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9ヶ月の勉強期間で、168位合格、という驚異の成績。東京大学卒だから俺には参考にならない、などと思わず、勉強強者の考え方を知ることは有用であると思います。
東大卒無職が9か月で公認会計士試験を突破した記録
duckさんのツイッター
さて、短期合格に必要なこと、もっと言えば合格するために必要なことになりますが、一言でいうならば
『自分の合格に必要なこと以外はしない』
ということに尽きると考えています。これは『予備校や合格者からの情報を鵜呑みにしない』と言い換えられるかもしれません。
勉強期間1年8ヶ月、社会人ゴッパチ短期合格の太郎丸さんの合格体験記。社会人受験生には大いに役に立つものと思います。
大学卒業後新卒で事業会社に就職、数年間勤務後、公認会計士試験を目指し、会計事務所に転職。働きながら勉強し2年弱で合格。
2021年1月より公認会計士試験勉強を開始(簿記2級程度の知識と経理実務経験あり)
2021年12月短答式試験不合格、2022年5月短答式試験合格、2022年8月論文式試験合格。

年齢:20代後半 予備校:CPA会計学院通信校
得意科目:管理会計、監査論
苦手科目:特になし(12月短答までは財務計算)
公認会計士を目指した理由:
会社・組織のために与えられた業務に取り組むというよりもっと自分自身に軸をもって1プレイヤーとして働いていきたいと考えたため。一方で自分の地頭と能力だけを頼りにコンサルや外資にそのまま転職して勝負していくのは不安があったため資格を取って軸を作ろうと考えた。会計士資格は集中すれば短期で取得可能でありその後の選択肢も広いことから決めた。
今から公認会計士をめざそうという大学生の方は多くの体験記がネットにもありますし、周りに聞ける方もたくさんいるかと思いますので、私は社会人になって会計士を目指そうと考えている方向けという形で書きたいと思います。
また勉強方法に関しては後半で書きますが基本的に専門学校が想定する勉強方法に則り特別なことをやったという意識はありません。
そのため、「勉強をはじめるに当たっての心構え」と「社会人としていかに勉強する環境をつくっていくか」という部分を中心に書いて行きたいと思います。
また、よくNoteなどでみる体験談風の武勇伝や合格者としてのポジショントークにならないよう最大限客観的に書くよう注意しますが、あくまで一個人の体験でしかないという点に関してはご容赦いただきますよう、お願い致します。
令和4年公認会計士試験の合格率は7.7%、そのなかで社会人の合格率は2.9%にとどまっています。
まず一般論として理解していておくべきなのは、社会人を続けながらの受験は学生や専念にくらべ遥かに大変ということです。
一方で公認会計士試験そのものは多くの諸先輩方が語っているように「やればできる試験」です。
特別なひらめきや自頭を要する選ばれた人にのみ合格できる試験ではなく、時間をかけて基礎を積み重ねれば合格できる試験です。その点に関しては実際に試験を受けた私も大いに同意しています。
そのため働きながらの受験を目指す場合の基本方針はいかに勉強時間を最大化するかであると私は考えています。
特別な勉強方法をすれば普通の受験生の半分の時間で覚えられるなどの魔法はありません。常に勉強方法を見直し効率化を図るのは当然としても、効率だけでは時間は補うことはできないというのは勉強を始める上で肝に銘じるべきだと思います。
学生であれば勉強時間を増やすために重要なのは動機づけなどのモチベーションの部分のように思います。つまり勉強以外の時間、遊びやダラダラする時間を削れば自ずと勉強時間は確保できます。
一方で社会人は日中の多くの時間を自分ではコントロールできません。社会人である以上、勉強の最大の障害はいうまでもなく働いている事自体です。
そもそもになりますが、社会人で会計士を今から目指している方がいればよく考えていただきたいのは、本当に今の仕事を続ける必要があるかということです。
公認会計士を取った後はほぼ100%現在の仕事は辞め監査法人への就職を目指すはずです。金銭的な理由であるなら会計事務所や税理士法人など関連する業種でアルバイトでも経験を積みながら働けないか、現在の仕事への想いが理由なら会計士を選ぶ必要があるのか、その点は勉強を始める前に整理するべきだと思います。
そのなかで会計士にならなくても働けている環境から、働きながら勉強することを前提とした環境に変えるのは有効な手段です。
自分の場合は、「前職の事業会社では時間の確保が不可能」・「少しでも合格後に向けて経験を積みたかった」・「最短でも1年半以上かかることから専念するにはやや長いと感じた」、等の理由から会計事務所に転職し勉強を行っていました。
事実、データでみても会計事務所員の合格率は学生の10%に次ぐ9.4%、合格者数も会社員94人に対し72人と同じ選択している人は少なくないようです。
前段が長がったですがここから勉強の話をしていきたいと思います。
