もなおー、最初が肝心!

1、 はじめに

 もなおーです。
 まず始めに成績も含め、簡単な自己紹介をします。
 現在24歳、大学在学中から大原で勉強を始め、2回目の受験で合格することが出来ました。

<短答式について>

 1回目の短答は32点(合格は34点以上)
 新試験年度初年度の2回目の短答は87点(合格は69点以上)

<論文式について(答練)>

入門期:

 理論の勉強が全く出来なかったので理論系については全く受けることが出来ませんでした。また計算の答練もほとんど半分以下だったと思います。

上級期:

 最初から最後まで普段の答練はどの科目も平均で大体10%~30%台と言う感じでした(初期は20%~40%台だったかもしれません)逆に50%を割ったときは2,3回も無いぐらいだと思います。また論文式模試は上位10~15%程度でした。

2、総論

 私の勉強法はあまり奇抜(何をもって奇抜と言うかは解釈が分かれますが)なことはせず、予備校から与えられた教材をちゃんと自分なりに考えた方法で消化していくことで最終的に合格することが出来たと思っています(ただ後に述べる会社法については別)。

 たまに答練の成績は関係ないという人もいますが、確かに最終的に合格の成績にまで引き上げられたら点数自体は問題は無いのですが、やはりその時点での自分のアウトプット力が問題なのか、それともインプット力が問題なのかを考えるのに大変必要な資料だと思います。
 またそれを考えることが出来るのは受けた本人にしか分からないことです。

 また、各科目について不得意科目を作ることはとても危険なことだと思います。

 というのは、新試験制度ではより足切について厳格な適用がなされていると言うことがあります。

 一方で得意科目も積極的に作る必要は無いと思います。

 もちろんあるに越したことは無いですが、実際試験で出来るかどうかは別問題です。群を抜くように得意でないと、今年のような租税法や経営など埋没問題が多く、ほんの一握りの人しか出来てなくて、大体の人が出来るような問題でいかに落とさずぎりぎりでクリアするかと言う年もあるからです。

 自分が得意だったのに本番で出来ないと、へこんでしまって他科目に影響を及ぼしかねません。さらに、得意科目があると勉強するのも楽しいし、より伸ばそうとそればっかり勉強しがちになります。

 それよりも全体のバランスがほんとに重要です。大体どれも人よりは安定的にちょっと出来る。と言うのがベストです。その上で得意科目があればなお良いといった感じでしょうか。最初は確かに結構難しいんですが、最初の答練のころから意識して勉強していけば応用期には上手く軌道に乗り始めると思います。もちろん普段の答練がその場合のペースメーカであり、分析の資料となるはずです。

それでは以下に、より詳細に勉強方法を記すため、各論Ⅰ,ⅡとしてⅠでは時期で見た観点から、Ⅱでは科目で見た観点から書いていますので、ご自分の必要な情報の部分だけピックアップしてみていただけたらと思います。

3、 各論Ⅰ(時期別)

<入門期>

 まず、私は一般の受かるべき受験生に比べて怠け者であったと思っています。

 入門期では授業は一応全て受けましたが、理論は全く復習せず、計算だけ2,3回転問題集をやり、早朝答練が始まった後は全然出来ないことに驚いて、慌てて計算をやりだしたのですが、全く間に合わないし、答錬は毎日あるしで嫌になり、計算系の答練だけ全て受け、理論は結局受けませんでした。

 週4か5で予備校に行って答練受けて、ダラダラその復習してほぼ1日が終わると言う生活を2月の半ばまで続け、さすがにやばいと思って短答の理論の勉強を始めました。ところがもう授業の記憶はほとんどなかったので、じっくりやらざるをえず、肢別の問題集をちょっとやって、そのたび該当のテキストを読み、また肢別をもう一回やると言う勉強方法をとりましたが、結局1回転しか出来ませんでした。でも蓋を開けたら理論はどれも合格点を取れていたので、この方法はほんとに時間の無い入門生には良いのかなと思います。

<上級期>

 受けた時に落ちたと思ってはいたのですが、怠け者根性が炸裂して結局上級期の授業が始まる9月まで、租税法の授業を4,5回程度受けることしかしていませんでした。

 そして9月から上級期の授業が始まり、私は授業は理論系の科目のみ選択していましたので、財・監・会については授業後に入門期の頃のテキストで必要な部分を新テキストに写しながらじっくり読み込んで勉強すると言う方法をとりました。各科目の勉強方法については後々詳述することにしますが、この講義から最初の答練である、上級答練が始まるまでが、後々考えると一番大事な時期であったと思います。

