horieponさん
公認会計士試験2005年度合格体験記
horieponの苦手科目克服法
by horieponⅠ 自己紹介
はじめまして。この度2005年度二次試験合格者として投稿させていただくhorieponです。今回、自分の体験が受験生のみなさまのお役に立てればと思いこの合格体験記を投稿することにしました。はじめに、勉強法等を述べる前に、私の受験歴を簡単に述べたいと思います。2002年 TAC会計士講座2003年目標の1・5年本科に入学
2003年 短答式試験不合格⇒TAC会計士講座夏上級に入学
2004年 短答式試験合格⇒論文式不合格⇒TACと大原をそれぞれ単科で申し込む
ちなみに単科で申し込んだ内容は 簿記→大原の応用答練、直前答練、ステップ応用、直前
財表→TAC
経営→大原の上級完成、上級答練、応用答練、直前答練、論まとめ
原価計算→大原の応用答練、直前答練、ステップ応用、直前
監査論→TAC
経済学→大原の上級完成、上級答練、応用答練、直前答練
商法→大原の上級完成、上級答練、応用答練、直前答練
短答→TACの短答答練
2005年 短答式試験合格→論文式試験合格
私は2002年にTACの1・5年本科に入るも早々に脱落し、簿記、原計はそこそこに勉強はしたものの、他の科目はまったく手付かずの状態でした。しかし、せっかくだから短答ぐらいはしっかり勉強しとこうと思い、1ヶ月ほど前から対策を練って勉強をしましたが、そう甘いものではなくあっけなく不合格してしまいました。そこで心機一転し猛勉強をし、二年めには短答に合格するも論文で不合格。そして3年目には合格できる自信がなかったため就職活動をするもうまくいかず、結局会計士の試験一本に絞りようやく合格できました。こんな自分の体験記でもお役に立てればと思い合格体験記を書かせていただこうと思いました。
Ⅱ 受験生活の送り方
自己紹介を見ていただいてわかりますように、私自身かなりフラフラした人間で勉強に対する姿勢や勉強方法もかなり変わっていきました。1年目は語る必要がないくらいにひどい生活をしていたので省略しますが、2年目においては猛烈な根性主義で突き進み、朝から晩まで自習室で勉強をし、土日もなく勉強をしていました。しかし3年目はできるだけ効率的、合理的にやろうという考えに変わりました。なんで180度態度を変えたかといいますと、就職活動をしていたためどうしても朝から夜まで勉強時間を確保するのが難しかったということもありますが、私の場合朝一番で来て勉強したりしているのは、それによって勉強を量こなそうという考えにつながりやすく、それ自体が目的と化してしまいやすいように感じたからです。
だから無理して朝早くから勉強するのは自分には無理と感じたら、もっとしっかり寝てその分効率的にやればいいじゃないかと考えるようになりました、また自習室まで行くのが時間の無駄だと感じたため勉強は主に家でやっておりました。勉強時間に関することだけでなく、授業や答練に関しても同様に、必ずしも受けなくてはならないといった考えはやめて、意味が無いなと感じたら受けなくていいと思うようになりました。
そんな不謹慎な、と思う方もおられるでしょうが、受かることを目的としている以上自分にとって必要のないと感じたものに丁寧に付き合ってもそれが合格につながる訳ではないので、もう一度冷静に振り返ってみても損はないと思います。ただし、当然のことながら初年度の方はちゃんと受けたほうがいいと思います。
私が効率的に勉強するために守ったことは以下の通りです。
授業、答練の復習は時間をおかずにやる。
→ 授業や答練のわからない所は時間をおくとうやむやになりやすいため、時間をおかずに復習することをこころがけました。
分かりきったことはやらない。
→ 授業や答練、そして普段の勉強でわかりきったことはなるべくやらないことに気をつけました。
まとめノートをつくらない。
そして最後に一つ一つの学習でちゃんと目標を持って勉強する。
→ 何をマスターしたくて勉強しているかを意識することで、自己満足的な勉強をすることをふせぎました。
Ⅲ 論文の失敗とその分析
私は2年目になんとか全答練でA判定をとることができ、自信をもって本試験を受けましたが不合格に終わりまた。今思うと落ちて当然だったのかな、と感じますが、正直あの時は自分のどこが悪かったかが分かりませんでした。ここで原因分析もしないでただもう一度TACに入り勉強をしたのでは受かる気がしなかったので、科目毎に原因を考えて対策を立てることにしました。【簿記】