最初の方にも書きましたが私の基本方針は、質だけでは時間を補えないということです。予備校ごとの教材や講師の違いは気になるところですし、事実私も直前期は他予備校の模試なども受けましたが、何をやるか・どのようにやるかは程度の差でしかなく、結局のところ勉強において大事なのは覚えるまでやりきれるかに尽きます。
とはいえ、これではあまりに乱暴なので私が勉強する上で意識していたことを整理して行きたいと思います。
自分は始めた時期が若干遅く、通信生だったことからとにかく大量の講義のビデオを見るのがまず優先でした。仕事後夜に講義受講・復習して翌日計算・復習というサイクルで進めていたように思います。再生速度は1.5~2倍で流していました。
理解できなくなるのは話す速度についていけなくなるから起こるのではなく、理論の展開に追いつけないときに起こるものだと思うので早めで流し疑問に思ったら少し戻すというのをおすすめします。
この時点では完璧を目指すのではなくある程度理解したら次々見ていくので問題ありません。ただ理論に関しては勉強しているうちにその科目特有の考え方がわかってきて、以前はピンとこなかったものが理解できるようになるということがありますが、計算に関しては分からないものは分からないままです。そのため、理解の穴は作らないようにするのは意識すべきです。
今振り返って1点だけ後悔していることがあるとすれば財務・管理の計算演習を講義一巡後あまりしなかったことです。
すぐに企業、監査の講義に進み計算をやり込まなかった点は明確に失敗でした。計算・理論のどっちで点数を引っ張るかは戦略次第ですが計算に不安を抱えた状況は避けたほうがいいかと思います。
計算だけで一日かけるような勉強ができるのは財務・管理の終了後の期間なのでここは計算を集中するべきというのが私からのアドバイスです。事実12月短答式試験の不合格の最大の要因は財務計算でした。
12月の不合格を計算の演習不足と原因付け、5月の短答までは計算は定期的にやりながら論文の勉強を中心に行っていました。
おそらくここでどこまで論文に比重をおくかは5月-8月合格の上で難しい部分かと思います。
私の経験で言えば、ノータッチの範囲があるというレベルでなく多少基礎の理解に不安があるという程度であれば論文に集中するのがいいかと思います。
間違いなく企業・監査・財務理論に関しては論文の勉強をすること自体が理解を深めるのに役立ちます。また企業・監査は論文の書き方にお作法のようなものがあり、早い段階でなれておいたほうがいいです。これは5月の短答式後に集中してやるというのではかなり厳しいものと思います。またいずれの科目も理解の根底には暗記があるので、論文を勉強することと短答レベルの知識を維持することはそれほど異なる作業ではありません。
また租税に関しても5月までに理論以外の範囲は終わらせていました。もちろん短答に特化する期間のうちに忘れるのですが講義を見終えておくのは精神的には大きなアドバンテージになります。
5月の試験を前にどの段階で短答に特化するかはチキンレースのような部分があるかと思います。
論文の勉強を続けるほど、次の8月の可能性は高まりますが5月の試験を受からないことには次はありません。
自分の場合は、1ヶ月前に租税は終了、財務の理論は1ヶ月前から知識重視、企業法・監査は2週間前から短答問題集をやり直し、原価計算基準は1週間前からという大まかなスケジュールでした。
この頃には計算にすでにある程度自信があったため理論の細かい部分までやらないといけないという強迫観念がなくギリギリまで論文の教材を使いながら短答も意識するという勉強方法でした。都度短答式の答練があるのでその結果を踏まえ切り替える時期は探ることになるかと思います。
ここから租税の理論及び選択科目の経営学の勉強、並行してやっていなかった答練の提出を行っていました。このあたりから電卓をたたくような計算演習は答練以外ではほとんどしていませんでした。答練で解くときも時間配分やメモの精度などの見直しを中心に行っていました。逆にいうとこの短答までに計算の習熟度は論文を見据えたレベルまで上げておくのが重要と思います。
理論科目に関しては過度に体裁に拘り過ぎないのが重要だと思います。模範解答のレベル感を目指すとなるといくら時間があっても足りませんし、最優先は論点を抑え込むことです。もちろん最低限の論理的な文章の展開はパターン化すべきですが、この点は日々業務で文書の作成に慣れている社会人であれば学生に対してアドバンテージを取れる部分かと思います。
社会人で5-8というとかなりハードなイメージもあるかと思われますが感覚としては時間が足りないというのはありませんでした。もちろん数ヶ月余分にあればより精度の高い記憶ができたようには思いますが、ここから先の伸びはかなり緩やかだろうというのが実感でした。
短答・論文:財務の計算は最も短答・論文で勉強方法に違いがないものかと思います。
全体を占める割合も大きく中心となる科目のため、予備校からかなり細かく勉強方法の指示があるかと思いますが、問題集の例題を中心に反復していくことになります。
まとめのノートをつくるべきかというのは意見が分かれるところかと思いますが私の場合は論点ごとに計算時の下書き集を作っていました。慣れてきたら電卓は叩かずに頭で計算するのみの勉強をするのも良いですが、下書きの書き方はパターン化していつでも迷わずかける状態にするのが重要です。
