在学中合格、ヤンさんの合格体験記

公認会計士合格体験記
目次
・始めに
・総論
・各論(入門期、上級期、直前期)
・各科目
・結び

・始めに

 合格体験記を読んでいただきありがとうございます。まず初めに私(ヤン)の基本情報について書いていきたいと思います。

 関西の私立大学に通う(関関同立)文系の大学生で1回生の2019年の11月ごろから勉強を始めて2021年の5月の短答に一発合格し、その後2021年の論文に不合格、2022年の論文で合格し、4回生のうちに学内合格をすることができました。

 所属していた予備校は大原で教材も公開模試以外は大原の教材のみしか使用しておりません。通学で勉強を行っていました。
今回はまだ記憶に新しい論文式試験に対する勉強法や勉強以外の試験に受かるためにしていたこと等をお伝え出来たらと思っています。

 ちなみに、合格した時の模試の成績は大原模試1回目が60位台、2回目が70位台でしたので大原の方はもちろん他の予備校の方もこの方法いいなと思ったものがあったら参考にしていただけると幸いです。

 合格体験記の流れとしては、総論で勉強期間を通じて自分が勉強中と普段の生活から意識していたことと、自分が合格できたことに大きくかかわっていると個人的に考えている事項をいくつか紹介していきます。その後、各論で入門期、上級期、直前期に分けて何に重きを置いて勉強をしていたかを説明し、最後に科目ごとの勉強法について説明していきます。

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・会計士を目指した動機

学内の公認会計士の講座があったので大学在学中に何か一つ大きなことをやり遂げたいと思って公認会計士の学内合格を目指しました。

・総論

 ここではまず勉強期間を通じて自分が勉強中と普段の生活から意識していたことから説明していきたいと思います。

 普段の勉強中から意識していたことはいかに効率的に勉強時間を減らして確実に受かることができる実力をつけるかです。
 実際、私は一日7~8時間勉強で週50時間を目標に勉強をしており最大でも10時間の勉強が限界でした。

 予備校や会計士のtwitter界隈では長い時間勉強するのが必勝法のような風潮がありますが、私は必ずしも会計士試験が長時間勉強しなければ受からないような試験であるとは思いません。(最低限の時間は必要です。)

 長時間勉強は受かるための有効な方法の一つではありますが、自分がそうであるように人によっては10時間以上勉強できない人もいますし、また、長時間の勉強時間を確保できない方もいらっしゃると思います。何より長時間勉強は苦痛を伴うことも多く、長いスパンで勉強しなければならない会計士試験では自分が続けられるペースで勉強していくことが大事だと考えます。

 では、具体的にどのように勉強時間を減らしながら成績を上げるかについてですが、私は大きく二つの方法を取り入れました。
一つが、「音読」もう一つが「ミスノートを作る」です。

 まず「音読」についてですが、これは科目別のところで詳しくお話しますが、主に財務と管理の理論と監査論で取り入れており大幅な時間削減になったと考えています。音読が時間削減につながっていると考える理由についてまず、論証を覚える際に、覚える方法としてテキストを読む、論証を書く、声に出して読む方法等があります。

 テキストを読むだけで論証が覚えられる方はごく少数だと思うので、ほとんどの方は論証を覚えるときに論証を書くか、声に出して読むことをしなければなりません。

 そうなると、単純に1文字書くのと1文字読むのでは速度が桁違いで、これが文章になると1つの論証を1周するだけでもかかる時間は読む方が圧倒的に早く済みます。よって論証を覚える際に音読をすることによって大幅に時間を削減できます

 続いて、「ミスノートを作る」についてですが、これは効率的に成績を上げるためにとても効果的な方法です。

 効率的に成績を上げるために最も必要なことは同じミスをできるだけしないことだと思います。同じミスを二度としないと書かなかったのは、自分がどれだけ気を付けても同じミスをしないことはできなかったからです。同じミスをその先二度としない方法があったら是非その方法をのちの合格体験記で是非残してあげてください(笑)。

 話は逸れましたが、ミスノートを作り定期的に(できれば毎日)見返すことで自分のしたミスを思い出すことができ次に同じような問題が出たときに正答できる確率が高まって効率的に成績を上げることができます。これらが勉強時間を減らしながら成績を上げる方法でした。