 また簿記・管理会計の計算に関しては短答対策の理論勉強を開始して以降あまり勉強せず、結局その後も早朝答練が始まるまでほとんど問題を解いていなかったので非常に不安だったのですが、何故かステップが始まっても結構良い位置にいるようになっていて、その後もほとんど順位を落とすことなく、むしろちょっとずつ伸びていって結局最後には安定したそこそこの得点源にまでなりました。

 恐らく入門期にずっとやっていたことがこの頃になって熟成されたのかなと思います。あの頃は出来ないくせに勉強する時間をあまり作らなかったので、「なんでこうなるか分からない」ところは、もう覚えるほうが早いって感じで追われながら毎日やっている状態だったのですが、上級期になると、なんでこうなるのかなというのも考える余裕が出てくるし、だんだんやっていることの全体が見えてき、更に自分なりのテストの解き方が固まったんだと思います。

 その後3月になるまでは特に短答用の勉強もせず、全ての科目をなるべく回すように勉強しました。毎日毎日勉強することは到底出来ないし、家では全くといっていいほど勉強できない怠け体質だったので、答練のペースで自習勉強しようと思って、答練がある時は大原に来るのでその日は大体朝9時から夜9時ぐらいまでというセットを答練に合わせるので週6ペースで勉強しました。

 結局答練のペースで勉強しようとすると、ほんと毎日することが一杯あるので忙しくてよかったです。何も無いと逆に怠けますから(笑)このとき注意していたことは、一日に1つの科目の答練用の勉強をするのは避けました。あくまで一週間かけて答練の予定範囲に間に合うように毎日少しずつやるように出来る限り努力しました。そうすることでいやがおうにも毎日各科目ちょっとずつやらないと全ての計画が崩壊するようになっていましたので。

 ただ、もちろん人間ですから、病気やら不可抗力、やる気がなくてさっと帰ったりしてリズムが狂うこともありますが、そうでない限りは、一先ずはテストの出来不出来よりも答練のペースで勉強するシステムは守るように心がけました。もちろんヤマをはった勉強せず、そのテーマの範囲はすべてやることを心がけました。

<短答特化のタイミング>

 そして、三月ぐらいからは周りも肢別を必死に広げているので、そろそろ短答用の勉強もしないとまずいかなと思うんですが、ここで敢えてワンタイミング(大体四月前ぐらい?)ぐらい遅らせるんです。

 そうすると、非常にあせりますから、それまで答練に合わせて勉強していたので答練がなくなるごろの5月にリズムが崩れやすくなってしまうところを、他人よりも遅れていると必死に肢別をしたり、短答答練の見直しをしたので結果としてちょうど良かったのかなと思いました。

 その時良く肢別を何回転もするなんていう人もいますが、そんな必要はありません。私は大体2回転ぐらいですね。

 もちろん2回目は間違ったところだけチェックをつけて、ほんとに間違いやすいとこだけチェック(今考えると付箋を貼っとけば更に良かったと思います)しといて、ちょっとした息抜きや試験直前に見るのが良いでしょう。

 あと、肢別に全ての情報を集約するなんて人もいますが、私はそのような余裕がなかったものですから、もう肢別は肢別で知識の過不足のチェックシートとして使用しました。また短答答練も肢別と同様の使い方をしましたがほんとに量が多かったので、正直言ってきちんと全部間に合いませんでした。

 新試験制度では短答を一度合格すると2年間免除されるので意外と短答の重要度がましているのは間違いないですが、やはり最終の一括合格を考えるとギリギリまでは論文の勉強をするべきだと思います。(少なくとも論文の答練がある時期までは。)

 よく言われることですが論文の勉強をしていれば短答は通ると言うのはある程度正しいと思います。あまり短答を意識せず、ここまで論文の勉強やっているんだし、四択の問題ぐらいギリでも通るだろうという気構えで受けたほうが案外いい結果がでると思います。(これは論文に対しても言えることです。)