問題文を読むというより、問題を見た瞬間にその論点に関連して解くのに必要な条件を探して拾い、下書きのパターンに落とし込んでいくというイメージが理想かと思います。仕訳に関しては仕訳を覚え込むというより、どこの条件の変化がBS,PLの各勘定科目にどういうインパクト与えるかを把握しておくというのが重要です。
論文に向けてという部分では論文になると、最短で答えだけ出す短答と違い中問のなかにいくつか小問がある形式になるため下書きの書き方を少し見直すというところだと思います。
くだらないところでは、当初はシャーペンで問題を解いていたのですが、読みにくさからフリクションの3色に変えたところ視認性があがり下書きの精度が上がりました。
短答:講義受講後、12月短答まではコンサマ(予備校の論点まとめ用の小型テキスト)を中心に短答問題集を回していました。短答レベルでは体系的な理解は不要なため暗記科目という理解でいいと思います。
というよりある程度暗記して知識が定着することで体系的な部分が見えてくるのでそのなかで「つまりこういうことでは?」、「この基準とこの基準で同じ考え方をしているな」と理解を深めテキストと予備校への質問で方向を修正するということでいいと思います。
論文:論文に関しても求められる水準は高くなく典型論点をどれだけ抑えているかになります。勉強法は短答と同様に各基準の理解、似た基準間でのつながりを意識という流れです。ただ論文用の問題集というのが結構各基準の論点を把握し理解するのに便利で、5月の短答に向けてはかなり直前まで論文問題集を回していました。
短答・論文:管理会計は受験戦略上で言えばコスパの悪い科目です。短答では100%解ききれない量の計算問題が出ますし、論文も解ききることより時間配分に気をつけて効率よく点数を拾うことが重要になります。
ただしそのような他科目とのバランスや力の入れ方を意識するのはせいぜい全科目が1周終わり直前期の答練が始まった時期で十分です。なぜなら、管理は財務以上に計算に慣れが重要でありそのためには初期はある程度集中的にやったほうが効率は良いためです。管理で稼ぐというような戦略はリスクがありますが、少なくとも点数が少ないからと苦手意識をもったまま望むのは避けたいです。
勉強方法に関しては財務の計算と同様に自分なりの下書きのパターンに落とし込むという点は同じで、その点では下書き集も有用だと思います。財務計算との違いでいうと管理会計の場合は、より細かいところで足すのか引くのか、どの数値を使うのかなどの判断が多くなります。
そのため財務のように例題ですべてのパターンを毎度練習するのは極めて効率が悪くなります。予備校の論点まとめなどを使った、手を動かさない頭のなかでのパターンの精緻化は定期的に行うのが重要です。
また、キャッシュフローや総合原価計算などの短答の計算ではほとんど使わないが論文では使う論点の習熟をどこまでやるかという点ですが、私としては全範囲終わったあとでも早いタイミングで一度は習熟しておくべきだと思います。そうしないとそもそも講義を受けた意味がないですし、理解したけど忘れたものをやり直すのと短答で切った論点を後でやるのでは全く意味合いが違うためです。
短答・論文ともに理論は範囲が多くないためやるべきことはほとんど迷わないかと思います。
短答:短答の段階で条文をどこまでみるかというところですが私としては不要だと思います。というより短答の段階で条文をみたところで、実際に自分で記述する段階にならないと条文の重要性を理解できないように思います。短答の注意点としては短答問題集にこだわらないという点です。よく短答での定番の引っ掛け方まで覚えると聞きますがあればやりすぎだと思います。基本はテキストを読み込んで体系的に理解することがはるかに重要です。
論文:論文対策は仮に12月で落ちても早い段階で必ずやるべきだと思います。企業法そのものへの理解度がはるかに上がりますし5月の短答にも良い影響があるように思います。まず手を付けるべきは典型論点の理解です。完全に覚えられなくとも論点を知らないなかでは記述の書き方や解説の講義もほとんど理解できないかと思うので、少なくともどの典型論点に紐づいているか問題をみて分かる程度にはまずやるべきかと思います。
短答:短答の監査は、最も理解から解ける状態までの差が少ない科目であると思っています。講義が終わって2周程度し理解ができていれば短答問題集をやってなくとも試験問題が解けるはずです。そのため企業法同様に基本はテキストになります。テキストを読む際は漫然と文章を読むのでなく、よく言われることですが次のことを思い出しながら点と点を結びつける意識が重要です。
論文:企業のように論文で大きく変わるということはなく基本テキスト中心でやっていきます。その際にテキストの表現のまま理解していくというのを意識していました。つまり、難しい表現を自分なりの言葉で表現できるようになるのも理解の一つのですが最終的に目指すのは難しい概念を監査特有の難しい表現で説明できるようになるということです。そのため読み下して理解するのも最初は重要ですが、徐々にその監査特有の表現に違和感がないように理解して行くのが重要です。