 続いて、普段の生活から意識していたことは「ちゃんと寝ること」「体の異変を感じたらすぐ休む」ことです。

 ふざけていると思われるかもしれませんが、常に一定のコンディションで勉強するためには必要不可欠なことだと思っています。「ちゃんと寝ること」について私は意識的に午後11時までに寝ることと7~8時間寝ることを徹底していました。ちゃんと寝ることによって勉強の充実度が大幅に高まっていると感じており、あまり寝られなかった日に比べて集中できる時間が長くなっているように感じました。

 集中している時間が長くなれば結果的に必要な勉強時間を減らすことができ、早く帰って早く寝て次の日も長時間集中できるという良いループが出来上がります。したがって勉強の効率を上げるために「ちゃんと寝ること」は必要だと考えます。

 続いて、「体の異変を感じたらすぐ休む」についてですが、これも会計士試験が長期のスパンの試験であることを考えれば、当然のことです。1日無理して勉強して、あまり進捗もよくなく、さらに体調悪化させるぐらいなら体調不良の時は休憩もかねて潔く休んでしまう方がいいというのが私の考えです。このように普段の生活からいかにペースを崩さずに勉強できるかを意識することで無理なく勉強しながら合格できたと思っています。

・大学との勉強とのバランス

会計士の勉強と大学の勉強のバランスについて、基本的には会計士の勉強を優先し、会計士の勉強につかれたときに気分転換に大学の課題を終わらせるようにしていました。日曜日は予備校が17:00で閉校だったので、17:00から大学に戻って一気に課題を終わらせて、両立していました。4回生で必ず受かりたかったので、3回生のうちに単位を取り終え、2回目の論文式試験の期間はゼミ以外には学校には通わず、会計士の勉強に専念していました。サークル活動については、1回生のうちは参加していましたが、勉強が切羽詰まってきたので2回生になるころには参加しなくなりました。

各論

 各論では入門期、上級期、直前期に意識していたことや勉強法について書いていきたいと思います。

 私は2回目の論文式試験で合格しているので論文式試験が終わった後の9月~2月を入門期、3月から5月を上級期、6月から8月を直前期とさせていただきます。また各論に関しては、初学者の方には申し訳ありませんが、過年度生よりの内容になってしまうことをご承知おきください。

 まず入門期に意識していたことは大きく分けて2つで「現時点でわからないところをなくす」ことと、「会計学、租税法の計算の基礎をしっかり固める」ことです。

 「現時点でわからないことをなくす」ことをなぜ入門期にやるのかについて、上級期、直前期になると演習やら暗記やらでやることが増えてくるので大事な時間を演習の復習や暗記に時間を当てるため、余裕のある入門期の間にわからないことをなくしておきます。

 「現時点」でわからないところをなくしておけば十分で、勉強が進んでいけばまたわからないところがたくさん出て来ますが、それらはその都度考えるなり、講師に質問するなりして解決してください。

 続いて「会計学、租税法の計算の基礎をしっかり固める」ことについてですが、入門期の特に12月中旬までが過年度生にとって計算の力を初学者と離せるチャンスなので過年度生の方はまだ試験まで長いからとさぼらずに徹底的に計算の基礎を固めてください。

 続いて上級期に意識していたことは「自分の得意科目、苦手科目を客観的に認識してバランスよく成績がとれるように勉強する」ことです。
 論文式試験により確実に受かるためには苦手な科目をできるだけなくしてバランスよく点数をとる必要があります。バランスよくとは言いますがここでは得意科目はあまり勉強しないという意味ではなく苦手科目をこの時期に重点的に勉強した方がいいという意味でとらえてください。

 直前期は暗記項目を全教科まんべんなく触ることになるので苦手な科目に重点的に時間をさけるのはこのタイミングが最後になります。なので、自分が点数とれていない教科を普段の答練や模試で確認し、重点的にこの時期に勉強してください。

 直前期に苦手科目がなくなっていることがベストです。また、財務や企業法の論証を本格的に暗記し始めたのもこのころです。入門期は理解を重視し、暗記する箇所を極力少なくすることを意識していたのでちゃんとした暗記は上級期からでした。