 もちろんなめてかかれと言う訳ではないですが、本試験は一回しかないし、やばいやばいと思ってるよりは、自分はとにもかくにもここまで勉強してきたんだから最後まで諦めずにやれば何とかなると、自分に言い聞かせるように自信を持たす気持ちを持つことはとても重要なことです。

<短答のコツ>

 話がそれましたが、私自身は恐らく最低限度の短答対策しかしてないです。あと、短答に関してですが、最後ほんとに迷ったら、ちょっと気を落ち着かせて、他の受験生だったらどっちを選ぶ人が多いかなと言うのを素直な気持ちで考えてください、案外あっているもんですから。

 また間違ってたとしても他の多くの人が間違っているから良いんです。みんな大体同じ問題で迷いますから、ここで欲を出して人より点数を取るとこだと思って、裏をかこうと普段選ばないようなものを選ぶのが一番最悪なパターンです。

 ちなみに、あくまで予備校のアンケート提出者の集計結果ではありますが、ほとんど全ての問題で合格の肢が一番受験生の選択率が高いんです。短答はあくまで相対試験ですから、人が出来そうなのを無難に落とさなければ絶対に合格できます。

 ですから人と違うことをしようとしたり、普段しないことは絶対に避けるべきです。本試験中は極限に近い状態ですからやらかしがちなのは分かりますけどね(^^;

 ちなみにこれもよく言う話ですが、やっぱり最初に選んだやつのほうがいいですね。あとでまた悩んで変えると大体間違っています。私も管理会計でやってしまい、最初にしていたままだと満点だったのに、結局悩んでラスト2分前に変えて1点逃しました(><)

 長くなりましたので短答の話はここまでとしますが、短答後はちょっとの間、答練がなく、それに短答が終わってちょっと一段落した感があってペースが結構乱れてしまい、また答練が始まったときに、ペースを振り戻すのに苦労しました。結果オーライなんですけど、でも短答後から論文後までは案外時間がないもんですから、ほんとは何らかの対策しないとだめでしたね。

 しかし普段のペースが戻ってからはまた短答特化前の状態に戻るだけですから、結構ペース配分はもうだいぶ慣れていたし、それまでで各科目三周りぐらいテキストはやっていましたから、自分がやるべきとこも見えていて、答練の範囲指定こそ無くなっていましたが、そこそこ勉強自体はやりやすかったです。ただやるべき量なんていうのはもうほぼ感覚的には無限に近いですから、結局論文式模試も大原のものしか受ける余力がありませんでした。

 余談ですが、就活時にどの法人でも予備校の論文模試の成績は書かすので、今のように就職が非常にしやすい年は全く問題ないのですが、厳しいかもというときは他校のも受けておく方が無難です。ちなみに論文模試は大原が一回でTACが二回で、一回目は短答前に行われましたね。まあ今年の結果を見ても就職が厳しいなんて暫くないと思うので、配慮する必要はないと思うのですが。

<生活スタイル>

 またこれは短答前もそうだったんですが、本試験2週間前か1週間前ぐらいから、大体本試験が始まる時間ぐらい(確か10時ぐらいだと思うのですが)に予備校に来て、6時か7時までには帰るという生活スタイルにしました。

 これは一つは、その時間開始になれること、更に体力の温存です。この時期にぶっ倒れたら元も子もないので。本試験に向けて軽い助走にするというイメージです。

 またいつもより勉強時間が短い分、濃密に勉強も出来たと思いますし、ちょっと心にゆとりを持って本試験に望めたのかなと思います。がちがちにギリギリまで勉強してもう後はないという決死の状態で臨むより、多少リラックスしたほうが結果はいいと思うんです。大原の関西圏ではリラックスの方法の講習もありますから是非機会があれば受けてみてもらったらいいと思います。

 最後ですが、あんだけ途中ペース乱すなといっておきながら、結構勉強したくないときはキッパリしませんでした(^^;

 まあ慣れてきてそれも見越して計画を修正するようになりましたけど。したくない気分のときはしなくて良いと思います。能率が悪いですから。ダラダラやるのが一番悪いです。私はそれが一番嫌で一日に出来るだけ全ての科目をやるローテンション制を組んでいました。

