アップルさん、元SEのポジティブ勉強法-

はじめに

 はじめまして、アップルと申します。27才です。受験期間としては2年2ヶ月(3ヶ月の充電期間を含む)、受験回数としては短答2回・論文1回で合格することができました。大原のDVD通学で勉強し(よって受験仲間無し)、選択科目は経営学でした。

 会社法の影響などで07年以降少なからず改正があるようなので、どこまで役立つ内容なのかは分かりませんが、気分転換にお読みいただけたら幸いです。

 まずは、アップルの経歴について簡単に触れておきたいと思います。

・高校時代   公認会計士という資格を知り、ちょっと憧れる。
・大学時代   1回生と2回生の冬に、各受験予備校の説明会に行き、勉強するなら大原と決めるが、結局は遊びを優先し、新卒入社の道を選択(①)。
・社会人    SI企業でSEとして2年余り働く。
・04年6月下旬 退職して、大原で勉強開始(②)
・05年6月   あと1問で惜しくも短答不合格
・05年9月   3ヶ月間迷った挙句、06年の勉強開始(最初の3ヶ月はバイトもしつつ)
・05年11月  日商簿記1級合格
・06年7月  81問で短答合格
・06年11月  論文合格

 (補足)(1)新卒で入社する機会は基本的に1回だけであること、ゼミの先生が資格取得に否定的だったことが要因でした。

(2)前職では、その社内でのみ役立つスキルしか得られない気がして、若いうちに他の道へ行こうと考えました。

総論

 次に、ここでは科目に関係ない普遍的な話をしたいと思います。

○計算科目の間違いノート

  簿記・管理会計についてはルーズリーフで間違いノートを作り、たまに電車内で眺めていました。
  分野別・答練別に整理すると見やすくてよいと思います。

○テキストにインデックス(見出し)を貼る!

1年目は「なんかベテランっぽくて嫌だなぁ」と思っていたのですが、2年目に導入してみて大満足でした。僕の場合、財表・監査・租税・経営のテキストに貼りまくっていました。

○講師に質問しない!

これは単に僕の性格的な問題です・・・。あまり人に質問するのが好きじゃないので、徹底的に自分で考える癖がつきました。(大原の強みを活かしてないですね(-_-;))

○暗記ではなくて「理解」!

1年目は、ワケもわからず定義を一言一句暗記しようとしていましたが、2年目にもなるとポケットコンパスのAランクのうちでも暗記の必要のないものが多数あることが分かってきました。エッセンスを理解していれば、多大な労力を費やさずとも正解から遠からずな答案は書けるのです。

○パレートの法則!

この法則は別名8:2の法則とも言われますが、全範囲のうち重要な2割が、全体の重要性の8割を占めるという経験則です。

元SEとしてQC活動の観点から説明すると、バグの発生パターンのうち重要な2割に対策を講じると、バグの発生が8割削減される、というものです。これは特に短答対策の時に意識すべきで、むやみに手を広げすぎないということが肝要です。

他校の短答答練を入手したくなる気持ちは分かりますが、費用対効果の面でいうと極めて効率が悪いです。その分、論文試験科目の勉強をした方がまだマシだと思います。

時期別

(1)04年6月~12月

講義DVDを月40~50コマ見ていました。復習+問題演習1回で手一杯の状態でした。10月以降はステップが開始され地獄の日々だった気がします。特に簿記は1ケタ得点を連発していましたし、途中で講義ペースを抜かれてしまいました。それまでの人生では計算科目が得意だったので、絶望的な気分を味わいました。(反復練習をしていなかったので当然ですけど・・・)

(2)05年1月~3月

 相変わらずハイペースで講義を受講して、なんとか3月一杯で完了。2時間答練も本格化してきたが、成績はほとんど平均より↓。短答答練も同様でした。

(3)05年4月~短答発表

 短答答練の成績が芳しくなかったため、2時間答練を除いて短答対策に特化。肢別チェックを中心に商法・財表は枝葉末節まで確認していました。簿記の問題演習量の絶対的な不足はこの時期でも解消されず、足を引っぱりまくっていました。その結果、短答試験はボーダー付近となってしまい、まともに勉強できない不安な気持ちで発表までの1ヶ月を過ごすはめになりました。で、結局1問差で不合格でした。

(4)05年10月~12月

 3ヶ月の充電期間を経て、06受験に向けて再始動しました。年内は、理論科目の上級講義を受けつつも簿記と管理会計にかなりのウェイトを置きました。簿記は苦手意識がかなり強かったので、入門期の問題集を全部解き直し、出来の悪い問題は何度も繰り返しました。おかげでステップでは上位30~40%には入るようになりました。あと、日商1級を受験して何とか合格することが出来ました。これにより後々自信を持つことが出来るようになりました。(ただの自己満足かもしれませんが)