租税は全体像の把握が一番大変な科目です。一つの考え方に基づいて説明できるのではなくとにかく例外の例外が多く論点ごとの個別性が高いです。そのため短いスパンで反復していくことが重要になります。
私が他の計算科目以上に意識していたのは覚えることの濃淡です。管理の計算などは細かい部分で曖昧なところがあると計算を解く上で一切数字が合わなくなるため比較的細かい部分も覚える以上は完璧にする必要があります。
一方で租税は問題が独立して点数が取れる部分が多いため、細かいところは捨てても総崩れのようにはなりません。そのためテキストを高頻度で反復すべきこと、計算演習通じ下書きのパターンで覚えること、直前に確認しておくことに分けて少ない時間で回転できる状況を作っておくのが重要です。
どこかで聞いた話の受け売りですが、結果を出すために重要な要素は、
①環境を変えること、
②時間の使い方を変えること、
③付き合う人を変えること
の3つ、最も結果につながらないのは意識を変えること、だそうです。
社会人で会計士を目指す場合、勉強以前の部分でその成功は大きく左右されるように思います。どこまで合格のためにリスクを取れるのかきちんと見極めたら後は、淡々と日々こなして行くだけです。この記事がこれから目指される方の一助になることを願っています。
働きながら会計士を目指される方で転職や働く環境を変えたいと思われるかたは以下が多少参考になるかもしれません。
・CPA会計学院:受講生向けにアルバイトや契約社員などの案内を積極的に行っています。一度校舎で話を聞けばそのような紹介やアドバイスがあるかもしれません。
・マイナビ会計士:公認会計士でなく勉強中の方であっても求人の案内などがあると聞いていいます。
・EYトレーニー採用:大手ではおそらく唯一、短答合格以前の無資格での採用があります。かなり倍率は厳しいと聞きますが環境的には一番恵まれていると思います。
・USCPA:監査業界が人手不足ということもありUSCPAであっても現在であれば監査法人への転職は現在容易です。会社を辞めるほどのリスクは取れないという場合、比較的取得の時間がかからず場合によっては社内でのキャリアアップにも有用なUSCPAは選択肢になると思います。また会計士に対して格落ちのイメージを持っている人もいるかも知れませんが、会計方面にキャリアチェンジするという意味では十分な資格だと思います。
試験直後の実感と成績通知の得点率、また開示された素点でかなり感覚に差異がありました。原因としては、あっているつもりだった計算がかなり外れていたことと、手応えのなかった理論問題で思ったより点数が来ていたことです。
このあたりの得点の感覚は、理想をいえば勉強中から講師やチューターへの質問や受験生全体のレベル感を把握することで身につけられれば最高ですが、実際には難しいのではないかと思います。
特に記述に関して、本試験は良く言えばこっちの趣旨を読み取ってかなり好意的につけてくれたような印象です。予備校ではテキストにいかに沿って記述するかに拘りかちですが、実際は大筋を押さえて構成が破綻していなければ十分加点されているように感じました(予備校ごとにテキストは違うので当然いえば当然ではありますが)
結果として本来想定していた全ての科目で安定させ大きく取りこぼさないという方針とは異なる、大きく稼いだ科目で計算の穴を埋めるという形になってしまいました。安定して合格したい人は計算で絶対取りこぼさないことを目指すべきだと思います。
焦りから検算よりも時間一杯計算問題に時間を費やしてしまったが、結果としては比較的計算で稼ぐことが出来た。
開示答案 会計学 午前(管理会計)
管理会計が時間配分に成功した一方こちらは完全に時間配分を誤った。初見の問題や方向性が見えない記述に時間を費やしすぎ落としてはならない計算を落とすことになった。
開示答案 会計学 午後(財務会計)
実感に反して点数が上ブレした。四半期に関しての第2問はもちろん、典型問題に関してもさほど高い精度で書けたとは思わなかったが点数を見る限り要点は押さえていたのだと思う。相対試験であるという意味を最も感じた。
開示答案 監査論
どちらも見覚えのある問題であり、その点は正直予備校選びの運が良かった面もあると思う。第2問は終了間際に大幅に結論を変えて書き直してしまい、結果として点を落としてしまった。
開示答案 企業法
試験直後の実感では租税が一番できているはずだった。解きながら手応えがある分、検算がおざなりになったのだと思う。中途半端な計算の習熟度は過信を生み、試験上もっとも怖いと感じた。
開示答案 租税法
結論からいえば直前期に時間をかけすぎたのだと思う。あまり稼げている実感はなかった。
開示答案 経営学
在学中1年6ヶ月での短期合格。何かを選択する、ということは、他の何かを諦めること。たこ焼きさんは、休学という選択をして、合格可能性を高める選択をしました。
奇をてらわないベーシックな勉強法ですが、それを徹底することが大事だということがよくわかる体験記となっています。
ペンネーム:たこ焼き
受験回数:1回
年齢:23歳
予備校:CPA
こんにちは、たこ焼きです!