 最後の直前期になりますが、直前期に意識していたことは「本当に必要な範囲だけ勉強して無理しない」ということです。
 直前期になればなるほどC論点や枝葉の論点が気になってきますが、正直、緊張している試験中に付け焼刃で身に着けた知識を活かせるかは怪しいところで、また、難しい論点を外してもあまり差はつきません。むしろ論文式試験で一番やってはいけないことはみんなが解ける論点を外すことです。

 このことを考えれば直前期に優先すべきことは頻出論点や予備校が模試で出している簡単な論点を確実に解けるようにすることです。このことを踏まえれば自ずと「本当に必要な範囲だけ勉強する」ことの必要性がわかると思います。直前期は無理して詰め込みがちですが、それが原因で体を壊しては元も子もありません。本当に必要な勉強だけして体調に気を使いながら勉強することが直前期のポイントだと思います。

各科目

 ここでは監査論、租税法、会計学(財務会計論、管理会計論)、企業法、経営学に分けて勉強法を書いていこうと思います。

監査論

 まず監査論についてですが、監査論については問題集の典型論点については暗記し、テキストの論点については「目次を見てその論点を思いだす」勉強を行っていました。

 「目次を見てその論点を思い出す」勉強について、最初の方は1つの単元のテキストを読んでから(重要戦の基準値、四半期レビュー等)テキストを閉じて、目次に書いてある箇所の説明ができるか確認します。

 説明できない箇所が出てきたら、再びテキストを見て確認します。この作業を単元ごとに何周もします。テキストを読んでから目次の説明ができるようになったら次はテキストを確認せずに目次だけを見て内容を思い出せるか確認します。最初は全然思い出せないと思いますが、1単元一通り考えてみてからわからなかったところをテキストで確認します。

 これを試験本番までひたすら繰り返していました。

租税法

 租税法については、これといって特徴のある勉強法はなく、計算、理論ともに講義を一通り、受けて問題集や答練で間違えたこところをできるようになるまで復習していました。租税の計算は勉強時間を掛ければかけるほど点数が上がるので過年度の方は租税の計算を武器にするのがおすすめです。

会計学

 会計学についてまず財務、管理に共通していえることですが、まず基礎的なところを徹底的に固めるのがおすすめです。
 会計学を科目合格レベルに持っていければ合格可能性は大きく高まります。会計学を科目合格(偏差値56)レベルに持っていくために必要なことは、難しい論点を解けるようになることではなく、基礎的な論点を確実に正答することです。

 そのため初学者の方も過年度の方も論文の頻出論点の基礎的な問題の正答率を上げることをまずは目指しましょう。勉強法は計算に関しては、答練で間違えたところの復習と、基礎的な問題の反復が中心です。理論に関しては、基礎期で理解を深めて、丸暗記をする部分をできるだけ減らし、上級期、直前期で論証を覚えていきます。

企業法

 企業法については論証が思い出せるかの作業を繰り返すこととテキストを読み込んでどんな論点があるのかを確認して内容を理解することが中心なのですが、企業法は覚えるのにも論証を書きだすのにもとても時間がかかります。

 そこで、上述したように、主要な論証のキーワード(ex競業取引の定義等)は慣れてきたら書き出すのではなく、頭で思い出せるかだけを確認して手を使うのは条文操作だけにすれば大幅に時間短縮になります。どうしても論文は企業法にかける時間が多くなると思うので少しでも自分なりの方法で効率よく勉強できる方法を確立する必要があると思います。

経営学

 最後に経営学についてですが、僕は数学が得意ではなかったので理論は人より手を広げて、計算は会計学と同様、基礎的な問題は絶対解けるように準備するようにしていました。
勉強法は理論の方はひたすらテキストを読み込み、計算は基礎レベルの答練をひたすら繰り返していました。

一回目の論文の反省点・

 2021年は5月の短答一発勝負で、一発で受かるには、ゴッパチしか道がなかったのですが、私は、短答の勉強で精いっぱいでした。なので、1回目の論文はあきらめており、ラッキーで受かればいいなぐらいの気持ちでした。

 今思うと、1回目の論文は落ちることが分かっていたため、2回目の論文へ向けての勉強が早く始められたので結果的には悪くなかったなと思っています。

 9月に始めた理由はアドバンテージをとりたいというのはもちろんありましたが、それよりも論文式試験の対策をほぼしていない状態で3か月休むと、次年度の短答合格者の計算力に追いつくとこから始まることになり、やらないと大きなディスアドバンテージをとると思ったからです。ですので、もしこの記事を読んでくださっている方の中で確実に落ちているなと感じている論文生の方がいらっしゃれば、ぜひ早めに論文対策を始めてください。

