体力はないと思って諦めかけている方に少しでも参考になれば良いと思い、今回執筆させていただきます。
 また、短答の体験記についても書いていますが、私は得点率65%ギリギリで通過した人間のため、今のインフレしている短答の得点率を考えると物足りない勉強かもしれません。ただ、一人の合格体験記としてどこかで役に立つかもしれないので記載させていただきます。

基本情報

 まず、はじめに私の基本的な情報について説明させていただきます。
  • 受験回数: 短答1回目、論文2回目で合格
  • 勉強開始年齢と学習期間:22歳のゴールデンウイークから試験勉強を開始し、2年3か月で論文合格しました。
  • 予備校: 短答まではLEC、論文からCPAに切り替えました。仕事の関係上通学は難しかったのでいずれも通信です。
  • 論文成績
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直後は、5分5分かと思っていましたが、そこまで悪くなくて驚きました。
企業法でCPAのヤマが当たったのがかなり大きいと思うので、半分は運だと思いますが、論文の手ごたえは当てにならないという言葉を再認識しました。

会計士を目指した理由

 私は新卒で日系の会社に入社したのですが、初期配属で、同期たちが住む場所も、これからのキャリアも会社に決定される様子に強い違和感を覚えました。
組織で働いている以上、ある程度仕方ないことかもしれないですが、もう少し自分の人生は自分でデザインしたいと思うようになりました。そこで資格を取ろうと思ったときに、会計士の勉強が一番興味を持つことができたので、会計士を目指すことにしました。

短答合格時の成績

 以下が私の成績です。合格時の短答のボーダーは62%と低く、管理会計論が難化したのが特徴の回でした。ボーダーすれすれで合格したので、採点後も、これは落ちたな、と思い次の短答に向けた勉強をしてしまっていました。

 財務諸表論:135点(65%)
 管理会計論:40点
 監査論:75点
 企業法:75点
 総合:65%

総論

 私が試験勉強全般において意識していたことは次の3点です。
 この3点は常に頭に入れて勉強をしていたので、最初に紹介いたします。

1点目 本番の緊張感を舐めない

 試験当日の緊張感はかなりのものです。個人的に、論文式試験の3日間は大学受験の緊張を超えました。
 こういった状況下では、普段よりも数段パフォーマンスが落ちるのが通常だと思います。

 私は特に緊張しやすく、自分の中で定着しきっていない知識が、緊張感のある中で思い出すことができるとは到底思えませんでした。だからこそ、たとえ緊張が限界で自分の普段通りの実力が出せなかったとしても、思い出すことができるよう記憶の定着を徹底していました。

 また、得意科目頼りの目標を立てないように意識していました。例えば、財務会計が得意だからここで8割取って、苦手な監査論は5割程度取ることを目標に捨てる、といったことは極力やらないようにしていました。

 これは賛否両論あると思いますが、得意科目頼りだと本番でその科目のときに必要以上に緊張したり、難化した場合は差がつかなくなったりするリスクがあったからです。また、得意科目頼りの場合、得意科目が失敗したときに絶望で総崩れになる可能性があります。

 どの科目も大きく秀でる必要はないものの、すべての科目で合格点は取れるような勉強を意識し、過度に緊張する科目が無いようにしていました。

2点目 時間を有効活用する

 社会人で時間が無いというのもあり、この点は常に考えていました。
 時間の有効活用で大切にしていたのは、
  • 隙間時間を充てる
  • 時間対効果を意識する
 の2点です。

 まず隙間時間についてですが、社会人は絶対的に時間が足りないので、1分でも手が空いている時間があったら何かしら勉強するようにしていました。
 私の場合は、朝食を食べながらテキストを読み、移動時間に暗記を詰め、昼休憩の30分で計算をやり、ドライヤーで髪を乾かす間にテキストを読むといったように、目と頭が空いているときは何かしら勉強をするようにしていました。

 やってみて思ったのは、まとまった時間が取れなくても、探してみれば意外と時間はあるということと、1分は長いということです。1分の間に用語や短めの論証1つは覚えられるので、1分1秒を大切にすることを常に意識していました。一方で、無理して夜中まで勉強をすることはしませんでした。