まずは、私が会計士を目指した理由から簡単に話します。
私が、仕事を選ぶ上で大事にしたかったのが育児との両立と、年収の高さです。
会計士なら、出産後でも職場復帰がしやすい、また非常勤でも1日5万円ほどもらえることを知り、自分が求めていたものにピッタリでした。
そういう理由から、会計士を目指そうと思い、2021年の2月にCPAに入り、2021年の12月短答に合格し、2022年8月論文に合格しました。
ちなみに、勉強を始めた当時は簿記すら触れたことがありませんでした。
また、私は怠惰な人間なので、1日10時間とかは勉強できなかったですし、塾の自習室に最後までいることも出来なかったです。
それでも、最低限の勉強で合格を勝ち取ったと自負しているので、勉強法1つでも受験生の役にたてばいいなと思い、自身の受験生活を振り返って行こうと思います。
私は上位合格を狙うというよりかは、最低限の勉強量で合格したいという気持ちが強かったので、そういう方に参考にしていただきたいです!
また、私は卒論が厳しめの学部に所属していたため、大学との両立は厳しいと思い、短答の4ヶ月前から1年間休学をしていました。
論文の時期も休学と被っていたため、ほぼ専念の状態での勉強でした。
周りにも休学している友人は多かったため、大学との両立が厳しいと感じたり、合格後に遊びたいと思っている方は、休学という選択肢もあることを知って欲しいです。

まず、1番覚えておいて欲しいことは、公認会計士試験は相対評価ということです。
短答、論文どちらの勉強していても、点数だけに囚われて落ち込んでしまうことがあります。
しかし、短答で全体6割行かなくても受かる年もありますし、論文の素点が20点でも受かる年もあります。
問題が難しいと感じて焦っても、必ず他の人も同じように難しいと感じて焦っています!
私は、管理の計算が苦手だったのですが、管理の計算が難しくなった方が差が出にくいので、ラッキーと思って解いていました!
そう思うことが、試験に打ち勝つ一歩になると思います。
なので、この試験は相対評価!ということは絶対に忘れないでください。
まず、短答の成績を載せてから、勉強法について述べていきます。
ボーダーは超えていたので、安心して論文の勉強に移ることができました。
総合得点 377/500(75.4%)
企業法 70/100
管理 62/100
監査 85/100
財務 160/200

私は、短答の10ヶ月前に勉強を始めたため、最初の5ヶ月くらいはひたすら授業を消化することに必至でした。
なので、予備校は通学でしたが、WEB講義で授業を消化していました。
1日に2~4個程度授業を消化していたため、大変だったのですが、"授業をひたすら消化する"とやるべきことが明確だったので、精神的にはキツくなく、1番楽しんで勉強できていた時期だと思います。
授業を消化する上で大事にしていたことは、アウトプットも併用して行うことです。
授業は、ほとんとがインプットの時間だと思います。
なので、その後にテキストを復習したり、問題集を自力で解いてみたりすることが大事です。
私は、授業を見た次の日、3日後、1週間後、2週間後に授業の復習をし、2週間後のときには問題集も解くようにしておきました。
また、このときに複数の授業を受けていると、スケジュール管理が難しくなるので、ipadのスケジュール帳で管理していました。
CPAでは、短答3ヶ月前になると答練が始まるのですが、私はまだ企業法の授業が終わっていなかったので、企業法の授業を消化しつつ、他の教科は答練に向けた勉強に切り替えていました。
直前答練以外の答練はリアルタイムで受けていなかったのですが、直前答練は本試験の形式がわかるため、授業が間に合っていなくてもリアルタイムで受けることをお勧めします。
理論に関しては、回転できる場所は回転させて、できない場所は理解をしてから回転に移りました。
ここで、焦らずに自分が出来ない分野を理解し、克服しようとする気持ちを持てば、残りの3ヶ月で絶対に成長できます!