 例えば朝に答練があれば、それ以外の科目を昼から1、2時間ずつ程度で勉強し、答練がないときは、朝は弱いので寝てしまいがちな理論は止めて、比較的好きな租税をして、次に、眠くなりがちな監査をして、昼食べて、昼眠くなりそうだか計算の簿記をして、財表をして、ちょっと昼寝して会社法して管理会計して経営して帰るといった感じです。
 まあこれがベストですが、だいたい最後の1、2科目は出来ないことが多いので、それは次の日にやるといった感じです。

 勉強が進んでいない初期の答練が始まる時期や、年明けの忙しい応用期はどうしても経営が遅れがちなので、仕方なく日曜に来て3時間程度経営だけして帰るという、変わったこともしていました(笑)

 要はローテンションを組んで能率的に勉強することが大事で最初はてんやわんやでも段々慣れてきますから、ぜひ実践して欲しいと思います。

 また個人個人の弱点論点は答練が始まる11月までにある程度克服しておくとあとがスムーズで楽です。したくない気分の時は無理にやらない、食べるなり遊ぶなりしたいことをして、次の日にまた頑張ればいいというスタンスが大事です。まさにあめとムチの使いようですね(笑)

4、 各論Ⅱ(科目別)

<簿記>

 やはり新試験制度以降後もなお受験生にとって大きな存在感を遺憾なく発揮している科目ですね(笑)

 私も入門期には散々悩まされました。しかし、他の科目よりも簿記って言うのは急にポンと出来るようになって結構安定する科目だと思います。そこまでめげずにやることが会計士受験を突破する上で最初の大きな関門だと思うのですが。。。

 私もご他聞に漏れず、入門生の途中時期から早朝ステップや論文式答練を受けて間違いノートと言うのは作成するようにしました。結局間違いノートと言うよりも間違いノート兼まとめノートになりましたが。

 まあでもこのまとめノートのおかげで、最終的には基礎はだいぶしっかり押さえられるようになりました。やっぱり自分が間違えるとこって大体決まってくるんです。

 私の場合現金実査の問題で良く間違えたので、まず現金の範囲を答練を受けるごとに書き足していき、さらに講師に対策を相談してその対策方法をノートに書きました。
 またキャッシュフローが最初苦手だったので、怪しいとこ(例えば売上債権勘定や仕入れ債権勘定の辺り)を全てノートに書いてまとめ、更に難易度がかなり高い問題をコピーしてノートに綴じ込み解く際のポイントを書き込み、ことあるごとに読むようにしたら、最終的には安定的に上位に食い込むことができるようになりました。

 もちろん大事なのはノートを作ることではなくそれを身につける事ですから、あまりノート作りに精を出し過ぎないようにして下さい。

<簿記のコツ>

 またこれは私の講師の解き方でそれを最終的に自分の型にしたのですが。。。
  • まず、答案用紙に名前を書きながらどんなとこが問われているのか見る。本番は恐らく枠番号しかないのですが。
  • そして、まず問題用紙の残高試算表なりP/L、B/Sを見て、これは臭う!!という勘定をグルッとボールペンでマークします。(例えば決算整理前残高試算表上にその他有価証券評価差額金があれば訂正する必要がありますよね。)
  • そして上から問題文をざっと読み、大体どんな問題構成になっているか読み(特にキャッシュフローはこれがものを言います。あちこちに条件が散っていることが多いので)。
  • そして最後から上へ順々に問題を解きます。大体下のほうが単発の簡単めの問題が多いんです。今年の論文も第一問はこれではまらず解くことが出来ました。
  • 最初に簡単な単発問題を解いて、
  • 次にややこしくなりがちな有価証券や固定資産を解き、
  • 最後に特商とかに取り掛かって、
  • 頃合を見て、捨てるとこは捨てる。
  • また仕訳はほとんど切らず問題用紙の残高試算表に加減を直接書き込んだり、
  • もう他にこれについて解くのはないと思ったときは解答用紙に直接書き込んだりしました。
これを繰り返すと自分のフォームが段々完成されてきて、緊張してもある程度機械的に手が動くので本試験にはとてもよいと思います。

 また連結に関しては他の問題とは一転して、一部の資本連結以外(例えばややこしい評価差額関係は仕訳を書くこともある)は全て仕訳を書くということにしました。

 やはりどうしても連結は書かないと漏れ易いし、一個忘れると連鎖反応的に間違えるものですから。そして四色のボールペンを使っていましたから、仕訳を切りつつ、少持ち株主関係は赤のラインを引き、法人税関係は緑のラインで線を引き、最後にまとめて集計しました。

