アモットさん

公認会計士二次試験 2004合格体験記

by アモット

Ⅰ 自己紹介
 はじめまして。私は2004年に公認会計士第2次試験に合格したアモットと申します。私は現在大学4年で22歳、予備校はTACで1,5年本科、受験回数は1回です。以下、私が行った勉強法を述べます。
Ⅱ 基本スタンス
 最初に考えたことは絶対に一回で受かろうということでした。それではどうやったら一回で合格できるか。まず、私は計算が得意、暗記が苦手でしたので、計算科目で点を取って理論の穴を埋めようと考えました。そのため計算7、暗記3くらいの割合で勉強しました。次に、この試験はとにかく量が多いので、単純な暗記には頼らずしっかりと理解にする、ということでした。理解している、とは私はキーとなる言葉が与えられれば自分で文章が作れるようになっていることとしました。そして、暗記は試験直前に必要になればやればいいと考え、短答が終わるまでは暗記のための勉強はしませんでした。また、予備校で与えられるものを全てこなすのは無理だと思ったので、自分で必要ないと思ったものはやりませんでした。

Ⅲ 科目別勉強法
・簿記
 私の簿記の勉強法は新しい論点でもまず問題を解き、分からなかったら解答、教科書を見て理解する、というものでした。最初に問題を解くのは、自分で考える力をつけるためです。また、仕分けのパターンを覚えることはせず、なぜそう処理するのかを理解することに努めました。解く問題は主にアクセスでした。必要だと思うものを多いもので5回くらい、満点が取れるようになるまでやりました。アクセスについては否定的な意見もありますが、私は受けてよかったと思います。それはアクセスをペーズメーカーとして使用できたこと、良問も多く含まれていたこと、計算科目を攻めの科目にしていたことがあるからです。アクセスの問題は難しすぎると言う意見もありますが、最近では本試験の問題が難しくなっており、今年は簿記は同じくらいのレベルだったと思います。
また、私は問題の間違いを2種類に分けました。理解していないから間違った問題と計算ミス等によるケアレスミスです。そして、最初のうちはケアレスミスはしてもよいこととし、理解していないことをなくすことを徹底しました。そして、その後にケアレスミスをつぶしていきました。本試験では110点くらいでした。

・原価計算
原計は近藤先生でした。近藤先生の授業は計算と理論をMIXさせた分かりやすい授業でした。また、答練も比較的本試験に近い良問が多かったと思います。原計はTACで満足できた科目です。勉強法としては、授業でしっかりと理解を行い、アクセスの基本的な良問と思われる8題くらいを回して計算練習を行っていました。答練は本試験に近いので受けた方がいいと思います。ただし、答練を何回も復習すること無意味です。答練は初見で何点取れるか、という問題であり、それが本試験で出ることはないからです。本試験では110点くらいでした。

・経済
経済については一番苦労しました。私は鏡先生を受けていたのですが、あの早口と公式を覚えさせるだけの授業が合わなかったからです。そのため、経済学はほぼ独学でした。ミクロでは教科書で、マクロは中谷巌の「入門マクロ経済学」で勉強しました。しかし、これが結果的に成功しました。独学でしっかり考えることにより経済学の基礎から理解できたからです。
今年の問題は非常に難しかったです。合格者の平均点も40点くらいだと思います。その中で私は80点くらい取れました。これは、経済学の基礎をしっかり理解していたからだと思います。答練は計算を難しくすることによって難易度を上げますが、本試験では経済学を本当に理解しているかを聞いてきます。大事なのは公式を知っているか、ではなく公式の導き方を理解しているか、ということです。

・理論科目
私は理論科目については平均点が取れればいいというスタンスで勉強していました。短答までは理解重視で、テキスト、レジュメを中心に勉強していました。問題を見たときに答えの流れがイメージできるようにしました。そして、短答後に定義の暗記と、答練を3回ほど回しました。
しかし、本試験では経営学以外は失敗しました。失敗した最大の理由は勉強時間が少なく、暗記の量が少なかったことです。理解重視でいってもある程度の暗記は必要でした。
商法では条文をあまり引かなかったため、本試験では失敗し、第十問の問題1問2以降のほとんど間違え、70~80点くらいだと思います。商法で点を取るためにはやはり条文をしっかり引いといた方がいいと思います。
また、私は字を書くのが遅く、財表、監査については時間内に書ききれませんでした。字を書くのが遅い人は気をつけたほうがいいです。