本試験では4,5割の出来、良くも悪くもなくいたって普通。しかし、簿記を得意としていた私としては不満足でした。そこで原因分析をして思ったことはTACの問題に慣れすぎていること、そして採点していて思ったことは取れるとこを結構落としているということです。このことを克服するために私は勉強方法を変えるとともに、答練を大原で受けることにしました。(勉強方法は下で説明します)【財表】
特にTACで問題は感じませんでした。しかし、ひょっとすると本試験において問題の出題意図に沿って答えていなかったのではないかと思いました。そこで答練を受ける際に問題文を吟味して解く癖をつけようと思いました。【経営】
私自身、経営は差がつかないからあまり勉強しなくていいという考えでいました。しかし、本試験は非常に基本的な出題で、勉強している人としていない人の差が確実についてたと思います。そこで3年目には経営も他の理論科目と同様一つの理論科目として扱うことにしました。また、私にはTACのテキストが読みにくかったので、経営は評判のいい大原を選択しました。【原計】
これも簿記と同様TACの問題に慣れすぎていると感じました。また理論をもっとちゃんとやるべきだと感じました。【監査】
実施論はかなりできるようにしておいたが、逆に実施論以降が手薄になっていた。そこで満遍なくできるようにするため、勉強は実施論以降からスタートさせました。【経済】
本試験では応用力がついていないため手も足も出なかった。考えてみたらTACでは基本問題ばかりの出題で、しかも使いまわしが多く、応用力をつけるような答練ではなかったので、大原で答練を受けることにしました。【商法】
正直苦手科目でした、本試験ではなんとか書けていたものの、実際にはここで合否が決まったのではと考えました。本試験の問題は基本論点であったにもかかわらず、完璧に書ききれていなかったのだと思います。そのため、商法は基本論点をちゃんと網羅できるようにしようと思いました。そして総合的に感じたことは、本試験では得意科目は期待するほど点はとれないが、不得意科目は普段通り点の点しか取れないということです。私の場合、簿記、原計、経済で点をとり商法をカバーするということを考えていたのですが、そのこと自体が間違いでした。そのため合格のためには、苦手科目の克服が必須だと感じました。
Ⅳ 科目別勉強方法 その1
《簿記》
2年目の際、私は答練の問題を分野別にファイリングし、年末までは徹底的にある分野を学習し、それを終えたらまた別の分野を勉強するという方法をとっていました。ただし、その際には妙に難解な問題は省いて基礎的な標準的な問題を完璧するようにこころがけました。そして、年明けからは一日に二問を目安に答練をまわしていました。基礎を作るためには良い手段だったと思います。しかし、3年目になるとさすがに基礎はできていると思ったため、簿記は答練とその復習を一回する程度で、答練をまわすということはしませんでした。なぜなら、答練で間違えた箇所があったとしても、そこさえ復習すればよく、いちいち全部やり直すのは非常に時間の無駄だと感じたからです。またこのような勉強方法をとることによって、取れる問題を確実に取れるようにする訓練になったと思います。実際に私はこのように極端に勉強時間を減らしても、簿記の成績をあげることができ本試験でも個別で8割連結で6割近くとることができ、結果的に大成功だったと思っています。《財表》
財表は基本的にはテキスト、レジュメをよく読み内容を理解するようにしていました。そして、これは財表だけでなく理論全般にいえることですが、財表の場合だとテキスト、答練、基準等、資料が沢山あります。これらを別々にやるのでは、いちいちいったりきたりするのは非常に手間がかかります。そこで私は情報の一元化を図りました。そこでサブノートを作成するのも良いのですが、これらを全てまとめたノートを作成するのは時間がかかるため、私はレジュメにテキストや答練等の情報を書込み自分のノートにしていました。これを作成することにより、直前期の見直し非常に楽になりました。《経営》
経営は非常に範囲が広いため、それらを全て網羅するのは多分無理だし、そのようなことをしていては他の科目がおろそかになる恐れがあります。そのため皆が解けるとこは確実に出来るようにすることが重要だと思います。しかし、この科目はどこまでを守備範囲とするべきかが難しいところがあります。人によっては試験委員の著書を読む方も居られるようですが、量も多くわかりにくいので、TACよりまとまっている大原のテキストと心中するつもりで勉強していました。ただし、経営は他の科目ほどきちっとした論証ができるようにするのではなく、なんとなくかける程度にはしておきました。Ⅳ 科目別勉強方法 その2