 もちろん仕訳を切らない人より時間は掛かるかもしれませんが、慣れると早く切ることも出来るし、大体常に上位20%以内にはいたと思います。ちなみに商品関係について良く抜けやすかったので、いつも6つのことをしなくてはならないと頭に入れておきました。

・未達
・内部利益
・内部取引(仕入れ売上げ)
・内部債権取引
・手形取引
・貸引

 の6つです。固定資産や社債は抜けないんですが、この6つはどれか一個結構抜けやすいので、いつもチェックしていまし た。良かったら苦手な方は参考にして下さい。

 また、資本連結に関しては大原のクイックメソッドで解いていました。

 また、短答については今年はちょっと微妙なのも出ましたが、論文式答練である程度の結果が残せていれば短答答練や過去問で多少練習すれば充分対応は出来ると思います。  

<管理会計>

 この科目も簿記と同じように間違え、まとめノートを作成していました。

 後は理論がやっぱり厄介だと思うんですが、特に来年の論文式はハイテクの理論はどうなんでしょうか?でも結局やらないという選択肢は無理だと思うので短答対策のためにも、ハイテクについても貪欲にやっておく必要はやはりあると思います。

 管理会計についてはイメージをしっかり持つことが大事です。

 今自分が何をしているのかということは理論の理解にも役立ちますし、様々に問題設定が変化しやすい管理会計にも比較的柔軟に立ち向かえるようになるのではないでしょうか?

 苦手な方はやはり答練を何回も解きなおし、今何をやっているかということを講師に質問しまくることが一番の近道だと思います。

 あと、ハイテクなどの理論については勉強だからって言うのではなく、他より実践的な学問ですから是非興味を持って聞いていただくと吸収率が何倍も良くなると思います。ただ、過去の本試験問題は必ず数年分は、しっかり解く必要までは無いですが、是非みておいてください。

 普段の答練と違うのが結構多いと言うのが分かると思います。はなから深くつっこんでやっちゃいけない問題があります。ですから本試験は何をどういう順番で解くかというのがとても大事です。というかそこで差がつきます。

 こればっかりはご自分の得意不得意や経験や運の領域だと思うので、是非その辺りも頭に入れて普段の答練に望めたらよいと思うのですが。

 また短答も今年はご存知のように理論中心の問題となりましたが、来年はどうなるか分からないので、短答答練を中心の勉強が一番無難だし、あとは、原価計算基準を一通りやれば合格点は取れると思います。今年基準から2問出たので今までよりちょっとウエイトは上がると思いますが。

<財表>

 財表についてはやはり上級答練までの基礎期間にしっかりやっていたのがホント良かったと思います。

 典型的なキーワードについては大体言えるようにする必要はあると思います。

 一度最初に書くなり何なりしてある程度重要キーワードについて軽くでも覚えておくと、後でテキストを2周3周したときに非常に楽なんです。

 あとこれは他の科目でもそうですが、私はポケットコンパスは一切使用しませんでした。やはり一対一対応的に覚えるより文章の流れでテキストを何度も読み返す式の勉強のほうが良いと思います。

 というのも本試験では一対一対応で知識を吐き出すほかに、発想力で無理やり作文する必要がある問題も結構多いのですが、そのとき何度もテキストを読んでいると一対一対応で覚えているよりひらめき度が増すと思うんです。

 ですからポケコンで単語を覚えるよりはきちっとテキストに戻ってついでに周辺のことも読み込むほうが勉強としてはいいのかなと思います。また上級の基礎期にはちょっと答練が無い分時間も多少有ったので、法規集もなるべく読むようにしました。テキストでカバーしきれない分も結構あったし、授業でやったすぐ後に基準を読むと意外とすんなり読むことが出来ます。もちろん基準を読んで分からないとこは講師に質問しました。

 また一般原則や連続意見書はそんなにしっかり読まないで、退職給付や旧自己株基準、金融資産の辺りやキャッシュフロー、外貨建、結合会計などは結構読み込みました。慣れればほんと一つ辺り2,30分ぐらいですーっと読めるようになりますから、是非法規集は読んで欲しいと思います。