短答の直前期は、ひたすら同じことの繰り返しです。
新しいことを覚えるというよりかは、今まで覚えてきたことをいかに定着させるかです。
理論に関しては、2週間に1回全教科のテキストを回転させていました。
毎日毎日同じようなことの繰り返しなので、精神的にきついです、、
1週間くらい前になったら、"今回でこのテキストを見るのは最後だ!!!"という気持ちで、最後の回転をします。
各科目の勉強法についてですが、短答と論文、計算と理論で別物なので、それぞれに分けて説明していきます!
勉強法に自信がある科目については、◯ではなく●にしておくので、特に見てほしいです!
短答の財務会計論(計算)は、1ヶ月前まで点数が伸び悩んでいました。
原因は、ケアレスミスです。
ただ、何回も答練を解くことで、自分のミスのパターンがわかってくるので、論点ごとに注意すべきポイントをメモしていました。
そのメモは日常的に見るというよりは、答練前の10分、本番のときは休憩中などに見ていました。
ケアレスミスのみのメモは、数分あれば見終わるので、見終わらないと焦ることもないのでおすすめです!
また、答練であまり点数が取れない方は、過去問を解くことをお勧めします。
私が通っていた予備校だけかもしれませんが、答練は少しクセがあります。
しかし、試験の問題は素直なものが多い気がします。
私は、答練では5~6割しか点が取れていなかったのですが、過去問では8割取れてびっくりしました。
ただ、答練より過去問の方が難しい、という人もいたので、どちらが自分に合うのかを判断する点でも、過去問を解いてみることはお勧めです。
管理会計論(計算)は完全に守りの科目です!
基礎を徹底的に固めてください。
管理会計論(計算)が難化したときには、誰も解けなくなるので、一気に平均点が下がります。
一方、管理会計論(計算)が易化したときには、平均点が上がるので、1問でも失点すると、そこそこ痛手になります。
なので、難しい問題は一切解けなくていいですが、簡単な問題は解けるようにしておくことが大事です!
あとは、捨てる勇気を持つことが大事です。
最初は、解いたら解けるのではないかと期待してしまい、なかなか問題を捨てるのは気が引けます。
しかし、短答での管理会計論は時間との戦いです。
問題を広く触れることよりも、狭く触れて必ず得点にすることが大事です。
なので、答練を通して捨てる勇気を持てるようにしましょう。
管理会計論(理論)は、安定する教科なので、絶対に味方にしてください!!!
というのも、私は、本試験で計算22点しか取れていないのですが、理論で満点取れたおかげで、管理会計論で足を引っ張らずに済みました。
また、管理会計論(理論)は過去問の焼き直しが多いです。
なので、過去問をひたすら回転していたら、ほとんどの問題は見たことある程度になることができます。
と言いつつ、年度によって本当に太刀打ちできない年もあります。
なので、まわりの人が取れる問題は絶対に取る、まわりの人が取れない問題は取らなくても焦らない、というのが大事です。
管理会計論(計算)と同じようなこと言っていますが、結局は応用より基礎を大事にすることが重要です。
短答に関しては、財務会計論(理論)と監査論と企業法は勉強方法が似ているため、まとめて説明します。
これらの教科では、テキストと問題集を併用して勉強していまし*た。
各教科とも、問題集は3回ほど回転させましたが、毎回間違えたところにチェックをつけておき、3回とも間違えた部分には付箋をつけていました。
そして、問題集はさっと確認できるため、答練前に確認していました。
理論は、テキストだけで勉強していると、理論独特の聞かれ方を忘れてしまうため、直前期であっても、さらっと問題集を見るのはおすすめです。
また、自分なりのまとめノートを作っておくのもおすすめです。
特に企業は、似たような情報が多いので、混乱してきます。
テキストにもまとめは載っていますが、自分でまとめノートを作ることで、理解が深まり、暗記しやすくなります。
まとめノートといっても、自分だけが理解できる簡易的なもので大丈夫なので試してみてください!
恥ずかしい成績なのですが、ギリギリ合格者として参考にしてください!
私は、短答はある程度余裕のある合格ができたのですが、論文はギリギリ合格になってしまいました。

今までの受験を思い返しても、マークシートは大得意で記述は大の苦手ということがありましたが、それ以上に論文はどうせ受かると生半可な気持ちで勉強していたからです。
3ヶ月前になり、そろそろ本気で勉強しないと間に合わないと気付き、ぎりぎり合格することができました。
皆さんも、短答受かったからといって安心せずに、論文まで気を緩まず頑張ってください。
財務会計論(計算)は、論文では個別論点と構造論点とに分かれます。
個別論点に関しては、短答の知識で十分です!!