《原計》
初めは、分野毎にファイリングしてまとめて解きました。しかし、これも簿記同様に総合問題をマワスよりは、間違えた所を短答答練を使って見直すということをしていました。また、原計は簿記と異なり理論もある程度のウェイトを占めているため問題を解いたら該当箇所の理論を確認するためにテキストを読みました。レジュメではなくあえてテキストを選んだのはレジュメはテキストと異なり個別に理論を載せてあるだけで流れや全体像が見えにくかったからです。今後も多分、原計は理論の占めるウェイトが増えていくと思います。皆さんも計算だけでなく必ず理論をきっちりやって下さい。《監査》
私はTACの南先生の授業を受けていました。南先生の授業はわかりやすく、初学者でも勉強がしやすい授業だったと思います。しかし、南先生の定義は必ず覚えていたほうがよいのもあれば無駄なものもあったと思います。暗記が苦手な私は南先生の定義の内、委員会報告書の定義と箇条列挙されているもの又は箇条列挙しやすいものは覚えましたが、それ以外は切りました。定義以外の学習はテキストを読み章末問題を解き、最終的には章末問題をみて、内容が思い浮かぶようにしました。しかしながら、監査の学習は最後まで暗記以外のなにものでもないような気がして苦痛でした。《経済》
初めは、経済も分野毎にファイリングをしてまとめて解きました、経済は計算科目ではあるものの自分のなかでは理論科目として考えていたため、最初にテキストを読み、それから問題を解くといった勉強方法をとっていました。ここではテキストと書きましたが、レジュメが手元になかったためテキストを読んだだけで、実際はレジュメのほうが効率的で時間がかからないのでテキストよりレジュメの方がいいかもしれません。そして問題を解く際にはただ漠然と解き進めるのではなく、最初のうちは式の意味、理論背景を意識しながら解くように心がけました。そして、基本的問題が確実に解けるようになったら答練とその復習だけを行っていました。大原の答練は大変よくできていて、応用力が身につくのでよりレベルアップを図りたい人にはお勧めです。《商法》
商法は受験時代を通して最も苦手な科目でした。暗記は確かに苦手ですが、他の科目では理解し暗記することが出来ても、商法だけは理解はできてもなぜか基本論点の暗記が出来ませんでした。そのため、典型的な論点が出てくると、書きたいことがわかっても実際には上手くかけないという状態でした。そこで、苦手を克服するにあたって、なぜ基本論点を暗記できないかを考えたところ、商法は小問で構成されておらず、一問自体が量が多いのにもかかわらず、暗記しようとする際に一問をはじめからまるまる暗記しようとしていたからだという事に気づきました。つまり、はじめは細かいことを覚えようとせずに、文章の項目だけを覚え、そこにあとから細かい知識を肉付けていけばよいのだと気づいたのです。これに気づいてからは商法は基本論点をしっかり書けるようになり、得意ではなかったものの、苦手という意識はなくなりました。Ⅴ 論文直前及び試験期間の過ごし方
前年の論文の経験を通して、今年の論文では次のことを注意しました。短答からの3ヶ月は短いようで意外と長いため、張り切りすぎて息切れしないように気をつける。あくまで自分のペースを守る。
答練は良い点をとるためでなく、あくまで練習と考える。去年私はこの時期に悪い点をとって焦りが出て、スランプに陥ってしまいました。実際に今年は3年目にもかかわらず、直前答練でD判定を取りましたが受かることができました。皆さんも直前期に悪い点をとっても決して気にしないで下さい。
試験の答え合わせは3日間我慢する。2年目は答え合わせをして、自分のミスに気づきそれが気になって後々まで引きずってしまいました。みんな不安であるのは変わりがないので、無理をしてでも「できた」と思ってください。
直前は勉強よりミスの確認。試験の合間に勉強をしても頭に入りません、たとえ入ったとしてもそこが出るとは限りません。それよりは細かいミス、たとえば簿記なら-をつけるのか△をつけるのか注意するといった普段のミスをメモした紙を見ていました。実際にそのおかげで原計の単位の引っ掛けも間違えないですみました。