 次に時間対効果についてです。
 この時間を使うことで、どれだけ点に直結するのか?ということを常に自問自答していました。たとえば、何度も同じ講義を聞いたところで得られる効果は限られていると判断し、講義動画は出来るだけ1回しか視聴しないようにしていました(問題を解いていてわからなくなったときは別です。)。

 また、出来る問題については飛ばして問題集を回転させ、だらだら回転させないようにしていました。答練や模試で点を落とすのは基本的に苦手分野からの出題だったので、出来る問題を何度もやる必要はないという判断のもとです。今日使った1時間が、本番で点を取ることにつながる1時間かを考え、やったつもりの勉強だけはしないようにしていました。

3点目 絶対に最後まで諦めない

 これは個人的な意見ですが、会計士試験は勉強のセンスのある人や時間のある人にとって確かに有利ではありますが、結局は最後まで悪あがきする人が合格する試験だと思っています。

 私は特別頭が良いほうではなく、また時間に余裕があったほうでもありません。実際に、短答は1か月前の答練では、財務諸表論で40点前後(%ではありません…)という恐ろしい成績を叩き出していましたし(他の科目は忘れましたが60%を超えた科目はほぼありません。)、合格した年の論文式試験1か月前の大原模試はD判定でした。

 それでも、最後の1か月、最後の1週間で成績はいくらでも変わります。試験当日のコンディションや問題形式でも大きく左右されるので、直前の模試や答練で悪い成績を取ったからといって投げやりになるのはとてももったいないと思います。

時期ごとの勉強法

入門期

 管理会計と簿記の計算しかやっていませんでした。これはLEC独特のカリキュラムなのかもしれませんが、短答5か月前まで、理論や監査論、企業法についてはほぼ講義も行われていませんでした。

 平日1~3時間、休日8時間くらい、すべてを計算に充てていました。この時期に計算ばかりやっていたおかげか、直前期に多少放置してもメンテナンスをすればなんとか平均くらいは取れる状態にはなっていました。

 休日に講義を一気に視聴し、平日に講義の範囲の問題集を解いていました。講義をすべて見終わったら、ひたすら問題集を回転させ、出来ない問題をつぶしていました。

上級期

 財務諸表論と管理会計論の理論と、監査論、企業法の講義を一気に視聴しました。

 正直間に合う気がしなく一番しんどかったですが、とにかく講義を早く視聴して、問題集とテキストを一回でも多く回転させることを意識していました。このときはご飯を食べながら講義を視聴したり、隙間時間をつなぎ合わせて1日1.5講義くらい受けていました。

 暗記でほぼすべての時間を費やし、計算に触れる時間はほとんど無かったため、答練の成績はボロボロでした。
 勉強時間は平日1~3時間、休日8時間程度です。
 

直前期(試験1か月前)

~短答~
 上級期に触れていなかった計算をメンテナンスしました。上述のとおり、入門期にかなり計算をやりこんでいたため、直前のメンテナンスで何とか間に合いました。また、短答は計算も細かな論点が問われることがあるため、頻出論点は細かい論点も必ず解けるようにしていました。
 反対に、連結キャッシュフローや持分法適用会社の組織再編など、出題可能性が低く、出題されても差がつかなさそうな分野はすべて切りました。

 暗記ものはひたすらLECの肢別問題集を回し、出来ない問題が出たらその都度テキストに戻って覚えなおしていました。また、間違えた問題には付箋をつけて付箋の箇所を中心に復習しました。

 勉強時間は平日2~3時間、休日8時間程度ですが、ゴールデンウイーク期間は1日10時間やっていました。
~論文(合格時の勉強法)~
 範囲が広く知識の抜け漏れが多かったため、テキストのはじめから一つ一つ覚えているか知識の棚卸をして、忘れていた論点をノートへまとめました。このノートは直前まで忘れていた論点で弱点だらけのノートなので、毎日見直し、試験当日も持っていきました。ノートのまとめは時間をかけすぎず、あくまで知識の整理のために行うというスタンスで行っていました。