12短答の子より5短答の子の方が点数高い、ということもあったので、新たな知識というよりかは、既に得た知識をいかに覚えておくかです。
大事なのは構造論点です。
基本的は連結・企業結合・事業分離から出ることが多いです。
構造論点は、論文から新たに勉強が必要になる論点があったり、配点が大きかったりするので、対策が必要です。
まずは、短答の知識を持続させつつ、新しい論点を何度も何度も解いて定着させることが大事です。
企業結合や事業分離は似た論点が多いので、切り離して理解せずに、2~3日時間をとって、じっくり理解することをお勧めします。
構造論点を武器にすると、点数がかなり安定しますし、かなり自信になります!!
ぜひ構造論点は自分の武器だと思えるほど鍛え上げてください!
素直に言ってしまうと、財務会計論(理論)はひたすら暗記です。
最初に取り組むときは、理解したほうがいいですが、理解だけで文章は書けません。
なので3ヶ月前くらいになったら、本気で暗記する意思を持ってください(暗記は辛いです、、)
暗記する際に気をつけるべきことは、全文暗記するのではなく、自分なりのキーワードを覚え、そのキーワードをつなぎ合わせて文章にできるようにすることです。
やはり、暗記の量は膨大なので、いかに効率よく暗記するようにキーワード暗記が大事になってきます。
とはいえ、キーワードだけを覚えていても、上手に文章にすることができないこともあるので、キーワード同士の繋がりも意識することが大事です。
財務会計論(理論)の点数配分も高いので、計算があまりできなくても、理論で偏差値がはねることがあります。
なので、直前期に理論をひたすら頑張れるように、直前期には計算完璧の状態に持っていけると強いです!
管理会計論(計算)は、短答で嫌な思い出がある人が多いと思いますが、論文ではその嫌な思いからも少し解放されると思います!
というのも、短答のように時間に追われることはないですし、財務会計論と合算で偏差値が出るので、足切りすることはほぼありません。
また、短答の知識で対応できるので、新しい論点が追加されることもありません。
なので、短答の知識を使って、論文の形式に慣れれば管理会計論で足を引っ張ることはありません!
管理会計論(理論)は、重要度高めの論点の暗記と、キーワードの暗記が重要です。
他の教科の暗記もあるので、管理会計論(理論)に関しては、重要度高めの論点だけ暗記して、低めの論点は見なくて大丈夫です!
そして、管理会計論(理論)は、キーワード採点と言われているので、暗記する際には、キーワードを正確に覚えることが大事です。
監査論は、理論と事例の2問に分かれていますが、理論はひたすら暗記です、、
だいたい、覚えるべき論点が各予備校で固定されつつあると思うので、それを暗記します。
理論は、暗記である程度の点数を取ることができます!
一方で、事例は暗記ではなく、答練を理解すること、監基報を使いこなすことが大事になってきます。
大体、答練を解くたびに、"ここ問題になるんだろうな"という部分がわかってきます。
なので、答練を解き、解説を聞いて理解する。
これの繰り返しです。
そして、そのときに監基報をいかに使いこなせるかが肝になってきます。
企業法は書き方が決まっているので、まずは書き方を理解して、自分のものにしてください。
次は、論点の暗記です。
また暗記?となるかもしれませんが、企業法は答えが決まっているわけではないので、他の理論に比べて一言一句まで暗記する必要はありません!
(そうは言っても、暗記しなければ何も書けないので、決して簡単なわけではないです).
そして、企業法では、条文指摘をしないと点数がこないので、条文の理解も大事になります。
これは、勉強していくうちに身につくものですが、企業法の勉強をしているときに意識するようにしましょう!
租税法は、忘れやすい科目なので、いかに回転教材を回転できるかが重要になってきます。
私の塾では、問題集が回転教材だったので、論文2ヶ月前から2週間に1回転するようにしていました。
1週間に1回転している知り合いもいましたが、回転数は個人によって異なると思うので、1~3週間に1回転できれば良いと思います。
そして、おすすめの回転法は、今日は減価償却、明日は給与といった風に論点ごとに勉強することです。
最初の方は、色々な論点がまとめられている問題を1つずつ解いていたのですが、あまり点が伸びなかったため、上記の方法に切り替えました。
色々な方法を試してみて、自分に合っている方法を見つけてください!
他の理論と違って、条文を探せることができれば点がくるのが租税法(理論)の特徴です。
なので、租税法(理論)に関しては、どういう論点が何条に書いているかを把握するのが大事です。
問題集をひたすら回転するというよりかは、条文を1条から見ていって、条文と論点を繋ぎ合わせることが大事です。
経営学は基礎を理解することが大事です。
経営学は難化する年もあります。
友人は、難しすぎて解いているとき泣きそうになったと言っていましたが、蓋を開けてみると偏差値は52超えていたそうです。
なので、周りが取れる問題だけ取れば受かるということです。
どんなに難しい問題が出ても、基礎ができれば偏差値50は超えます。
なので、基礎の理解を徹底してください。
私は、基本的に短答まで10ヶ月しかなくても、ある程度余裕がある状態で合格できました。
しかし、論文まで8ヶ月あるにも関わらず、論文はぎりぎりの状態でした。
一般的に、短答は終わりが見えるが、論文は終わりが見えないと言われているので、多くの方が同じ状態だったとは思いますが、それでも私は論文の勉強をかなり舐めていました。
なので、みなさんは短答受かった後でも、気を緩ませずにひたすら合格に突き進んでください!