 また財表に関しては過去問は特に見る必要は無いですが、アウトプット力が非常にものを言うと思いますので、結構ハイレベルな問題を出す大原の答練は、是非毎回きちんと出てしっかり練習することをおすすめします。また解説文なんかも一杯書いてありますが、興味本位で一読はして欲しいです。

 財表はやはり重要な少数キーワードは最低限抑えて、あとは薄く広く貪欲に吸収していければ、本試験でひらめく回数も上がると思います。

 本番では、まず書けないっていう問題も必ず出してきますので、いかに作文で点数をかすめとって乗り切るかも一つのポイントです。またかなり論文の財表は新しい物好きです。公開草案段階のものも関連分野と言う形で出した前歴があります。

<監査論>

 私にとってはちょっと苦手な科目でした。

 本試験問題は是非数年分パラッとでいいので一度は確認しておいてください。かなり細かい知識問題を問うてくるのが毎年1問は出てきます。もうこれはヤマはるしかないですが。

 あとは講師も言うと思いますが、監査も新しい物好きなので要注意です。監査の論文に関してはフライングで新しいのを訊くこともあるようですから注意しましょう。今年も品質管理、ITや新基準もバンバン訊いてきてましたから。

 監査の勉強法は結局こちらは財表と違って委員会報告書等は一切読まず、テキストオンリーにしました。というのは大原のテキストがかなり報告書ベースで書かれているのと、費用対効果が財表に比べて薄いと判断したからです。

 ですからテキストベースで授業で板書したフローチャートも使って視覚的に勉強しました。字づらだけ追って勉強すると監査って退屈なんですよ(^^;

<租税法>

 テキストのボリュームがしゃれにならなかったので、かなり早くから対策はしていたし、短答ギリギリまでも計算中心に勉強していました。

 ただ消費税だけは短答後じっくりやりました。消費税については最初とっつきにくいとこはあるので、集中的に時間を確保して、理解するところはして、覚えるもんはある程度覚えると言う方針にしないと、ダラダラちょっとずつやるのは、所得や法人税より効率が悪いです。

 消費税は一度しっかりやると結構部分点は取れるもんですから。本試験の結果を見ても消費をやらざるをえないですね。租税法についても他の計算科目と同様間違いノートを作って勉強していました。やっぱりどうしても忘れやすい科目なので、そういうもんなんだと思って割り切って何度もテキストに戻って実際手を動かすという勉強をするのがよいと思います。

 理論については私は理論総まとめを2,3回パラパラとしか見てないので、何ともいえないです。所得も合わせて、予備校のカリキュラムに沿ってやるしかないと思います。ただ今年のは批判も多かったので、再度サンプル問題、今年の本試験問題両方を視野に入れる必要があるかなと思います。

<経営>

 どうしても一番捨てられがちな科目ですが、これも短答前にある程度やっておくと短答後ホント楽です。

 授業に合わせて授業後しっかりテキストを読み込む、理解し重要・定義語は軽く暗記。

 ファイナンスなどの財務論も一回理解するのに実はそんなに時間は掛かりません。

 ですから、是非年内に1回転はしておくのが理想です。

 ここで何度も言いますが、理論系は初めがどの科目についても最重要なんです。

 ですから、理想ではあるのですがむりやり年内に1回するというのは結局無駄になりますから止めましょう。

 過去問についてはそんなに研究する必要は無いでしょう。先生が変わると問題も変わりますし。興味程度に読めばよいと思います。また日経は無理に読む必要は皆無です。息抜きなら読むことはおすすめしますが。

 受験対策で日経を読む暇はないと思うし、やはり費用対効果も薄いです。今年は確かにあんな問題でしたが、来年もそうだとは言いきれないし、むしろその可能性のうほうが低いですからね。やはりテキストベースの勉強で充分だと思うし、それ以上やる必要は逆に無いです。やはり経営のウエイトは他より多少低くしても何とかなりやすいです。テキストも監査や会社法より厚いですが1回やれば他より全然早く回転できますから。

<会社法>

 今年から新しく一部が商法から会社法へ変わったのですが、その対策がかなりどこの予備校もネックだったようです。

 大原でも最終的にテキスト差し替えになったり追加になったりしたので、やはり結構混乱気味でしたね。私は最初の大原の応用テキストの量だけでは不安だったし、講師の薦めもあり、会社法立法担当者の葉玉先生を中心に立法担当者が集まって作成した、ダイヤモンド社の「新・会社法100問」を年明けからは中心に勉強しました。