 また、ケアレスミスがとても多かったので、科目ごとに実際にやってしまったケアレスミスを書き出し、毎日眺めるようにしていました。こうすることで、自分がミスしやすいポイントが頭に入るようになり、問題を解くうえで確認する箇所を素早く判断することができるようになりました。

 また、毎日寝る前に1時間、その日にやったことを思い出す作業をしていました。どんな問題ができなかったか、なぜ出来なかったか、新しく学んだことは何かを振り返って、脳内を整理していました。
 これをやることで出来なかった問題を1日2回振り返ることになるので、記憶の定着に良かったと思います。

 合格した年は仕事を退職していたため、直前期は毎日10時間勉強していました。

不合格だった1回目の論文について

 私は5月短答で合格し、その年の論文では落ちています。そのときのことについて少しお話しようと思います。

 まず、1回目の論文の成績は下記の通りです。成績表をなくしてしまい詳しくはわからないので大体の成績です。租税法と選択科目の勉強が全く間に合っていないことがよくわかると思います。

会計学:54前後
監査論:55前後
企業法:55前後
租税法:39前後
統計学:39前後
総合:49前後

 上でもちらっと書きましたが、私は短答に落ちたと思い込んでいたため、短答の合格発表まで、12月短答に向けた勉強をしてしまっていました。そのため、通常の5→8の受験生より1か月近くを無駄に過ごしてしまいました。

 本格的に論文の勉強を開始したのは6月の合格発表後です。この時点で本年度の論文より、次年度の論文に照準を合わせることを決めました。そのため、1回目の論文は試験の雰囲気に慣れ、どれだけの勉強をするとどれくらいの成績が取れるかを確認することを目標にしましたが、今思うと早々と諦めるのではなく、もっと合格を狙えばよかったと思います。

 結局、1番リラックスした状態で受けることができるのは1回目の論文だと思いますし、過年度になるとプレッシャーもかかってきます。2回目の論文のとき、1回目の論文でもし合格していれば、と何度も思いました。総論のところで、偉そうに絶対に諦めるなと言ったのはこういった背景もあります。

 勉強法については、短答合格後から慌ててCPAの論文対策講義を申し込み、理論の論文対策集をひたすら回転させていました。計算は短答の貯金を信じて2割くらいの時間しかあてていません。

 短答科目については講義を受ける時間もなかったので、短答の理論の知識で対策集を回していました。正直理解も追いついておらず、なかなか覚えられなかったです。

 また、租税法は短答後から開始したので、速習講義だけ受け、消費税と理論は全切りしました。それでも定着する時間は全くなく、ほぼ白紙の状態で提出しました。選択科目については、統計学を選択しましたが、数学の苦手な私にとっては最悪の選択でした。CPAの講座になかったので統計検定2級の問題集で独学しましたが、理解も追いつかず、偏差値40を下回りました。統計学の範囲は狭いですが、母集団のレベルはかなり高いので、安易に選択するのは危険です。

 当時は仕事をしながら勉強していたため、平日1~3時間、休日8時間ほどやっていました。ただ、論文は短答と違い科目が多く、仕事をしながら直前期の勉強をするのは自分にはハードルが高そうだと思い、翌年の退職を決意しました。

 論文本番では租税法はほぼ白紙でしたし、短答科目も全くできた気がしなかったので手ごたえはゼロでした。そのため次の日から勉強を開始し、就活もほとんどやりませんでした。
 結果発表の間は租税法のレギュラー講義をはじめからしっかりと視聴し、統計学が全く解けなかったこともあり、経営学に切り替えて講義を受けていました。

 結果発表後、CPAでは3月あたりまで講義があるカリキュラムだったので、まずは講義と答練を受け、3月以降からインプットした知識を定着させていく作業をする計画を立てました。

 1回目の論文は理解が足りないまま問題集を回すしかなく、暗記のスピードも落ちてしまっていたので、次は理解をおろそかにせず、講義を大切に受けることにしようと思ったからです。

 講義がすべて終わるまでは、とにかく遅れずに受けることだけを第一優先に考えていたので、答練もボロボロでかなり怖かったですが、3月以降は暗記と知識の吐き出しにすべての時間を使うことが出来たので結果的には良かったと思います。