会計士試験は、途中で断念する人がみなさんが思っている以上に多い試験です。
そんな中、試験に受けようとしている皆さんは立派で、誇らしい方です!
辛い試験ですが、乗り越えたら、一生自分に対する感謝の気持ちが続くと思います。
なので、将来の自分のために頑張ってください!!!
たこ焼きさんへの質問は下記へ。
東大生ということで、自分とは頭の良さが違う、という受験生もいるかも知れませんが、読んで頂ければ、奇をてらわずにゴールに向かって、合理的な行動をしていくことの大切さがわかると思います。
短期合格、順位300位代は、たいしたものだと思います。
勉強期間約1年、在学中合格(東大経済学部)のらららるるるさんの合格体験記です。
長期記憶の作り方、財務会計・計算のコツ、はとても参考になると思います。

合格体験記を見て頂きありがとうございます。らららるるる(twitter名)と申します。
2022年11月現在22歳(大学4年)になります。大学3年次に会計に関しては全くの初学の状態から2021年7月にC P A会計学院に通い始めました。2021年12月短答で不合格となった後に2022年5月短答に合格し2022年8月論文にも合格することができました。
勉強時間としては1900時間ほどで合格することができました。この1年間を通じて会計士試験に効率的に受かるためにはどんな心構えでどんな勉強法をしたらよいのかを考えてきたので、この合格体験を通じて現在勉強中の方や会計士受験を考えている方に私が重要だと考えていることをお伝えしたいと思います。
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直前模試総合D判定だった、りんさん。
本試験では、合格1360人中、663位(偏差値55.28)で、見事合格。
本試験での手ごたえと偏差値は全く異なったという、りんさん。ここまで書ければ、余裕合格というレベルをよくみてみましょう。
りんさんの開示答案
模試の偏差値は良い意味であまりアテにならないなと思いました。あくまでその時点の立ち位置を示すものであり、「ライブ受験者層のレベルの高さ」「問題との相性」「本番までの積み重ね」といった要因で、本番での結果は大きく変動すると思います。
りんさんのツイッター
2020年4月15日から本格勉強をはじめ、8月短答、11月論文合格の美美さん。(2020年は新型コロナ蔓延により、イレギュラーなスケジュール)
Youtubeで、勉強法を発信されています。
ふわっとした話しぶりですが、さすが超短期合格のエッセンスが素晴らしいです。
もうちょいで会計士みみ Youtubeチャンネル
諦めそうになった時、自分に言い聞かせてたこと 短い時間ながらも、勉強法に違和感を感じたら見直して修正する柔軟さが合格に導いたのでしょう。
最初の会社法模試は、条文探しだけで終わってしまったみみさん。失敗したとしても、そこからのリカバリー方法、考え方はとても参考になります。自分の実力を知り、ひとつひとつの勉強、模試の受け方に、「目的」が明確なのも素晴らしいです。
私がE判定から2ヶ月半で論文逆転合格した方法
徹底的な基礎重視
ほんまに最低限の財務理論の論文対策
予習でわからない箇所を明らかにしてから講義をみてすっきりさせる、というスタイル。これはとても理に適っています。理解できた!というアハ体験を利用した勉強法。スマホを封じ込めるのではなくて、スマホをみる時は、常に講義をみて回転させるというのも、逆転の発想です。
論文管理はこんな感じで対策してたで
美美さんのツイッター
合格1360人中1283位での合格というFラン大学生成り上がりチャンネルさんの開示答案。2021年合格です。58の一発合格。
問題によって、得点は様々ですが、ひやひやする感じが伝わってきます。
でも、優秀答案より、こうしたぎりぎり答案のほうが、「本試験での合格点」というものを考察するのによいのではないでしょうか。
Fラン大学生成り上がりチャンネルの開示答案
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ご自分で入学金70万円を払った覚悟で、短期合格を果たされたかんちゃんの合格体験記。2021年合格です。
前半休学→後半復学、だそうです。
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受験生指導経験もある、ぞえさんの公認会計士試験 合格体験記&勉強法
記事のすべてが参考になると思います。ツイキャスも、点数の取り方として、とても参考になるので、時間を使って見る価値ありますね。
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