 やはり先に一度は基礎テキストで勉強しないと、いきなり論文対策の応用テキストで勉強すると言うのは会社法では厳しいですから、基礎テキストをまずやっていました。

 その後、やはり会社法は他科目に比べて短答用と論文用の勉強がハッキリしていたりして、勉強しにくい科目だなと思っていたので、特に会社法は色々自分なりに試行錯誤して勉強していたのですが、その結果、いいかなと考えたのは、、、
  • まず授業に合わせて基礎テキストを読みますが、このとき法の趣旨をノートに機関や資金調達ごとにテーマを分けてどんどん書いてストックしていくのです。
  • また条文も頻繁にひきます。この条文引きは最初はホント熱心にやったほうが良いです。全ての条文をひく必要は無く、段々ひくべき条文・覚えておくべき条文がしっかり頭に入ってくると思うので。またストックした趣旨も積極的に頭に入れて起きましょう。きちっと趣旨を盛り込んだ答案にすると答案自体も書きやすくなるし、非常に論文式の答案が締まった答案になります。(慣れたら全体の構成を気にするほうが良いとは思いますが)
  • そして上級答練期は応用テキスト中心で、100問は辞書代わりの使い方で結構です。
  • また、上級生の方は応用テキストスタートだと思うので、早い段階で基礎テキストからも自分で積極的に趣旨を収集していって下さい。
  • そして、応用答練期ぐらいになると、よくひく条文や、大事な良く使いまわす趣旨も分かってくるので(応用テキストにだけ載っている趣旨も当然ストックしていきます。)、
  • 次に、これが手間で、私も最初は面倒くさいなあと思いつつ講師に薦められるまま始めたのですが、やると最終的に非常に実力が伸びると思われるのは、応用テキストの問題のうち100問と論点が被るのがかなりたくさんあるのですが、それを照らし合わせて、まとめノートを自分なりに作るんです。
  • 具体的には、被っている問題のうち、100問の問題のほうで自分なりに答えを見ながら簡単なまとめ答案を作成します。大体見やすいようにルーズリーフ片面1ページに収まるようにしました。
  • 会社法の論文について葉玉先生がご自分のブログで述べていらっしゃたんですが、アウトプットの練習が不可欠なんです。ただ100問は全部は大変なので応用テキストの被っているうち、100問の方がいいなと思ったのと、重要だと思われる論点、例えば、機関の取締役関連は100問をほとんど勉強しました。最初はノートを作るのに時間もかかるけど、答案作成するうちになんとなく書き方も分かるようになるし良いと思います。
  • 最終的に私は応用テキストや論文答練の問題もノートにまとめていったので大体40問ちょいぐらい書きましたが、大変だった分、本番でもその効果もかなり出たと思います。

5、 まとめ

 以上のように長々と書きましたが、まとめということで内容的には重複することになりますので、最後は文書にせず箇条書きにして終わりたいと思います。

・ まずテキスト一周目の勉強が肝心。内容を理解し、ついでに出来るだけ暗記も行う。

・ 答練にあわした勉強サイクル。

・ やる気の無いときはアッサリやめてリフレッシュ。

・ 苦手科目を作らない努力。

・ 一日に出来るだけ多くの科目を勉強する。

・ 短答は他人より一歩遅く始める(ギリギリまで経営、租税もやる)

・ 計算系の間違えノートは必須。ただしちゃんと身につくまで読む。

・ アウトプットの練習の場として必ず論文答練は受ける。

以上です。

 人に克つより自分に克つ事が大事だと思います。

 自信や計画性が無いなら下手に大きく手を広げないこと、一度しっかりした結果が出るまで自分が決めたやり方を貫くこと。

 どの科目に対しても常に今習っていることに対して「あっ、そうか!!」という好奇心を持って、楽しんで勉強するようにしてください。そうすれば苦手科目も減っていくことでしょう。

 来年以降合格者が増えることも期待されていますが、そんな他人任せの予測に左右されず、自分を信じて最後まで頑張って勉強してください。

 最後まで読んでくださった皆さんの来年の合格を心から信じて、私の体験記を終わりたいと思います。ありがとうございました。