Ⅳ 本試験と答練
 本試験で合格最低点を取ること、これが目標であって、答練でいい成績を取ったところで何の意味もありません。特に理論の問題については答練では教科書を覚えていれば点が取れるような問題が多く出ますが、本試験ではそのような問題はほとんどありません。基礎期の答練では教科書どおりに書かないと点がこない問題がほとんどですが、そういった問題で点が取れる必要はありません。また、答練のための勉強というのもしませんでした。これも目的は本試験であるのだから、答練のための勉強をしても無意味だと考えたからです。そのため、答練の成績は悪かったです。計算科目はB~E判定、理論はほぼE判定でした。
Ⅴ 短答
私は簿記9財表7原計10監査7商法6の39点でした。問題の難度があがったなかで、ボーダーが35点というのは厳しいと思います。短答に特化する必要はないと思いますが、短答用の勉強はするべきだと思います。なぜなら、短答の勉強は広く浅くするものであり、今までの総復習ができるからです。私は短答の勉強は3月くらいから少しずつ始めました。これは周りに比べて早い時期だったと思います。ただし、特化することはなく論文用の勉強もずっと続けていました。問題集は計算はTACの短答式問題集を、理論は大原の肢別チェックを使いました。大原の肢別は論点ごとによくまとまっていて、総復習するのにとても便利でした。
六 総括
以上、長々と書きましたが、私は特別な勉強はしていません。それでも合格できたのは、
絶対に一回で受かると思って勉強したこと、
計算科目でも常にその背景を考えて勉強したこと、
自分にあった戦略で勉強したこと
があったからだと思います。皆さんも自分にあった勉強法を見つけてください。長文を読んで頂きありがとうございました。
 

七 補足~就職活動
 去年に続いて今年も就職難といわれる状況になってしまいました。このことは受験生の皆さんも御存知だと思いますし、気になることだと思いますので、今年の就職状況について書かせてもらいます。
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4大監査法人
 関西では9月に面接があり、そこで決定されます。そのとき全答練の成績が重視されるようです。関東では9月に4大監査法人の説明会があり、11月の合格発表後、面接となります。面接では自己PR、長所短所、今後の会計業界について、コクド等の時事問題、監査人の独立性等聞かれました。面接対策は十分にやっておいた方がいいと思います。今年は4大監査法人で1000人くらい採用したようです。
 
その他の監査法人、会計事務所
有名な中堅監査法人は9,10月に面接を行います。そのため、中堅の有名な監査法人に行きたい人はこの時期に就活をしなければなりません。また、中小の監査法人、会計事務所は4大監査法人の面接に落ちた人が殺到するのでかなり厳しいです。
 
一般企業
今年からTACが一般企業への紹介を始めました。これには大手銀行、証券会社、コンサル、一般企業の経理、財務部等があり、100人ほどの求人がありました。待遇は新卒と同じ扱いのところから資格を考慮して監査法人と同程度のところ、補習所の考慮の有無まで色々です。企業によってはかなり高い評価を与えてくれているところもありました。しかし、合格者は監査法人希望者が多く、求人の方が上回っているようです。私はこれを利用して一般企業へ就職がしました。

以上就職に関して厳しいということを書きましたが、1月現在ではほぼ全ての人は就職が決まっているようです。確かに昔のように合格すれば無条件で監査法人に入れる時代は終わりました。しかし、公認会計士に対するニーズは監査法人以外でも多々あります。合格して就職できないということはありません。就職難とはいわれますが、そんなことは心配せず勉強をがんばってください。


(スポック注:就職戦線は年毎に変化しますので、ご自分での情報収集も忘れないようにしてください)