(5)06年1月~3月

 管理会計のウェイトを大胆に落とし、遂に租税のレクチャーに着手するも、パワーアップ講義は短答後に先延ばしする戦略をとりました。他の理論科目は、じっくりとテキストを「理解」していきました(改正対応が遅い大原の会社法には辟易しましたけど・・・)。ペースは大体答練に合わせていたので、この3ヶ月で各科目を1回転させていました。暗記作業はほとんどしてなかったです。短答答練の成績はまずまずで、上位1/3に入ることが多かったです。

(6)06年4月~短答試験

 ギリギリまで短答対策はしないつもりでしたが、とりあえず短答合格を目指す組の存在がプレッシャーとなり、4月初めからかなりの時間を短答対策に充てました。短答答練専用の間違いノートを作成するとともに、簿記・管理会計は昨年の短答答練を全て解き直しました。会社法は、ひたすら条文の素読。財表は細かい所はばっさり切って、法規集の読込。監査は答練の見直しぐらいでした。昨年の試験では枝葉末節に囚われ過ぎていたので、パレートの法則を強く意識していました。

(7)06年6月~

 短答の自己採点で80点は固かったので安心して論文対策に取り掛かることができました。まずは、先延ばしにしていた租税のパワーアップ講義・答練を集中的に消化し、計算の勘などを取り戻すために6月は勉強時間の9割を租税に費やしました。

所得税や消費税については、この時期にやっと理解が進んできたというようなレベルでした。理論に関しては本試験までほとんど手をつけなかったです。

7月以降は、経営にもウェイトを置き始めました。総まとめテキストのA・Bランクをざっと押さえ、最終的にこの期間中に3回転しました。

監査は答練・総まとめテキストで、講師が重要と言った箇所を重点的に(少ないですが)2回転しました。監査の場合は列挙問題が出題されるので、暗記の比重は他科目に比べだいぶ大きかったように思います。財表も答練・総まとめテキストで、ランクに従って押さえていきました。

 超基本的orヤマの用語以外は定義の暗記はしなかったです(暗記吐き出し型の問題を減らそうとする金融庁の方針を信じていたので)。会社法についても、総まとめテキストのA・Bランクについてフローが浮かぶように2~3回転じっくりと勉強しました。

簿記は、連結にかなりのウェイトを置いて、2日に1問ほど解いていました。管理会計は、理論分野については軽くチェックする程度にとどめ、計算の勘を鈍らせないように3~4日に1問解いていました。

最後に

 精神面について3つだけ挙げておこうと思います。

○入門生でも受かる試験である!

これは先述したように、手を広げすぎないよう自分を戒めるために自らに言い聞かせていた言葉です。7月8月になると、他校ではどこをヤマと考えているのか、今まで勉強してなかった細かい箇所から出題されたらどうしようか、と考えてしまう傾向があったのですが、入門生でも受かることが可能なんだから、狭い範囲でもしっかり押さえておけば勝負できる!と考えるべきです。

○試験会場では緊張し過ぎないように!

僕の場合、どちらかというとアガリ性なので、1年目の受験時は緊張のあまり右手が震えたりしていました。しかし、それでは実力を発揮することができません。そこで2年目の受験会場では、緊張を抑え込むことに必死でした。精神的な手段としては、「模試の結果では、お話にならないレベルではない!この会場の半分以上は自分より下だ!」と自分に言い聞かせること、身体的な手段としては、手の平や甲をシャーペンでツンツン突いて気を紛らわしていました。(笑)

○絶対に諦めるな!

このことは、受験勉強中と本試験の時に分けることができます。

前者では、答練の成績が伸びないことなどが原因になりやすいと思いますが、成績というのは2~3ヶ月遅れて成果として現れるものらしいので、もう少しの踏ん張りが必要です。しかも、受験生のほとんどは自ら進んで勉強を開始しているはずで、誰からも強制されているものではありません。本気で止めたいと思う人はさっさと止めた方がいいでしょう。
 でも、それでは今までの努力が無駄に終わります(管理会計的には埋没原価かもしれませんが(^_^;))。本気で止めたいと思えない人は、絶対に諦めることなく予備校のカリキュラムにしがみついていくべきです。

 また後者は、試験が複数日にわたって実施されることに起因すると思います。今年の論文試験の場合、2日目終了時点で心の中では諦めていた人も少なからずいたのではないかと思います。僕もやや絶望的な気分になっていました。しかし、この場合は済んだことを振り返ってもしかたないので、「3日目に集団食中毒が発生して上位陣が総崩れするかも?」というような超ポジティブ思考に切り替えて3日目に全力を出し尽くせるよう試験に臨みました。

本当の最後に、中学の担任が定期試験の時に黒板に書いていた言葉をメッセージとして・・・

Do Your Best!