結び

 合格体験記を読んでいただきありがとうございました。
 合格するために僕が伝えたいことは2点で「規則正しい生活を送ること」と「計算を人よりできるようにしておくこと」です。

 結びは令和4年の論文式試験の成績表がかえってきた後に書いているのですが、予備校の模試の成績と比べて計算はあまり変わらず、理論は大きくブレがある印象です(個人的な意見です。)。

 実際私は模試までは監査、企業の理論科目を得意としていたのですが、本番ではそれぞれ偏差値、51、45と大幅に下がり結果的には計算科目に助けられた結果となりました。この経験を踏まえて皆さんにはぜひとも計算を得意にしていただきたいと思います。論文式試験の勉強はつらいこともあると思いますが、頑張ってください!

短答合格時の成績

2021年第二回 短答式試験

企業法 75 (75%)
管理会計論 34 (34%)
監査論 80 (80%)
財務会計論 156 (78%)
合計69%
(ボーダー62%)

論文成績

会計学 58,38

1素点23 偏差値49,5
2素点17 偏差値62,1
3素点52.5 偏差値64,17
4素点36,5 偏差値 64,79
5素点27,5 偏差値50,71

会計学は管理会計のできなそうな問題の見極めが早くできたため、模試と同様にいい成績がとれたと考えています。財務会計論も第3問は簡単な部類の年だったと思いますが、計算はほとんどミスなく正解できたので大きなアドバンテージをとることができました。
開示答案 会計学 午前 管理会計
開示答案 会計学 午後 財務会計

監査論 51,55

1素点21 偏差値53,2
2素点11,5 偏差値49,9

本番のこの成績が返ってくるまでは、監査論が一番得意だと思っていたのですが、いざ成績が返ってくると全然そんなことはありませんでした。ここでアドバンテージをとる予定だったので少し予定外でした。
開示答案 監査論

企業法 45,3

1素点12,5 偏差値46,6
2素点6 偏差値44

企業法の第1問はキーの条文を2つとも外し、2-2は全くわからないまま文章を書いたため、このような偏差値となりました。ポジティブに考えれば、これだけ外していても何か文章を書けば足切りは免れられるということなので、これから受験される方はわからなくてもあきらめずに何か考えて文章を書いてほしいなと思います。
開示答案 企業法

租税法 54,55

1素点17,5 偏差値51,63
2素点36 偏差値56,5

租税法は理論、計算ともに終了後、ふわふわしたまま終わりましたが、今年は消費税が例年に比べて簡単だったため、何とか救われました。
開示答案 租税法

経営学 55,6

1素点36 偏差値55,8
2素点28 偏差値55,4

経営学は作戦勝ちでした。理論は予備校のテキストに載っている内容が多めで、計算も2021年のものに比べて基礎的な問題が多かったため、経営学の計算が苦手な私でも科目合格近くまでもっていくことができました。
開示答案 経営学

監査論科目合格+一括合格、えびふらいさんの合格体験記

公認会計士試験の難易度を甘く見たまま専門学校に申し込んでしまった、えびふらいさん。1年目はサボってしまったものの、立て直しての合格。「本当に次で受かりたいなら最初から本気で取り組むこと」という、えびふらいさんのモチベ維持、勉強法の修正法エッセンスがたくさん入っています。

監査論科目合格者の勉強法は監査論苦手の受験生の役に立つでしょう。
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自己紹介

こんにちは、ニックネーム「えびふらい」と言います!
まず初めに、簡単に自己紹介をさせていただきます。
  • 出身大学/学部:東北大学/経済学部
  • 年齢:23歳(既卒1年目)
  • 学習環境:在学中に学習開始、一人暮らし、バイトなし、体育部所属(2019.2~2022.3)→既卒学習専念、一人暮らし、バイトなし(2022.3~8)
  • 受験状況
   短答:2019.12短答✕ 2020.8短答✕ 2021.5短答◯
   論文:              2021.8論文✕ 2022.8論文◯
   ※短答に2回落ち、論文にも1回落ちています。
・予備校:TAC(通学+web)

合格時の成績2022
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監査論科目合格時の成績
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