科目ごとの勉強法

財務諸表論

 計算は、短答期に受けたLECの影山先生の講義が最高でした。難しい会計論点も腹落ちするような説明をしてくださります。短答で切った論点以外は、論文期も計算の講義はほとんど聞いていません。

 財務会計は範囲が広く、出来ていると思っても忘れている論点で点を落としていることが多かったので、直前期はテキストをしらみつぶしにしていき、忘れている論点をノートに書き出して手が空いたら見直すようにしていました。また、ノートを見直すだけではなく、手を動かして問題も解くことを必ずやっていました。計算は手を動かさないとあっという間に出来なくなってしまったので、1日1問でも解くのが大事だと思います。

 理論は、すべての科目に言えることですが、用語・論証の丸暗記に走るのではなく、講義を聞いて理解をしてから暗記をすることを意識していました。論文では、CPAの論文対策集のA論点とB論点だけ回転させました。通勤時間が長かったので、通勤電車で財務会計と管理会計の論対集の回転をしていました。

私の場合、1回で完璧に覚えきるより、何度も繰り返し見たほうが頭に残りやすかったので、1周1周に時間をかけないようにしていました。だいたい3週間で1周して、直前期は10日で1周していました。

 回し方については暗記科目全般で共通しているのですが、
  • 1周目→問題文と解説を何となく見て授業を思い出す。
  • 2周目→解説を隠してキーワードを思い出す。思い出せなかったらすぐに解説を見る。
  • 3周目以降→解説を隠して思い出せないものにマーカーを引いていき、解説を見た後、空で言えるか確認、
という感じで回していました。

管理会計論

 短答では、計算にかなり時間を費やしました。使っていた問題集はLECで配布された問題集のみですが、10周くらいやり、出来ないところがなくなるまでやりこみました。

分からない問題にあったら、何がわからないのか原因を探り(たとえば個別原価計算の集計方法が分からないのか、それとも問題の出され方が慣れていなくて出来ないのか)、その原因にあったアプローチをしていました(上記の例だと、個別原価計算の集計方法が分からない→テキストに戻って確認、など)。やみくもに回すことだけはしないようにしていました。

論文では、短答でだいぶ基礎を固めていたのでメンテナンス程度に配布された論文対策集を解くぐらいでした。直前期には、テキスト例題を最初から解いていき、知識があいまいな部分を固める作業をしました。

 理論は、短答では原価計算基準が大きな得点源になるので、毎晩寝る前に原価計算基準を音読し、その内容について一人でぶつぶつ説明していました。自分で説明することで理解が深まり、口に出して音読をすることで文言も覚えやすくなりました。

 論文では、CPAの池邉先生の圧縮講義を受け、講義の内容を完璧に理解してから、論文対策集の池邉先生が解説していた箇所だけをひたすら回していました。論文の理論では論文対策集以外の問題集は一切使用していません。きっとよく聞く話だとは思いますが、何冊も問題集を買うより、一つの問題集を極めたほうが記憶に残りやすいですし、点にもつながると思います。

監査論

 個人的には好きな科目で、会計士ってこんなことしているのねーと思いつつ社会見学の気持ちでレジュメを読んでいました。短答、論文ともに最初から丸暗記はせず、背景にある目的や趣旨を理解してから用語を覚えていくようにしました

また、短答ではLECから5年分過去問集が配られたので、それだけ5回転くらいしました。短答は過去問をやっているだけで点がくる!と先生に言われていたので、その言葉を信じてやっていました。実際にこれだけで75以上取れたので良かったと思います。

 論文では、CPAの松本先生のレジュメを使っていましたが、このレジュメは覚えるべきところにマークがついていたり、基準集に載っているところはその旨の記載があったりするのでとても使いやすかったです。理解を大事に講義を受け、直前期は覚える箇所のところをひたすら回転させました。
 現場対応型の問題についても講義とレジュメで解説してくれるので、問題集はほぼ使わず、答練だけ繰り返し解きました。

企業法

 短答では、いったん講義をすべて視聴したものの、用語が難しくテキストを読んでも全く頭に入っていかないことに気が付きました。そこで、テキストの中で分からない法律用語を洗い出し、意味を書き加えることで日本語として頭に入ってくるようにしました。そのあとでLECの一問一答問題集を5回転くらいさせ、知識を強固にしていきました。

 論文では、CPAの平木先生の動画を見ていました。かなり分かりやすく、短答であいまいだった内容がすっきり頭に入ったと思います。

 効率を求め、一度論点の暗記に走ったことがありましたが、みるみるうちに答練で答案が書けなくなりました。論点の暗記と併せて、実際の問題を解いて論証の流れ、必要な条文を実際に引いて確かめることがとても重要だと身をもって感じた出来事です。

 論文対策集と答練の問題の答案構成を一つ一つ考え、どの条文を使い、どうやって趣旨を書くかを確認する作業を繰り返すことが一番の近道だと思いました。条文を引く際は条文の一文一文をきちんと読み、本番でこの文章を読んで答案を再現できるレベルになるまで落とし込むことを意識していました。

租税法

 過年度生にとっては比較的有利な科目であるはずが、本番1か月前の模試で知識の抜け漏れが大量にあることに気づきました。なぜ抜け漏れがあったかというと、テキストの例題をおろそかにして答練と配布問題集ばかり解いていたからです。答練と配布問題集だけでは知識の網羅性に穴があるため、その穴を問われたときに対応できなかったのです。

そこで、テキストを初めから解きなおし、抜けている知識を埋めることを徹底するために1日1冊ペースでテキストの例題を解いていました。また、その際は1時間半くらいで1冊終わらせることを目標にし、本番のタイトな時間配分に体を慣らすようにしていました。

 理論は、CPAの高野先生の講義を受け、配布された問題集と答練だけやりました。問題に出てきて、すぐに法令基準集を引けなかったものだけ付箋をつけ、場所と条文の参照の仕方を覚えていきました。私の場合は直接法令基準集に書き込み、隙間時間に1日10分でも書き込んだページを見て問題を思い出すようにしていました。

経営学

 CPAの植田先生の講義を受講し、植田先生のレジュメを回転させるのと、CPAの問題集を解いていました。計算は答練でボロボロだったのですが、公式の暗記がおろそかになっていることに気づき、公式を覚えてからは伸びました。理解をしっかりして、公式をきちんと覚え、簡単な問題を確実に取ることがボーダーに乗るうえで大切かなと思います。

経営学は簡単な問題を落とすと偏差値がとてつもなく下がるのでケアレスミスには十分気を付けてください。

 理論は植田先生のヤマ当てで出るといわれたところを優先的に、浅く広く覚えるようにしました。レジュメを見ているだけだと暗記できないと思ったので、問題集を繰り返し解いていました。暗記の方法は人それぞれに合ったものがあると思うので、自分のタイプを早めに見つけ、合った勉強法にシフトするのが良いと思います。

論文式試験当日について

 論文式試験当日の過ごし方について、私自身気になってブログなどで調べていたので、一例として載せておきます。

 まず、私は絶対に試験前日眠れなくなることが過去の模試を受けて分かっており、もともと不眠症気味だったため病院で処方してもらっていた睡眠導入剤を飲んでから寝ていました。薬をもらうといった医療行為は私から安易に勧めることはできませんが、試験前に眠れなくなるタイプの人間かどうかは早めに把握しておき、何らかの対策はとっておいたほうが良いと思います。

 朝はいつも通りの時間に起き、自分の弱点をまとめたノートでその日の科目を確認して、試験直前は友達からの応援メッセージを読んでテンションを無理やり上げていました。休み時間中と帰りの時はイヤホンをつけて音楽を聴き、周りの試験についての会話はできるだけ聞かないようにしていました。

 また、論文式試験で終わった科目のことは忘れ、次の科目のことだけ考えるようにしていました。出来ないと思った科目が意外とどうにかなっているケースはあるので、マイナスな気持ちに引きずられて出来る科目を失点しないようにしていました。

 私は1日目、2日目とも午前中の科目が難しく頭が真っ白になりかけましたが、休み時間に音楽を聴いて散歩していたら切り替えられました。失敗したときに切り替える方法を模試や答練で探っておくと安心かもしれません。

おわりに

 ここまで読んでくださりありがとうございました。受験生活は長く苦しく、ときに誰かの何気ない一言に傷ついたり、周りと自分を比べて落ち込んだりすることもありました。ただ、努力した分必ず何かは得られると思うので、周りのノイズは気にせず自分の道を走り抜けてください!
 長々と偉そうに書いてしまいましたが、読んでくださった方のお役に立つ情報を少しでも提供できていましたら幸いです。

開示答案

会計学(午前)

第1問
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 大問2の問3・問6の語句を答える問題に関しては完全なケアレスミス。答案を解答した時点ではこの2つについては自信満々だったのでショックだった。
 大問1の計算にかなりの時間をかけてしまい、見直しに時間を割けなかったのが痛い。おそらくこの2問があっていれば偏差値52は超えたと思う。こう考えると、1問の重みはかなりあると思う。
第2問
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 大問2が白紙が目立つが、偏差値が高いのが以外だった。当たり前だが、難しい問題は白紙状態でも差はつかず、簡単な問題を落とすと一気に偏差値が落ちることを理解した。この問題でいえば、大問1の問2や問4を落とすとかなり痛いと思う。

会計学(午後)

第3問
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素点が高いのに偏差値がかなり低いのが衝撃だった。概念フレームワークの穴埋めなどはほとんどの受験生が完答しているのかもしれない。また、大問2の問1も、各種予備校が予想していた範囲だったため、合格者はほぼ満点を取ってきている可能性がある。
第4問
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大問1の出来がかなり悪い。問1と問2は出来た気でいたが、全く違っていた。また、大問3の仕訳を書く問題で、勘定科目を書き間違えていたのがショックだった。答練などでは勘定科目の書き間違えはしたことがなく、本番でいかに緊張していたかがわかる。会計学(午後)もギリギリまで連結の問題を解いてしまったため、見直す時間がほぼなく、ケアレスミスを防ぐことができなかった。
第5問
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想像以上に良かった。連結の問題でここまで好成績が取れたことが今までなかったため、問題の形式が合っていたのだと思う。記述については、部分点を取る気持ちで書いたが、おそらく狙った部分点は取れているのではないだろうか。

監査論

第1問
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素点は低いが偏差値が伸びた。法令基準集の文言を引用した箇所がかなりあるが、素点があまり来ていないのが意外だった。
第2問
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大問1があまりに難しく、終わったと思ったが意外と偏差値があり驚いた。やはり難しい問題はみんなも出来ていないので、潔く飛ばし、簡単な問題に全力を注ぐべきだと思った。問2と問3は典型論点の応用版のような問題なのではないかと個人的には思うが、大問1の衝撃で焦って丁寧に回答ができなかった。

企業法

第1問
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答練でも取ったことのない好成績で驚いた。企業法は問題との相性がかなりあると思うので、答練や模試の成績はあまりあてにならないと思った。ただ、普段の勉強で意識していた条文の丁寧な指摘や、あてはめは本番も意識していた。
第2問
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CPAの模試と全く同じ問題が出たので、この偏差値は運だけで取ったようなものなので、あまりあてにならないと思う。問題2は、最後の時間が足りず、あてはめがあまり丁寧にできなかった。

租税法

第1問
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素点と偏差値がかなり悪かったのが驚いた。租税法の理論は試験直後もそこまで危惧していなかったので、衝撃だった。指摘の仕方が悪かったのかもしれない。
第2問
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偏差値がかつてないほど良く、驚いた。試験直後も出来たかもしれないと思ったので、ここの予想は当たっていた。租税法の計算(特に法人税)は予想と結果が乖離しにくいので、安定した成績が取れるようになると有利だと思った。

経営学

第1問
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意外と偏差値が伸びなくて驚いた。受験生は経営学の簡単な問題は確実に正解してくるので、ここで偏差値を伸ばそうと思うと至難の業かもしれない。
第2問
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素点もあまり良くなく偏差値もギリギリ52を超えたという感じだが、試験直後はそこそこ出来たかなーと思っていたが、ケアレスミスも多く、最後に気が抜けたなと思った。偏差値が伸びなかったのが、租税法の理論の次に意外だった科目。

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